ES細胞、iPS細胞のシンポジウム内容まとめ(2012/3/4)

2012年3月4日、東京国際フォーラムで実施された文部科学省主催、再生医療の実現化プログラム第1回公開シンポジウム「ここから始まる難病治療の明日」の内容を抄録と講演内容からのメモをもとに書き起こした個人的な備忘録です。
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なつき @natsukissweet
さて。忘れないうちに3月4日に参加した文部科学省主催「再生医療の実現化ハイウェイプログラム公開シンポジウム、ここから始まる難病治療の明日」の内容をいくつかpostします。間違い等がありましたらご指摘ください。
なつき @natsukissweet
(1)山口大学坂井田均先生「培養ヒト細胞を用いた低侵襲肝臓再生療法の開発」肝硬変は、現在移植しか問題解決方法がないが、ドナー不足などの問題があるため幹細胞を利用しての治療法を研究している。2003年より肝臓再生療法として、患者自身から自己骨髄細胞液を採取、洗浄、
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(2)骨髄単核球分画を分離濃縮し、同じ患者に抹消静脈から点滴静注するABMi療法を世界に先駆け開発し、国内で19症例実施している。しかし骨髄細胞液の採取が侵襲的であるため適応患者が限られているので次世代型の開発を進め外来治療、及び反復投与を目指す。2013年に臨床安全性確認目標。
なつき @natsukissweet
(3)この研究では高培養・剥離型NCコートを使用して細胞剥離を行なっている。これは温度管理をすることで、トリプシンなしで剥離が可能なもの。
なつき @natsukissweet
(4)京都府立医科大学羽室淳爾・木下茂先生「培養ヒト角膜内皮細胞移植による角膜内皮細胞再生医療の実現化」霊長類の角膜内皮細胞の増殖と基質接着性を促進するRhoキナーゼ(ROCK)阻害剤を利用し、ヒト角膜内皮細胞の未分化性を維持したまま大量培養することに成功。
なつき @natsukissweet
(5)また基質を用いずにこの細胞を眼内に注入する新角膜移植術を考案。2014年までにヒト幹指針承認を目指す。2013年度内には角膜内皮機能不全を対象とした臨床研究を開始する予定。
なつき @natsukissweet
(6)現在角膜は移植での治療しか方法がないがドナーが少なく外国からの輸入に頼っているのが現状。角膜内皮細胞は500細胞/mm2以下で角膜混濁を起こし失明に至る。ROCKを使用した手術は①内皮細胞の掻爬②培養細胞をROCKと共に前房内へ注入③3時間のうつむき姿勢という簡単な手法。
なつき @natsukissweet
(7)東京医科歯科大学関矢一郎先生「滑膜肝細胞による半月板再生」膝関節の半月板の損傷時、縫合術を行うが適応患者は全体の10%に満たない。適応外患者は切除となるが広範囲切除や加齢が原因で変形性膝関節症が必発する。
なつき @natsukissweet
(8)そのため①半月板縫合術後の自己滑膜間葉系幹細胞関節内注射による治療成績の向上(2012年度中)②半月板欠損時、自己間葉系幹細胞注入による半月板再生(2年後より)というふたつの臨床研究を実施する予定。ただし半月板減少や人工関節置換術を勧められている人は適応外。
なつき @natsukissweet
(9)慶應義塾大学福田恵一先生「iPS細胞を用いた再生心筋細胞移植による重症心不全治療法の確立」心臓移植手術は全世界で年間4000例程度。ドナー不足に拠る。移植10年後の生存率は50%。予後改善のための細胞治療が望まれている。
なつき @natsukissweet
(10)多能性幹細胞から心筋細胞への分化誘導のためにNoggin,Wntが有効であること、G-CSF,G-CSF受容体が心筋の細胞分裂を増幅するオートクリン増殖因子であることを解明。iPS細胞から心筋細胞を大量に増やすことに成功。また残存未分化幹細胞による腫瘍化を回避するため、
なつき @natsukissweet
(11)心筋細胞のミトコンドリア蛍光色素や代謝特性等を利用することにより純化生成する方法を開発。活性化T細胞とセンダイウイルスを用いることで少量の末梢血からゲノムを損傷せず1ヶ月未満でiPS細胞を樹立する技術も確立した。5~6年後に臨床再生心筋細胞移植を目指す。
なつき @natsukissweet
(12)ちなみにこの発表では心筋細胞を純化生成するための技術として培養液中のブドウ糖を除いて乳酸を投与することで未分化多能性幹細胞のみを死滅させ、心筋細胞のみを残存するという手法をとっている。この方法だと96時間以上でも心筋細胞のみが残存することが確認されている。
なつき @natsukissweet
(13)大阪大学宮川繁・澤芳樹先生「iPS細胞由来心筋シートを用いた新しい心不全治療の現状と展望」心臓移植は日本ではこれまでに121例、年間約9例しか行われておらず、2~3年の待機がある。そこで自己筋芽細胞シートを用いた組織移植法を開発した。
なつき @natsukissweet
(14)その研究を踏まえ左室補助人工心臓を装着した拡張型心筋症に対する臨床試験を4例行ないうち2例で人工心臓の離脱に成功。また人工心臓を装着していない虚血性心筋症8例に自己筋芽細胞心筋シートの移植を行い一部に回復を認めた。今後は生着率の向上と純化などの品質向上、免疫抑制を目指す。
なつき @natsukissweet
(15)大阪大学西田幸二先生「iPS細胞を用いた角膜再生治療法の開発①」角膜上皮再生に関しSDIAの変法を用いてヒトiPS細胞由来の上皮前駆細胞を誘導、角膜内皮細胞についてはフィーダー細胞を用いないSFEB法を用いた神経堤細胞誘導に成功。内皮細胞マーカー発現の細胞塊作成。
なつき @natsukissweet
(16)慶應義塾大学「iPS細胞を用いた角膜再生治療法の開発②」①で説明した角膜内皮細胞シートを家兎の角膜内皮損傷モデルに移植したところ可視的に透明性の回復と機能性を確認。現在ではカニクイサルを用いた前臨床試験に向けた研究に着手。
なつき @natsukissweet
(17)京都大学高橋淳先生「パーキンソン病に対する幹細胞移植治療の実現化」日本では患者数14万人。1980年より胎児中脳黒質細胞移植が実施されているが倫理的問題、ドナー問題、一部のジスキネジア発症などが問題となっている。これらの解決策として多能性幹細胞の利用が求められている。
なつき @natsukissweet
(18)ヒトiPS細胞を浮遊細胞で培養し、カニクイザルの中脳線条体へ移植。3ヶ月~緩やかに症状改善が見られ、一年後には脳への生着が見られた。またPETでフルオロドーパを確認。機能性も向上していた。今後は孤発性パーキンソン病を対象に純化と安全性を確立しながら臨床へ誘導していく予定。
なつき @natsukissweet
(19)ちなみに先日この演題の論文を読んだ。浮遊細胞の培養期間を42日間に延長することによりES細胞の純化が進み腫瘍形成が見られず、行動スコアの改善が見られたという内容。2012年度中に細胞の生成、2015年には臨床を目指す予定とのこと。
なつき @natsukissweet
(20)独立行政法人国立成育医療研究センター梅澤明弘先生「重症高アンモニア血症を生じる先天性代謝異常症に対するヒト胚性幹(ES)細胞製剤に関する臨床研究」現在、新生児の重症肝疾患患者に対しては内科的治療法を行い、それでも治癒しないような症例に対しては肝移植が行なわれている。
なつき @natsukissweet
(21)しかしドナー不足などの要因から移植までの待機時間が長く、亡くなってしまうケースも多い。そこで移植待機の重症高アンモニア血症の新生児に対しES細胞から作成した肝細胞を移植することで、移植手術施行までの期間のアンモニアによる脳障害を減らすための研究が行われている。
なつき @natsukissweet
(22)理化学研究所高橋政代先生「iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)細胞移植による加齢黄斑変性治療の開発」内皮細胞が正常で視細胞もしくは色素上皮細胞が機能していない患者さんを適応とした研究を行なっている。
なつき @natsukissweet
(23)加齢黄斑変性には①血管新生が見られないドライタイプ(米国に発症例が多い)②血管新生、浮腫、出血ありのウェットタイプ(日本人に多い)があるが、後者をターゲットとしている。治療法としては現在血管新生を抑える抗VGEF抗体薬が世界で2000億の売上を伸ばしているほど需要がある。
なつき @natsukissweet
(24)本研究ではiPS細胞由来のRPEシートを顕微鏡下で注入する治療を目指す。RPE細胞は貪食能や栄養因子の分泌、血液網膜バリア機能などをもつ。ウェットタイプは基底細胞も機能していないケースが多いため、基底膜にRPE細胞播種してシートを作成する。
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