「第65回日本推理作家協会賞長篇および連作短篇集部門」候補5作発表の夕べ

それこそ「この件に関するもっと適切なとぅぎゃったー職人」がいらっしゃると思いつつ暫定版のつもりで作成したのですが、その後の展開を見るにつけなんだか責任が生じてきた気もしなくもなくもがな。とはいえ、編集自由ステイタスはイキで。 (3.15 コメント追加しました)
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君はゴングの鐘が鳴ったのを聞いていたか(3/9)

短編部門、評論その他部門追加(3/14)

川出正樹 @ZEZEZENZO

先日予選会議を行った「第65回日本推理作家協会賞長篇および連作短篇集部門」の候補作発表の許可が事務局からおりたのでつぶやきます(続)

2012-03-09 20:56:40
川出正樹 @ZEZEZENZO

候補作は以下の5作です。『刑事さん、さようなら』樋口有介(中央公論新社)、『ジェノサイド』高野和明(角川書店)、『地の底のヤマ』西村健(講談社)、『放課後はミステリーとともに』東川篤哉(実業之日本社)、『ユリゴコロ』沼田まほかる(双葉社)[作品名五十音順]

2012-03-09 20:57:56
川出正樹 @ZEZEZENZO

第六十五回日本推理作家協会賞、先に「長編および連作短編集部門」の候補作を呟きましたが、「短編部門」と「評論その他の部門」に関しても情報が届きましたので記します。

2012-03-14 17:29:26
川出正樹 @ZEZEZENZO

第六十五回日本推理作家協会賞「短編部門」候補作は以下の5作です。「足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』(鶴書房)」三上延、「言うな地蔵」大門剛明、「この手500万」両角長彦、「三階に止まる」石持浅海、「望郷、海の星」湊かなえ(作品名五十音順)

2012-03-14 17:33:17
川出正樹 @ZEZEZENZO

第六十五回日本推理作家協会賞、「評論その他部門」の候補作は以下の3作です。『鴎外の恋 舞姫エリスの真実』六草いちか(講談社)、『近代日本奇想小説史』横田順彌(ピラールプレス)、『謎解きミステリ講座』佳多山大地(講談社)、(作品名五十音順)

2012-03-14 17:36:29
川出正樹 @ZEZEZENZO

第六十五回日本推理作家協会賞の選考会は、2012年4月23日(月)午後3時より開催されます。

2012-03-14 17:38:51

杉江松恋コメント

杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

推協賞の候補作>RT、『ビブリア古書堂の事件手帖』は落ちちゃったのか。たしかに『ジェノサイド』は昨年の話題作だが、ミステリーというジャンルを世間に認知させたという意味では(推協賞にはそういう功労賞の要素があると規定されているのです)『ビブリア』も入れてもらいたかった。残念。(続

2012-03-10 00:18:44
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

候補作に挙がったうち、東川篤哉は『ビブリア』を推すのと同じ理由で入れるべきと考える(ただしどちらか一つということなら『ビブリア』)。かつて推協は赤川次郎に贈賞しそこねるという失策を犯した。その轍を踏まないためにも、軽い作風の作家が圏内にいるときは候補に挙げたほうがいい。

2012-03-10 00:23:52
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

ライターズ・ライターの傾向がある樋口有介『刑事さん、さようなら』は今回の予選委員の「お気に入り」なのだろう。個人的にはこの作品にとってもらいたい。『地の底のヤマ』は力作ではあるが私には良さがよくわからなかった。よってコメントは差し控える。良さのわかる人が予選委員にいたのだろう。

2012-03-10 00:29:00
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

とりあえず妥当な五作だとは思いました。番狂わせなし。しかし昨年『華竜の宮』を「SFだから」という理由で否定した佐々木譲氏は今年『ジェノサイド』をどう読むのか。今回の本命作についての関心はそこに絞られるように思う。選評に注目だ。

2012-03-10 00:31:50
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

候補作のうち沼田まほかる『ユリゴコロ』は作者のベストではないが、挙がって当然の作品だとは思う。『ジェノサイド』もそうか。いろいろな賞の候補になってはいるものの、惜しいところで受賞は逃しているので「上げ時」だとも思う。「高野和明を理事にして仕事させたい」人もたくさんいそうだ。

2012-03-10 00:26:14
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

推協は大沢在昌理事長時代に「仲間内の賞」と見られることに危惧を覚えて推協賞の改革に乗り出し、「日本で最高のミステリーを決める賞」としてイメージづけたいとがんばった。その改革は失敗だったと私は今でも思っている。(続く)

2012-03-10 00:45:18
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

会員全員に対してアンケート調査が行われ、改革案が募集された。そのときにどのような選択肢が上げられていたか覚えていないのだが(昔の会報を繰れば出てくる)、たしか重賞を認めるというものもあったはずだ。現行は一度推協賞を取ってしまうと二度は取れない。短篇で受賞すると長篇ではダメなのだ。

2012-03-10 00:47:43
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

これを改めるて「本当はこっちのほうがおもしろいけど既に受賞済みの作家だからあげられない」ということにならないようにするのが重賞を認める理由だろう。私はこれに賛同した。「同じ作家が何度も受賞することになるかもしれない」という声もあったが、それは内向きの意見だとしか思わなかった。

2012-03-10 00:49:34
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

本当に外部に向けて賞を発表するのなら「世間の人は推協賞のことなどよく知らない」という前提に立たないといけない。世間の人は誰がすでに受賞済みの作家なのかなんて知らないのである。そういうことを抜きにして作品本位で選ばない限り大沢理事長の言う改革は難しいと思った。

2012-03-10 00:52:52
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

ただ、実行面でそれは難しいだろうとも思う。選考委員だってたいへんだ。一度取った作家を除外できれば、それだけしがらみからも解放されるというものである(という考え方がすでに内向きだと思うのだが)。というわけでアンケートにはフリーアンサーで別の提案を書いた。

2012-03-10 00:54:15
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

それは「受賞作の外国語訳を正賞とする」ことである。推協受賞の副賞は50万円。決して少ない額ではないが、受賞に伴うもろもろの雑事を片付けると、作家の手元にはそんなに残らないだろう。それなら50万円を翻訳料の一部に使い、海外に売り込んではどうか、と考えたのだ。

2012-03-10 00:57:00
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

桐野夏生『OUT』東野圭吾『容疑者Xの献身』の例もあるように、言語の壁さえ越えられれば、日本ミステリーは十分世界で通用する水準にある。推協がすべきことはそれなんじゃないのか、と私は思ったのだ。

2012-03-10 00:58:42
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

で、結果からいうと、作家の重賞はなし。受賞作の外国語訳という話も却下された模様。まあ、そんなものだろう。

2012-03-10 00:59:44
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

採択された改革案は、「それまで予選委員が選んでいた長篇部門の候補作を出版社推薦にする」というものだった。つまり各社ごとに作品数の枠を決め、その枠内で自社のもっとも自信がある作品を出してもらうということだった。理事長曰く「こうすることによって出版社にも当事者意識を持ってもらう」。

2012-03-10 01:01:32
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

はあ、なにそれ? というのが正直な感想だった。そんなもの出版社は、作品の質よりも「自社で売りたいもの」「文句を言う作家のもの」を優先して薦めてくるに決まっているじゃないか。力関係の順番待ちでいつまで経っても候補にしてもらえない作家も出るだろう。

2012-03-10 01:03:07
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

それに、これがどうして「日本一のミステリーを決める」賞だと世間にアピールすることになるのか。このツイートを見ている非業界の方で、推協賞長篇部門の選考過程を知っていた人がいたら手を挙げてみてもらいたい。そして、このシステムが「日本一のミステリーを決める」ことになるかどうかも。

2012-03-10 01:04:51
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

そんなわけで推協賞はあまり体質が変わらないまま今に至っているのでした。いつか本当に抜本的な改革が行われることを協会員として切に望みます。以上。

2012-03-10 01:08:04
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