重信康さんのTRPGメイキングこぼれ話

重信康さんによるTRPGのデータメイキングに関するこぼれ話
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重信康(公開用) @k_shigenobu

自分にとっての現人ゴッドのひとり、浅井真紀先生の配信だ!>RT先 この方の造形物、造形理論はTRPGデザインやデータ作成においても非常に参考になります。

2012-03-13 22:37:06
重信康(公開用) @k_shigenobu

さっきの紹介に絡めて、ただ「参考になるよ」だけでは何なので、フィギュアなどの立体造形物が具体的にどういう面でTRPGメイキングの参考になるかの話をちょっとします。

2012-03-13 23:24:09
重信康(公開用) @k_shigenobu

書籍形態のTRPGは当然、紙面という制約に縛られます。B5版の1ページに収まるボックス形式のデータは平均9個(6~12個、そこから見出しの分も減ります)。勿論データ以外のパートも存在し、残りを各クラスなどで分けるのですから、ひとつの要素に割ける分量は驚くほど少なかったりします。

2012-03-13 23:26:16
重信康(公開用) @k_shigenobu

よって常に「何を優先し、何を削るか」の戦いがあらゆる所で発生します。その選択を間違えた結果「クラスのイメージから期待したことができない」「俺のPCが強くなる要素が足りない」といったガッカリ顔をお客さまにさせることは、可能な限り避けたいところですから。

2012-03-13 23:27:40
重信康(公開用) @k_shigenobu

そこで大きな助けになるのは「この要素とこの要素はひとつのデータにまとめられる」というノウハウです。たとえば『天下繚乱』の仕事人では「気配を消して襲う」「物陰に潜む」「無害な一般人を装い油断させる」などのイメージを「隠密状態になって奇襲が有利になる」という特技にまとめています。

2012-03-13 23:29:00
重信康(公開用) @k_shigenobu

もちろん、これは諸刃の剣でもあります。無理にまとめた結果、焦点が散漫なだけのデータになってしまい、正確なイメージを読み取ってもらえなくなってしまう危険は常に存在しますし、あえてひとつのイメージに絞った(あるいは複数に分割した)方が効果的な状況も当然ありえます。

2012-03-13 23:30:13
重信康(公開用) @k_shigenobu

そして似たような制約は、立体造形物の世界でも発生し得ます。材料原価や箱の収納スペースの問題などもありますしね。たとえば交換用の手首を何種類付属させられるか、オプションに何を付ければお客さんが喜ぶか、などといった試行錯誤は幾多の商品から見てとれます。

2012-03-13 23:33:05
重信康(公開用) @k_shigenobu

優れた仕事ともなれば「顔の角度を変えれば別の表情に見える」「同じ形の手でも向きを変えて接続すればまったく別々のポーズを表現できる」「武器であると共に接続ジョイントとして機能する」「頭が炎上した名シーンを再現するためだけの別パーツが付属する」などのテクニックを見ることができます。

2012-03-13 23:35:06
重信康(公開用) @k_shigenobu

見事な職人技からは必ず何かしらのノウハウが学べますが、他ジャンルに学ぶ意義が大きい理由はそれだけではありません。同じジャンル内だけを見ていれば(もちろんそれも重要です)、必ず引き出しが足りなくなる瞬間がやって来るのです。これは自分が常に実感し自戒するところでもあります。

2012-03-13 23:36:48