日本神話語り 中巻

こんばんわ! 胤義様の神話語りをまとめました! 古事記に併せて神武天皇~応神天皇です。 上巻 http://togetter.com/li/261009 下巻 http://togetter.com/li/276820
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ちなみに、神武天皇たちが気を失った理由はなんがかぼんやりしていますが……胤義様のおふざけではなく、ガチでそう書いてあるので仕方ないです。

到熊野村之時 大熊髮出入即失
熊野村に至る時 大熊、髮(ほのか)に出で入りて 即ち失せき。

爾神倭伊波禮毘古命忽爲遠延 及御軍皆遠延而伏
爾(しか)くして神日本磐余彦にわかに、おえして 及び御軍おえて伏しき。

日本書紀の方では、この村に入る前に何度か戦闘をしています。
熊野の丹敷浦(場所は不明)についた時、丹敷戸畔という者を殺しました。
その時に神が吐いた毒に当てられたと書かれています。

三浦平九郎判官胤義 @bot_miura9

イワレビコはその倉庫番に、どうして助けてくれたのかを尋ねると、夢で見たという話をした。アマテラス大神と神産巣日神と一緒にいて「あたしの子孫苦戦してんだけどー、助けてあげたいなー」と相談していた。そこで高天原の最恐の雷神タケミカヅチに持ちかける!!

2012-03-01 23:02:06
三浦平九郎判官胤義 @bot_miura9

タケミカヅチは冷静に「いや、自分が出ていくのは最後の手段ですから……」と言、一振りの太刀を下界に落とした。そこで倉庫番の目が覚めたのだが、倉の天井に穴が開いていて枕元にその太刀があったので、イワレビコに届けたというわけだ! 勤務中に寝てた上に持ち場離れんなよと思ってはいけない!

2012-03-01 23:16:52

一応、高倉下の名誉の為に補足しますと、寝てたのは夜なので勤務時間外ですけどね
(馳せ参じたのは勤務時間内かもしれません)

ちなみにこの太刀の名は
佐士布都神(さじふつ)
甕布都神(みかふつ)
布都御魂(ふつみたま)
という三つの名がついており。石上神宮に祀られています。

「さじ」はよく解っておりませんが、
「みか」はタケミカヅチの「みか」と同じく威力を表します。
「ふつ」は刀を振る時の擬音です。

布都御魂は、神代に伊邪那岐命が火具土を殺した剣にも宿る神でもあります。

石上神宮

日本最古の「神宮」で、非常に霊験あらたかで畏れ多い神社です。 かの桓武天皇の世に、宝物を移そうとして強力な祟にあった話も残っております。

三浦平九郎判官胤義 @bot_miura9

で、その後さらに奥へ進もうとしたが今度は八咫烏が立ちはだかった! しかし、これは神産巣日神の命令によって使わされた霊鳥だったのだ! ちなみに八咫烏は「大きな烏」という意味だ。三本足で描かれることが多いが三本足の烏が神の使いというのは中国や高句麗の神話にもあるから混ざったのかもな。

2012-03-01 23:12:05
三浦平九郎判官胤義 @bot_miura9

「ここから先は荒ぶる神が多いから、これについて迂回しなさい」と言われたので、ついていくと……吉野川の川下まで出た。そこにいた国津神を従わせ、さらに進みながら、周辺の尾の生えた国津神を従わせ宇陀へと入った!! そこの宇陀を治めていたのはエウカシ・オトウカシという豪族兄弟だ。

2012-03-01 23:17:05
三浦平九郎判官胤義 @bot_miura9

イワレビコはまず八咫烏を飛ばして様子を探るが、兄は問答無用に弓を射って追い返した! 「ちょ、兄さんなにしてんの!」 ドン引きの弟を余所に迎え撃つ準備をすすめる兄! しかし誰も兄に賛同しないので、床を踏んだら潰されるからくり屋敷を建てて嘘のなめこパーティーを開き呼び寄せる事にした!

2012-03-01 23:22:04
三浦平九郎判官胤義 @bot_miura9

弟は急いでイワレビコに伝える。そして兄が宇陀に入ったイワレビコたちを屋敷に上げようとしたら……従者の道臣と大久米が「まずお前が入れよ」と言ってからくり屋敷に押し込んで討したのだ! ちなみに道臣は大伴氏の祖。大伴氏の末裔は八幡太郎義家様に仕えたり、鶴岡八幡宮の神主になったりしてるぞ

2012-03-01 23:27:05

大伴氏は純和天皇の諱が「大伴」と言うので、それを避けて「伴」と名を変えました。

平安前期では由緒正しき『武人』の家柄と称されていましたが『武士』が出てきてから衰退していきます。
そして伴忠国が鶴ケ岡八幡宮の宮司となったと後、社職として血筋が続いて行きます。

また国司となって地方に土着し、武士団を形成した筋もあり、その代表が大伴員季伴助兼です。

三浦平九郎判官胤義 @bot_miura9

そしてその後、弟となめこパーティーをして、イワレビコは「エウカシm9(^Д^)プギャー」的な歌を詠む。そして更に忍坂に入ると、大きな宮殿に尾の生えた土蜘蛛が大勢いた。……土蜘蛛とは、天つ神でも国つ神でもない賎しい民と言われた者だ。

2012-03-01 23:32:05
ヤマトタケルbot @ymatotakeru_bot

さすがご先祖さま!長すぎて載せられぬが素晴らしき御歌!(゚∀゚)【倭建命】 RT @bot_miura9: そしてその後、弟となめこパーティーをして、イワレビコは「エウカシm9(^Д^)プギャー」的な歌を詠む。そして更に忍坂に入ると、大きな宮殿に尾の生えた土蜘蛛が大勢いた。

2012-03-01 23:46:23

その歌がこちらです。

宇陀能 多加紀爾 志藝和那波留
うだの たかきに しぎなわはる
(宇陀の 高城に 鴫罠張る)
「宇陀の砦に鴫を捕まえる罠を張った」

和賀麻都夜 志藝波佐夜良受 伊須久波斯 久治良佐夜流
わがまつや しぎはさやらず いすくはし くじらさやる
(我が待つや 鴫は障らず いすくはし 鷹等障る)
「私が待っていると、鴫は掛からなかったが 鯨がかかった」

※いすくはしは鯨の枕詞と思われます。
 「いす」は「いさ」で鯨の古語です。
 また、鷹は古語で「くじ」と言います。
 鴫の対比で鷹、転じて「くじら」で鯨……という事でしょうか。
 どちらにせよ思いも寄らない大物が掛かったという意味ですね。

古那美賀 那許波佐婆 多知曾婆能 微能那祁久袁 許紀志斐惠泥
こなみが なこはさば たちそばの みをなけくを こきしひゑね
(前妻が 肴乞はさば 立ちソバの 実の無けくを こきし削ゑね)
「前妻が肴を欲しがったら、身の少ない場所をむしり取ってやろう」

宇波那理賀 那許婆佐婆 伊知佐加紀 微能意富祁久袁 許紀陀斐惠泥
うはなりが なこはさば いちさかき みのいときくを こきだひゑね
(後妻が 肴乞はさば いちさかき 実の多けくを こきだ削ゑね)
「後妻が肴を欲しがったら、イチサカキぐらい身が多い所を取ってあげるよ」
※イチサカキはヒサカキの古語で、実が多くつく木です。

疊疊 志夜胡志夜 此者伊能碁布曾
ええ しやこしや こはいのごふぞ
(エエ シヤコシヤ 此は威の号ぞ)
「エーエーシヤコシヤ これは勝鬨の声だ」

阿阿 志夜胡志夜 此者嘲咲者也
(ああ しやこしや こはあざわらはや)
「アーアーシヤコシヤ  これは嘲笑いだ」
※古語で、咲は笑うという意味がありました。大河で常盤御前を演じられる武井咲殿も「咲」で「えみ」と読むんですよね!

日本書紀にも同じ歌が大久米が歌ったと書かれ、
「久米歌」と呼ばれ、記紀が編纂された時代にも歌われていたとあります。

ちなみに鎌倉の世や今の世でも歌われているかというと、
胤義様も、ましてや私も殿上人ではないのでわかりませんw

そして、弟のオトカシは、「宇陀水取」という、宇陀にいた飲水を管理していた民の祖とされています。

三浦平九郎判官胤義 @bot_miura9

忍坂の宮殿にいた土蜘蛛達を、イワレビコはなめこパーティーで接待した。そして歌を詠む……「……お前らがどんなに大勢集まっても、やっつけちゃうもんね! 久米さん、お願いします!」 そして一斉に斬りかかり、忍坂の土蜘蛛を一網打尽にした後、遂に兄イツセの敵長髄彦へ攻める!

2012-03-01 23:42:05

大久米命をはじめ、武人たちが料理人に化けて宮殿に上がり、
神武天皇の歌を合図に斬りかかります。

その歌が、こちらです。

意佐賀能 意富牟廬夜爾 比登佐波爾 岐伊理袁理
おさかの おほむろやに ひとさはに きいりをり
(忍坂の 大室屋に 人多に 来入り居り)
「忍坂の大室屋に人がいっぱいいる」

比登佐波爾 伊理袁理登母
ひとさはに いりをりとも
(人多に 来入り居り)
「人がいっぱいいたとしても」

美都美都斯 久米能古賀 久夫都都伊 伊斯都都伊母知 宇知弖斯夜麻牟
みつみつし くめのこが くぶつつい いしつついもち うちてしやまん
(みつみつし 久米の子が 頭椎 石椎持ちて 撃ちてし止まん)
「強い久米の子が 剣を持って討ち滅ぼしてやる」
※みつみつしは、久米の枕詞です。意味は不明ですが、枕詞が作られるなんて大久米の一族は余程強い武人だったのでしょうね。……だから胤義様「さんをつけろよデコ助野郎」とばかりにさん付けなんでしょうかw
 それから頭椎は古代によくあった柄頭が丸い剣の種類で、石椎は柄頭が石の剣、もしくは石槌です。

美都美都斯 久米能古良賀 久夫都都伊 伊斯都都伊母知 伊麻宇多婆余良斯
みつみつし くめのこが くぶつつい いしつついもち いまうたばよらし
「強い久米の子が 剣を持って今こそ討ってやる」

ちなみに日本書紀では、この歌は道臣が歌ったとされています。

忍坂の土蜘蛛……もしかしたら直前に仲間になったオトカシの敵対勢力だったのかもしれません。
後ろ盾を持って、周囲の敵を一網打尽にするは……大介義明様の代からも三浦がよく使った手ですね♪(・∀・)

三浦平九郎判官胤義 @bot_miura9

先に土蜘蛛達を倒した東征軍は勢いづく! イワレビコは「オレの歌を聞けぇーー!」と歌を詠む! 「苗床からなめこを採取するように、お前らなんか一気にやっつけちゃうよ! 久米さんお願いします!」 何故歌を詠むかって?……ご存知、ないのですか?

2012-03-01 23:47:05

なめこじゃなくてニラですけどね!

美都美都斯 久米能古良賀 阿波布爾波 賀美良比登母登 
みつみつし くめのこらが あはふには かみらひともと 

曾泥賀母登 曾泥米都那藝弖 宇知弖志夜麻牟
そねがもと そねめつなぎて うちてしやまん

「みつみつし 久米の子らが 粟生には 香韮一本 
 其ねが本 其ね芽つなぎて 撃ちてし止まむ」

 久米の兵の粟畑に、臭いニラが一本生えていた。
 それを根っこがついたまま芽を引っこ抜くように討ち滅ぼしてやる

三浦平九郎判官胤義 @bot_miura9

彼こそ日向の田舎者から天皇の座に上り詰めた、超天つシンデレラのイワレちゃんです! イワレビコの歌に力は士気が上がり、無敵の戦士となるのだ! イワレビコは更に歌う! 「そこにあった山椒食べたらヒリヒリした! 許さないよ! 久米さんが!」 ……歌の内容はなんだっていいのだ。

2012-03-01 23:52:05

美都美都斯 久米能古良賀 加岐母登爾 宇惠志波士加美 久知比比久
みつみつし くめのこらが かきもとに うえしはじかみ くちひひく

和禮波和須禮士 宇知弖斯夜麻牟
われはわすれじ うちてしやまん

「みつみつし 久米の子らが 垣下に
 植えし椒(はじかみ) 口ひひく
 我は忘れじ 撃ちてし止まん」

 強い久米の兵士たちが垣根の下に植えた山椒を食べたら口がヒリヒリした事を、私は絶対に忘れないよ、討ち滅ぼしてやる。

 ……何してんすか、神日本磐余彦…… とんだトバッチリです

 ちなみに魏志倭人伝によると、
 『倭国には山椒が自生しているが、食べられる事を知らない』と書かれています。

 もしかしたら九州地方では山椒が食べられることを知らず、それを畿内に来て勧められたら辛かったので、罠だと思ってしまったのかもしれません。

 ……そういえば、西洋の聖人と天竺の聖人が同居する絵巻物でも似たようなシーンが……

高天原の最終兵器が武甕槌命ならば、
大久米命は、最恐のセコムなのでしょうか……

三浦平九郎判官胤義 @bot_miura9

更に歌は止まらない! 「這いずりまわってでも久米さんが討ち取ってやる! でもすごいお腹空いたお! 助けて!」 こうして歌いながら、長髄彦を打ちとったのだ! ……そして大和国を治めていたニギハヤヒがやって来た。彼もまた天つ神だったのだが、その証である宝を献上した。彼は物部氏の祖だな

2012-03-01 23:57:04

加牟加是能 伊勢能宇美能 意斐志爾
かむかぜの いせのうみの おいしに

波比母登富呂布 志多陀美能 伊波比母登富理 宇知弖志夜麻牟
はひもとほろふ しただみの いはひもとほり うちてしやまん

「神風の 伊勢の海の 大石に
 這ひ廻(もとほ)ろふ 細螺(しただみ)の
 い這ひ廻り 撃ちてし止まむ」

 神風が吹く伊勢の海の大岩に這い回っている小さな巻貝のように
 這いまわって討ち滅ぼしてやる。

そして最後の歌は、残念ながら胤義様の悪ふざけではありません。

多多那米弖 伊那佐能夜麻能 許能麻用母 伊由岐麻毛良比 多多加閇婆
たたなべて いなさのやまの このまよも いゆきまもらひ たたかへば

和禮波夜惠奴 志麻都登理 宇加比賀登母 伊麻須氣爾許泥
われはやえぬ しまつとり うかひがとも いますけにこね

「楯並べて 伊那佐の山の 木の間よも い行き守らひ 戦へば
 我はや飢ぬ 島つ鳥 鵜飼が伴 今助けに来ね」

 楯を並べた稲佐山の木の間を行ったり来たり守ったりして戦ったので、私はお腹が空きました。鵜飼たちよ、助けに来て!

三浦平九郎判官胤義 @bot_miura9

こうして、イワレビコは神武天皇として、日の本を治めるにいたったのだ! 最初の宮は畝傍橿原宮! 大和国の畝傍山だ! ……ちなみにここの地名は久米という。……久米さん頑張ったもんなぁ……。というわけで、今日の話はここまでだ! もう寝なさい

2012-03-02 00:02:05

タシギミミの反乱

三浦平九郎判官胤義 @bot_miura9

さて、今日も神話を子供らに語るぞ! 昨日はどこまで話したかな?

2012-03-02 23:02:07
三浦平九郎判官胤義 @bot_miura9

そうだな、イワレヒコがなめこパーティーで国つ神を懐柔しつつ、久米さんが逆らう土蜘蛛を討伐し、大和国に君臨したんだな。さて、このイワレヒコなんだが、日向国に嫁さんがいて、タシギミミとキスミミいう息子がいたんだ。そしてこの大和国でも嫁さんを貰おうとして、久米さんに聞いてみた。

2012-03-02 23:07:05
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