ミリ薔薇2012でJ20や空母より、観察・通信阻害や遠戦火力の方が大きい懸念材料とされたのは、流行のネットワーク化の阻害材料になるからかしら。下手を打てば情報的優位を喪失しかねないとも言えますし(というか、そう言われてるし
2012-03-09 06:23:44恐らく、情報化が進んだ軍隊は情報の伝達効率の向上、戦術や作戦、或は戦略も含む各層での判断材料の増大によって指揮命令の精度が向上し、結果として戦力の機動と配置、火力の精度(≒威力、射程)が情報化されてない同程度の戦力と比較して増大する
2012-03-11 04:04:51といっても、戦力が1以上になる訳ではなく、元々0.5位の効率だったものが0.8位に上がる程度のニュアンスで捉えるべきでしょうけど>同程度の戦力と比較して増大する
2012-03-11 04:06:39また多分、理想的にはあらゆる規模で敵中枢(策源地や前線司令部)、或は敵戦力の弱点(例えば部隊間の接続部分)といったものを概ね直接的に叩く事により、敵の指揮統制を打撃・喪失せしめその戦力発揮を阻害・麻痺させる事が可能となる
2012-03-11 04:09:14簡単に言えば、限りある戦力を適切に配置し、敵の弱点を攻撃しませう、その為に情報を沢山集めて皆に周知徹底しませう、と昔から言われている話なわけです(表現は様々でしょうけど。例えば「常に戦機を看破し敵の不意に出で其弱点に乗ずるを要す」とは作戦要務令第二部戦闘指揮ノ要則による表現)
2012-03-11 04:12:58ついで。多分、情報化の主題となるのは通信手順・方式の共通化、情報の各層にとって意味のある時間内での加工と配信、接した情報に対する解釈の統一と各層の連携といった事が可能な環境作り辺りで、機材的なネットワーク構築は道具に過ぎないと思われ
2012-03-11 04:15:20ところで戦場に於いて、敵対する情報化された軍隊に対し我が方が情報優位と迅速な指揮を得るのに効果的な方法は、恐らく敵の情報集積・処理の中枢を破壊する事です(取得したデータをインテリジェンスにする体制構築には多大な労力が必要ですから、一旦破壊されると再建も困難です)
2012-03-11 04:23:25尤も、常識的に考えて其重要性は彼我共に認識しているでしょうから、情報中枢は攻撃の届かない後方乃至重厚な防御(或は其両方)が施されている可能性が高く、攻撃手段と其効果は限定され、其れを行える軍隊も限定されることになるかと(逆に言えば、可能な軍隊は其れを躊躇無く行うでしょう)
2012-03-11 04:26:10また、近年の通信網の発達により、データやそれの分析チームを一箇所に集中乃至前方に配置する必要性が減少する可能性が生じつつある為、情報中枢自体が特定し難くなっているかもしれません(情報化を生かす為に末端自体に高度な判断能力を持たせようとする傾向も其れを助長するかもしれず)
2012-03-11 04:28:56であるなら、NCWで言うところの、戦闘力を構成するセンサー、ウェポン、意思決定者を一体化し、情報を共有する為に必須となる通信網を攻撃の対象にする事が敵軍隊の効率を低下せしめる次善の策となると思われます
2012-03-11 04:31:39通信網は其重要性に反して広範で且多種多様な為、個々に防護が施し難く攻撃に対して比較的脆弱であり、物理的な通信網はある程度の後方への攻撃能力、無線等を使用した通信網なら妨害電波等の手段によって其機能を破壊・阻害する事が可能です(少なくとも局所を通信網から切離す事は容易でしょう)
2012-03-11 04:35:00しかし、広範且多種多様であるという事は、逆に其全てを攻撃対象にする事は難しく、亦幾つかの網が寸断しても代替手段が残り易い≒通信網の機能を完全に奪う事は困難という事でもあります(広域の破壊はやろうと思えば可能でしょうが、労力に見合った効果が出るかは疑問です)
2012-03-11 04:39:04残る手段は観察手段(センサー等)の破壊です。観察手段は観察を行うという目的の為に敵戦力と一定の接触を余儀なくされます。亦通信網同様、広範に展開しがちですので個々に防御を施し難く、結果として情報化を構成する道具の中で最も敵火力を指向され易く且損害を蒙り易い部分といえるでしょう
2012-03-11 04:42:12観察手段を破壊されるということは情報化の必須条件である情報が取得できないということですので、それの破壊は情報化自体が成立しなくなる危険性を孕んでいます(情報化の肝である適切な戦力の配置に必要な目標の発見・評価が出来なくなる訳ですから)
2012-03-11 04:46:39ですが、例えば近年の安価な無人機の投入は数的に、観察機材の高性能化(=軽便な方法での排除が困難になる)は質的に手段の抗堪性を向上させる事に繋がり、実は一見手っ取り早い様に見えて、結果的に其の破壊にかかる労力は他手段と余り変らないのかもしれません
2012-03-11 04:52:08以上、つらつらと書き出してみましたが、実際には軍隊の能力(と環境)に応じてこれら手段は取捨選択乃至組合せながら行使されるのではないかと思われ(もっといえば、此れ等手段に加え偽装や欺瞞といった意図の隠蔽も組合され、より効果的に情報化の破壊・阻害が行われるでしょうけど)
2012-03-11 04:58:42以下只の余談。多分、何れの手段も効果的に行う肝は先制にあるんじゃないかと。そしてそれは当然、開戦劈頭に行われるべき事かな、と。であるなら、先制的な行動が正当化される、或は敵の行動が我の後手に甘んじる環境を平時から構築する事が重要なのかも、と思ってみたり(例えば中国の三戦)
2012-03-11 05:07:24ついでの戯言。個人的には近い将来に於ける軍隊同士(情報的に対称、非対称は問わず)の戦いは「平時有事・階層の境目の無い、情報能力を磨り潰す為の消耗戦」ってな感じになりそうな気がしなくもなく(というか、其れが以前から普通に行われている可能性は見なかった方向で)
2012-03-11 05:13:08今次大綱的に調達し易く磨り潰しても然程痛くない程度の機材が適当と思ってたけど、動的防衛の予算案を見て性能重視という従来の方針を支持する方向に転じたアカウントが此方になります
2012-03-13 20:10:40曝露。アレ、元々は情報優位の獲得はセンサー(とネットワーク)に対する消耗戦になるんじゃね?という考察というか憶測が原型だったり。結論は出そうにない(多分、出せたら趣味人卒業だ)
2012-03-14 02:32:30@Nyar_Horten 次の戦争は、センサーとネットワークの潰し合いになり、形態としては静的なものになるんじゃないか、みたいな憶測はあります
2012-03-14 02:36:58@seibihei 情報的、戦力的に概ね対称の場合は多分そうなると考えています。同時に非対称な場合にも同様の事が起こりうるのではないか、と思いまして
2012-03-14 02:41:28