復興が進まないのは各地の受け入れがないからだ。これは正解?

私メモ。
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@RRof3R

さて震災から1年を過ぎ、いよいよ県外処理推進に向けた様々な活動が活発化してきました。わずかな県外処理量にも係わらず「絆」を言い訳に「復興が進まないのは各地の受け入れがないからだ」という論調で様々なメディアミックスが行われています。まず結論から言うとこれは正解です。但し理由が違う。

2012-03-14 02:09:21
@RRof3R

宮城県のブロック処理における公募型プロポーザルにおいては、処理方法や最終処分場所まで含めた形でゼネコンに提案させました。予め予定入札価格が定められた公募型プロポでは、予算内でいかに早く、安全に、或いは環境配慮といった提案が高い点数を取り受注に結び付きます。

2012-03-14 02:12:44
@RRof3R

震災直後の資産では、例えば石巻ブロック(600万t超)で6000億円以上の処理費用が必要だと、市や県で試算しました。しかし国庫負担として認められた予定価格はわずか2000億円。このギャップを埋めるために石巻ブロックの提案内容は、コスパを考慮した様々な工夫(?)が為されました。

2012-03-14 02:15:29
@RRof3R

その代表的なものが「県外処理」です。雲雀野の処理場には焼却炉(1基数十億円)を5基しか建てず、その処理能力を1日1500tとした上で、能力不足分を県外処理に求めました。加えて工期短縮を目的に、その処理も県外の業者で行う提案内容とし、それが高い評価を得て、受託へと結び付きました。

2012-03-14 02:21:53
@RRof3R

受託した特定JVの提案内容(石巻ブロックの県外搬出量)は、89.8万t+254.2万t=343万t(45%)です。ブロック内処理の合計は昨年9月の時点で339万tと想定されており、県外で処理出来ない場合は約2年間の工期ではとても追い付かない計画なのです。

2012-03-14 02:26:20
@RRof3R

加えて、その構想は2段階に別れています。建設予定場所には既に被災瓦礫が山積みされていたため、第一段階としてその瓦礫のうち89.8万tを県外に搬出し、焼却炉を立ててから残りの瓦礫のうち286.5万tを県内で処理。追い付かない306.7万tを引き続き県外処理する予定でした。

2012-03-14 02:31:40
@RRof3R

残念ながら本日現在、今年2月末に完成する予定の石巻ブロックの焼却炉は未だ完成しておらず、現時点の計画では5月の火入れ、7月の本格操業となる見込みです。被災瓦礫の処理が未だ5%程度しか進んでいないというニュースの裏には、想定を遥かに下回る予定入札価格に起因する複雑な事情があります。

2012-03-14 02:35:14
@RRof3R

したがって、安直に考えれば確かに、県外処理が進まないから被災瓦礫処理が進まないのは事実です。でも、ここで3つの問題にお気づき頂けると思います。1.現地試算結果を大きく下回る国庫負担。 2.震災発生後3年間という期間。 3.そもそも瓦礫処理=復興じゃない。

2012-03-14 02:44:14
@RRof3R

宮城県の公募型プロポは、市町村が県に委託し、県がゼネコンに提案させ、内容を取り決めたもの。またその予算は国が承認したものです。県外処理が行えない場合、無論工期を守れず、まず予算をケチった環境省(国)の問題が、内容をOKした県の責任問題となり、かつゼネコンのプライドが傷つきます。

2012-03-14 02:48:46
@RRof3R

更に、例えば石巻では開始時は5基しか焼却炉を建てませんが、工期を満たせない場合はもう1基追加するとして加点対象となっており、受託したゼネコンに実害(損益悪化)が出ます。しかも県外搬出先の関東近隣業者は既に受け入れに向けた設備投資を行っている可能性も高く、金利損等も考えられます。

2012-03-14 02:52:23
@RRof3R

最初の発注は石巻ブロック。しかも2000億円弱の血税投入。その石巻が最初に火入れができず、遅れて発注した仙南ブロックが3月に一斉に火入れ開始。被災1年以内の2月に始まる予定だった石関係者は堪らない思いでしょう。そういえば県外処理受け入れを国が強烈にプッシュし始めたのも2月でした。

2012-03-14 02:56:32
@RRof3R

詳細や真実は解りかねますが、国や県が責任を他県の国民に擦り付けているようで不愉快な部分が多い。県外処理に関しては、放射能について一言も書いてないのですが、事実としてこういった背景があります。尚、岩手県に関しても基本的には同様で、焼却炉を2基しか増設させてもらえなかったが故です。

2012-03-14 03:01:18
@RRof3R

さて、これまで述べてきた被災瓦礫の県内ブロック処理と県外広域処理については、被災後3年間という期限がボトルネックなことは明確です。阪神淡路の時でさえ補助金支給レベルで7年を費やした被災瓦礫の処理を、より組成が複雑で容積の大きいのに、3年間(実際には2年)で行う必要があります。

2012-03-16 03:14:12
@RRof3R

この3年という期間については、陰謀論や噂レベルまで含めると無数に挙げられます。選挙やオリンピックまで絡めると非常に面白い考察も可能です。しかし現実的には以下の3点が最も強い影響を与えていると考えられます。 1.有言実行内閣。 2.国庫負担の仕組。 3.被災瓦礫の量。

2012-03-16 03:18:17
@RRof3R

阪神淡路の収束宣言が出された期間を元に、昨年の夏には目標である「3年以内の処理」が国や県から宣言され、それに基づき様々なプラニングが行われました。過去の記事をもう一度確認してください。明確に3年間と明言した人数は4人です。その方々の名誉とプライドは、立場が立場だけに強いのです。

2012-03-16 03:21:24
@RRof3R

現行政府や現在の知事な限り、この期間を延長させることは困難だと思われます。阪神淡路は連立政権でしたが、まぁ前与党の影響力は依然として強かったし、その他の災害発生時においても賛否はあるもののここまでゴテゴテの素人対応は見られず、それと比較されても耐えうる期間は守らねばならないはず。

2012-03-16 03:25:41
@RRof3R

加えて、災害対策基本法に基づく国庫負担で処理される県内ブロックの各焼却炉は「災害対策のための仮設焼却炉」である必要があります。終了次第、速やかに撤去する必要がある炉であり、速やかに撤去されなければならない炉でもあります。実際に受託特定JVの工程表は全て撤去まで含めて3年以内です。

2012-03-16 03:29:33
@RRof3R

蛇足ながら、私を含む何名(何社)もの関係者は、環境省や県の災害対策担当部署に対して、電力需給バランス向上を目的とした発電プランや、はい熱利用による地元産業との共生を提案してきましたが、短期間の、被災瓦礫処理に限定した仮設焼却炉建設しか認められないと明言されています。

2012-03-16 03:32:58
@RRof3R

例外として、仙南のフジタJVと南三陸の清水JVは、仮設焼却炉のバックアッププランとして木質バイオマス発電設備の建設が認められていますが、これらは被災瓦礫処理が終了次第、実施市町村に寄贈されることになっています。話がそれますが公募プロポなのに何故?とは思いますが。

2012-03-16 03:37:29
@RRof3R

仮設焼却炉単体の建設費用が公表されているのは岩手県某所のみですが、その費用は日量200t未満炉で約33億円。一般的には、この費用に約10%を上乗せすれば、約4MWの発電能力を追加することが可能と言われています。送電効率の問題もありますが、約1万世帯の電力が賄えるはずです。

2012-03-16 03:41:01
@RRof3R

しかし法律に基づき処理期間終了後は速やかに撤去しなければならないのです。期間終了後も一般廃棄物が処理可能な焼却炉が、しかも発電機能までついた状態でそこにあると困る人や問題となる施策がある為に。詳細はここでは書けませんが、木質バイオマスならOKだけど一般廃は問題なことに注目ですね。

2012-03-16 03:45:26
@RRof3R

被災瓦礫処理で先行している仙台市では、現在3基の仮設焼却炉が稼働していますが、もともと一般廃棄物向け焼却炉も数基保有しており、そのうちの1基は、一般的な焼却炉の寿命に差し迫っていて、本来であれば代替えが必要な設備と考えられます。

2012-03-16 03:49:14
@RRof3R

しかしごみの有料化等の施策により一般ごみの排出量は年々低下基調にあり、震災がなければそこを潰しても余裕のある焼却能力を持つため、容易に代替えやリサイクルセンター化(設備増強)を行うことは出来ません。焼却炉は年間330日程度は燃やし続けなければならず燃料需給管理も大切なのです。

2012-03-16 03:53:03
@RRof3R

したがって、一地方に複数の焼却炉がいつまでも存在していると維持管理の費用もバカにならず、税収減少傾向の現在においては、既に二桁も仮設焼却炉を建設してしまっている宮城県や、通常時なら能力に余裕がありすぎる岩手県の場合、これ以上の焼却炉建設は自治体にとってもマイナスにしかなりません。

2012-03-16 03:56:36
@RRof3R

一方、近年の環境配慮型社会の流れから、焼却炉を新設・代替えしたくても、住民反対運動や環境影響調査から、実施に踏み込めない市町村も多くあります。この利害関係をJOINさせたのが県外広域処理です。現時点では県外処理を受け入れた市町村に対する補助金は処理費用しか明確になっていません。

2012-03-16 04:00:00