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「ドイツ放射線防護協会」の提言は「ドイツ」の放射線防護の実際を反映したものではない

ドイツ放射線防護協会(GfS)の主張の正否はここでは置きます。彼等の主張がそのまま「ドイツ政府」の見解だと誤解している向きが未だに多いので、最低限の共通理解として、彼等と「ドイツ政府」(もしくは直属の「放射線防護委員会(SSK)」)は対立しており、それぞれの見解は全く違うのだ、ということをせめて知ってもらいたい。
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ドイツ放射線防護協会と大きく立場を異にするドイツ政府や州政府

  • 原子力事故の際、長期避難、移住に関する介入基準は100mSvである。安定ヨウ素剤の服用は18才までの子供、妊婦で甲状腺等価線量50mSv以上、それ以外は250mSv以上。
  • 国や州の検査機関は、検査で基準値を上回った食品に関してメーカー、商品名などの情報を「出してはならない」。
  • チューリンゲンでは、市場への影響を配慮して、イノシシの検査を行なっている地域を「公表していない」。

くどいようだが8Bq/kg、4Bq/kgという食品基準についてもう一度

  • 実際ドイツ国内で拘束力を持っている基準値はチェルノブイリの一ヶ月後からずーっと370Bq/kg、600Bq/kg
まとめ 様々なソースから見るチェルノブイリ後の東西ドイツ(時系列) 何かの参考になるかも知れないので、まとめてみます。まだまだ未完成です。例によって間違いのご指摘、新たな情報の追加等ありましたらよろしく。 つぶやきの最後の括弧の数字は以下のソースを指します。 (1)"Das Protokoll der Atomkatastrophe" - FOCUS Online http://tinyurl.com/65c62ya (2)Melanie Arndt "Tschernobyl Auswirkungen und Perzeptionen im deutsch-deutschen Vergleich" http://tinyurl.com/6s2l7zg (3)Johannes Friedrich Diehl "Radioaktivität in Lebensmitteln".. 2038 pv 18 1 user 1
  • 彼等の基準は、放射線の影響に慎重な他の団体と比べてもかなり低い。

例えばミュンヘン環境研究所 http://tinyurl.com/5s4zxun

”Jedoch wird von unabhängigen Experten auf der Grundlage der Bestimmungen der bundesdeutschen Strahlenschutzverordnung von 1976 geraten, dass die Nahrung von Erwachsenen nur höchstens 30 bis 50 Bq/kg Cäsium-Gesamtaktivität und von Kindern, stillenden und schwangeren Frauen nur 10 bis 20 Bq/kg betragen sollte.”
「1976年に施行された「放射線防護条例」の定める原則に依拠する在野の科学者達は、成人で30-50Bq/kg未満、乳幼児と妊婦で10-20Bq/kg未満を基準値とすべきだ、と助言している」

  • ミュンヘン環境研究所は、この値を「推奨」しており、今でも食品検査を行っているが、Strahlentelexは1993年以降測定は行なっていない。GfSの値で検査実施している団体がはたしているのだろうか?

    しかも、この「放射線防護条例(StrlSchV)」にある0.3mSvという数字を、食品基準の根拠にすることをドイツ政府は否定している。

hanswurst @klammer_affe

チェルノブイリ事故後の混乱期について一通りまとまったので、今度はドイツの放射線防護の法的根拠について、わかる範囲で。根拠になる法律は次の4つ。参考→http://t.co/sV3rUinu

2012-03-01 23:15:28
hanswurst @klammer_affe

原子力法(Atomgesetz (AtG)):放射性物質(特に核燃料)の取り扱いについて定める。http://t.co/L5S8tOXL

2012-03-01 23:16:32
hanswurst @klammer_affe

放射線防護対策法(Strahlenschutzvorsorgegesetz (StrVG)):原子力災害時に市民の被曝を低減する為の枠組み。連邦、州政府それぞれの管轄と権限を規定。1986年12月に施行。http://t.co/zf0KdK3m

2012-03-01 23:22:48
hanswurst @klammer_affe

レントゲン条例(Röntgenverordnung (RöV)):AtGを補完。医療目的で使用されるX線の取り扱いについて定める。http://t.co/QG1gpu2c

2012-03-01 23:23:27
hanswurst @klammer_affe

放射線防護条例(Strahlenschutzverordnung (StrlSchV)):AtGを補完。放射性物質を取り扱う際の防護対策の基準、及び自然放射線と加速器等の 原子力施設からの被曝線量等を規定。http://t.co/P0M2pN0p

2012-03-01 23:25:38
hanswurst @klammer_affe

この内、放射線防護協会が「食品基準」の根拠としているのはStrlSchVの規定する核関連施設(特に原発)からの排水、排気による被曝上限である(0.3mSv)。

2012-03-01 23:27:23
hanswurst @klammer_affe

このStrlSchVはチェルノブイリ事故のあった86年に野党議員や慎重な対応を求める学者等から槍玉に上がった。子供が当時の基準500Bq/Lで牛乳を1L20日間飲み続けたとしたら、この法令の定める原子力施設従事者の年間被曝線量限度さえ超える恐れがある、といった主張である。

2012-03-01 23:30:53
hanswurst @klammer_affe

しかし、連邦政府はこのような主張に対して「StrlSchVの定める平時の基準は極めて保守的な数字であり、また原子力事故の際に汚染された食品等の基準は規定されていない。そのような場合には事故時の基準である5rem(50mSv)が適用される」という旨の解答している。

2012-03-01 23:36:17
hanswurst @klammer_affe

先のTwのソース。連邦議会で提出された質問に対する政府の解答。PDFファイル。http://t.co/jkupdpGt

2012-03-01 23:39:18
hanswurst @klammer_affe

こういった事情や、チェルノブイリ事故直後に連邦政府と州政府が複数の基準値を乱発し、それによって市民を混乱させたことへの反省から1986年の12月に新たにStrVGが施行される。

2012-03-01 23:41:53
hanswurst @klammer_affe

このStrVGには原子力事故が発生し、かつ欧州委員会等から指示がなく、かつ緊急を要する場合には、連邦環境相が食品等の基準値を決定する権限(過半数の州知事の承認等が必要)を持つ旨が規定されている。

2012-03-01 23:46:17
hanswurst @klammer_affe

これのミソは連邦政府の環境相が一括で基準を決められるところにある。その基準がどう決まるかと言うと、SSK(放射線防護委員会。「協会」ではない!!)の"Radiologische Grundlagen"や、EURATOM(欧州原子力共同体)の基準が参考にされるのだろう。

2012-03-01 23:54:34
hanswurst @klammer_affe

いずれにせよ放射線防護協会の基準の法的な根拠というのは希薄であると思われる。ちなみに86年当時同じようにStrlSchVを根拠に批判していた緑の党やSPD(ドイツ社会民主党)が98年から与党についたとき、脱原発はしてもこれらの基準や法制度は改正しなかった。

2012-03-02 00:03:48

がれき処理に関する提言について

hanswurst @klammer_affe

引き続き放射線防護協会(GfS)について。「汚染されたものを混ぜてはいけない国際的合意」というのがあるとして、ガレキを焼却炉で処理することがこれに当るのかな、と。

2012-03-05 19:59:56
hanswurst @klammer_affe

例えばStrlSchVの§29とAnlage IIIあたりに放射性廃棄物の定義、基準等がある。それによると平時でもCs-137にして0.5Bq/g(500Bq/kg)までのものは無制限に通常のゴミとして扱っていいことになってる。

2012-03-05 20:01:36
hanswurst @klammer_affe

焼却炉で処理するなら年間1000tまで3Bq/g(3000Bq/kg)のものが処理可能。http://t.co/XzBSEzxI (Tabelle 1の5列目が無制限に処理していい値で、10列目が年間1000tまで焼却処理していい値)

2012-03-05 20:03:27
hanswurst @klammer_affe

こうした考えの元には10μSv-konzeptというのがあって、原子力施設由来のゴミによって年間10μSvを超えることがないようにと。http://t.co/7jhYllmG

2012-03-05 20:05:27
hanswurst @klammer_affe

しかも、以前も言ったように、このStrlSchVはチェルノブイリ事故の時には「平時の値で、保守的に設定されている」という理由で適用されなかった。基準値を超えた牛乳は混ぜて売られたし、野菜もそのまま畑に鋤き込まれた。

2012-03-05 20:06:20
牛乳を混ぜることは問題とされなかった。

当事の連邦議会における答申。PDFファイル
http://tinyurl.com/7lkrdem

"Warum wurde radioaktiv hochbelastete mit niedriger belasteter Milch gemischt, wie dies z.B. in Bayern geschah, anstatt die in manchen Gebieten relativ niedrigbelastete Milch für Risiko-gruppen bereitzustellen?"
「汚染度の高い牛乳が、汚染度の低い牛乳と混合されているのは何故か。バイエルンでそのような事例があった。それよりも汚染度の低い大半の地域で生産された牛乳はそのままリスクグループに供給されるべきではないのか?」

"Eine Änderung des Betriebsablaufs beim Einsammeln von Milch durch Molkereien war in der gegebenen Situation nicht erforderlich."
「現状において、牛乳製造業者が原乳を集約する際の通常工程をあえて変更する必要を認めない」

コメント

酋長仮免厨 @kazooooya 2013年1月6日
EU Regulation (Euratom) No 3954/87 にて放射性セシウムは、乳幼児用食品 400Bq/kg、飲料水・乳製品 1000Bq/kg、一般食品 1250Bq/kgとなっていますが、ドイツも現在はそれに合わせているのなか?(・_・?) http://j.mp/LVUjKw
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hanswurst @klammer_affe 2013年1月6日
kazooooya それはチェルノブイリ以後「新たに」原子力災害が起こった際の食品「輸入基準」ですね。「チェルノブイリ事故による」汚染食品の輸入基準はそれに先立つ Regulation 1707/86 (現在は Regulation 733/2008 に継承)にて370Bq/kg、600Bq/kgと定められ、それが基本 EU 各国の「国内流通」にも適用されているようです。http://goo.gl/D4OQI http://goo.gl/Da9X7
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酋長仮免厨 @kazooooya 2013年1月6日
.klammer_affe ややこしいですね。最大許容レベルであって現在の基準値ではない、ということですね。http://j.mp/RzSv0O ありがとうございましたm(_ _)m
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hanswurst @klammer_affe 2013年1月7日
kazooooya 3954/87 などの原文を見てみるとわかるのですが、@kazooooya さんが上に上げられている基準値は Cs-134及びCs-137「のみ」の基準ではなく、Sr-90 や Pu-239 などを除く半減期が10日以上の核種全般に関する基準のようです。
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hanswurst @klammer_affe 2013年1月7日
kazooooya そこで例えば Ru-106、Co-60 といった比較的半減期が短かい核種が考慮して、事故後おそらく一年程の間は比較的高めの輸入基準を許容するということらしいですね。http://goo.gl/iaizH アイルランドのサイトですがそのような記述があります。以上参考まで。
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hanswurst @klammer_affe 2013年1月7日
あと、久し振りに見たらまとめ中に訳の怪しい箇所が多々あったので改善を試みました。もぐら叩きのようなものですが一応。
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