- hadukino_tc
- 1540
- 0
- 0
- 0
高熱を出して寝込んだ子どもの頃/母親の看病と/枕元に小さなラジオ/流れてきた曲は幼心にも/切なく/やさしく/なぜだか涙が出た/路傍にたまった/季節外れの雪を見ると/思い出す遠い日の風景 #twpoem
2012-03-01 07:59:55生きる理由の乏しさに/戸惑い/ときに歯噛みし/今年の桜は/わたしの身を苛む/そんな予感すら覚えるのです/笑顔で春を迎えたい/それっぽっちの願いだけれど #twpoem
2012-03-01 08:12:36覚えているとか/忘れないとか/無意味な響き連ねて/あなたがいなくなった後も/ずっと変わらず/そこにいるのに/それでも/想いは伝わると/信じていられるのは/なぜなのだろうか #twpoem
2012-03-03 21:05:45抑えきれなくてこぼした/苦しみや痛みを/何も言わず拾い集め/片付けてくれる/そんな優しさを期待してる/でもたぶん/優しさに押しつぶされて/また苦しむ/そんな風に気持ちは/絡まり廻るのでしょう #twpoem
2012-03-04 20:55:07どんより曇った夜空が蠢く/心の奥底のどろどろした感情と/眼の中で混じりあい/私を混沌へと誘う/暗い夜道は危ないよ/自分の身は自分で守らなくちゃ/でも何から守るのだろう/その答えが/私を不安にさせているものなのだ #twpoem
2012-03-04 21:19:43湿った道路はそっけなく人の影を映し/濡れた線路は冷たい光を返す/水溜りに小さく切り取られた空/限られた景色を移ろい行く雲/閉じ込められた自分の生活に重ねる/蹴飛ばしてしぶきに散らせば/私も解放されるのだろうか #twpoem
2012-03-05 08:11:24また不意に目の前が揺れて/不確かな私はいとも容易く迷い込む/その時々で変わる言葉は/人の気持ちの移り変わり/頬に当たるのをはっきりと感じる雨粒も/空のどこから落ちてくるのか/私に触れたのはどれなのか/ぱらぱらと傘を叩く音だけが/他愛もない会話の様に過ぎる #twpoem
2012-03-05 08:16:03今年の桜は紅をさしているだろうか/それとも淡く空に透けているのだろうか/清らかに舞い/艶やかに散り/やがて風に運ばれ/土に溶けゆくのだろう/わたしの記憶を連れて #twpoem
2012-03-05 22:15:02指先で一つつまむ/薄っぺらな言葉/吐息かけて飛ばす/風に上手く乗った紙飛行機のようにはいかないね/誰にも届かない/そうこぼしたら/あなたが無造作に拾い上げて/また飛ばせばいいと言ってくれた #twpoem
2012-03-05 22:41:45ずっと/何かを伝えていないと/息絶えてしまう/だからただひたすらに/つぶやきつづけているのです/あなたにきこえないように #twpoem
2012-03-05 23:09:45大事なことは/何気ない会話の中に転がっているかもしれないし/さりげないしぐさの先にぶら下がっているのかもしれない/大事なことは/自分がサインに気づくこと #twpoem
2012-03-06 08:29:09白く澄んだ陶器の縁にくちびるをあてる/かすかにひんやりとした感触/吐息で湿らないうちに/歯をたて/ゆっくりと顎に力を込める/鋭い音が一瞬/そして割れる音/破片をさらに噛み砕く/くちの中にざらりとした感触と/鉄の味/無理矢理に呑み込み/そこでわたしは目が覚める #twpoem
2012-03-17 01:03:35いやなことがあると/必ず見てしまう夢/いやな夢/寝覚めの悪い夢/起きてまた思い返し/いやな現実を目の当たりにして/いやな気持になる/たぶんまたいやな一日になるのだろうな/そしてまたいやな夢を見てしまうのだろう/これは夢かうつつか/いっそすべて夢ならいいのに #twpoem
2012-03-17 01:14:51うずくまっているここが/わたしの世界/自分の手足に囲まれて気持ちいいか/薄暗くてあたたかいか/よく眠れるか/顔を上げれば唐突に広がるのは/わたしを/あなたを含む/境なき世界/そこはやさしい場所だろうか #twpoem
2012-03-17 01:37:07大抵の単語はわずかな文字で構成されていても、単語を作る文字数よりもはるかに多い文字で説明するほどの意味をもっている。だけどこうして言葉にするとき、往々にして単語を構成する文字数分くらいしか使いこなすことができていないのが悲しい。言葉の無駄遣いか言葉の持ち腐れか。はぁ…
2012-03-17 01:57:48すきだすきだと口にするだけじゃだめだよといったら/あなたはじゃあとひとこといって/英語でフランス語で中国語でドイツ語でスペイン語で/すきだすきだとつぶやいた/だからそういうことじゃなくってね/でもちょっと面白かったから/今日はそれでいいことにする #twpoem
2012-03-17 10:11:43散った桜の花びらが踏まれ、風にもまれ、萎びて、土と見分けがつかなくなる頃には、新しい生活に慣れているころだろう。それとも変わらぬ日常に戻っている頃だろう
2012-04-17 05:30:21指先に夜明けの光をこぼす/まだ少し肌寒い春先の朝/無意識に身震いひとつ/あくびをひとつ/つぶやきひとつ/トーストをいちまいに/コーヒーを一杯/いつもの手順を踏んで/わたしは今日も/わたしの一歩を踏み出す #twpoem
2012-04-20 07:15:14今朝はどんよりまだらな灰色/今朝は燈色から青へのグラデーション/今朝はきれいな朝焼け雲/今朝はすっきりと広がる青空/今日は朝から雨模様/今朝は不思議なスカーレット/一日一度は/空の姿をつぶやいてしまう #twpoem
2012-04-20 07:20:46そらの水溜りに足を踏み入れて波紋を起こす/靴が滲み裾が濡れた不快感と世界を歪めた快感が交じり合う/次の一歩で日常へと戻る/ささやかな人生はそんな積み重ねでつくられている #twpoem
2012-04-20 07:59:28上手くいかない日なんていつものことだし/心折れることもまたしばしば/それだけに/上手くいったときの喜びはひとしおなのだろう/などと一生懸命/自分に言い聞かせている #twpoem
2012-04-20 15:01:30車窓越しに眺める夜の街はミニチュア/そこに帰ろうとしているわたしはそう、こびと/ちっぽけでも/まいにち生きています #twpoem
2012-04-20 19:53:15