茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第538回「江ノ島のエスカーから、ダイヤモンドおじさんへの黄金のリレー」

脳科学者・茂木健一郎さんの3月19日の連続ツイート。 本日は、昨日に続き、かつてあった魅力的な光景について!
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茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、おはよう!

2012-03-19 07:05:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

「連続ツイート」第538回をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています!  本日は、昨日に続いて、かつてあったある魅力的な光景について!

2012-03-19 07:34:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

えだ(1)江ノ島には、子どもの頃から行っているが、「あれ」には最初びっくりしたねえ。「エスカー乗り場」って書いてあるから、おっ、これはいいね、とチケットを買う。すると、エスカレーターがあるから、これで乗り場に上がっていくのかな、と乗るとすいすい上がっていく。

2012-03-19 07:36:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

えだ(2)最初のエスカレーターがあると、またエスカレーターがある。ううむ。「エスカー」乗り場までは、ずいぶんあるんだなと思ってエスカレーターにまた乗る。すると、またエスカレーターがある。このあたりで、まてよ少しおかしいぞと考え始める。

2012-03-19 07:36:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

えだ(3)ひょっとして、「エスカー乗り場」の「エスカー」って、「エスカレーター」のことだったのか、という気づきと、「まさかそんなことが」という疑いがせめぎ合い始めるが、4つめのエスカレーターが現れる頃には、「やっぱりそうだったのだ!」と疑いが確信に変わっていく。

2012-03-19 07:38:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

えだ(4)結論としては、「エスカー」はまさかの有料エスカレーターであるわけだが、確かに階段を上っていくよりもすいすいとラクで楽しい。4連目には、チョコレートとかのお菓子の絵が描いてあって、魔法の国にいくような雰囲気もある。大いに大満足、江ノ島エスカー。文化遺産認定です!

2012-03-19 07:39:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

えだ(5)エスカーを乗り継いで江ノ島の上に出ると、なぜか目がぱちぱちするような気持ちになる。ここに、かつて、とても魅惑的なトラップが待ち構えていた。アタマをポマードでてかてかにしたおじさんがいて、「さあ、こっち、さあ、こっち」と手招きするのである。

2012-03-19 07:40:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

えだ(6)別に「こっち」に行く義理はないのだけど、つい行ってみると、ひしゃくを渡して、壺の中の砂をすくってみろという。その通りにすると、トレーの中に砂を開けて、おじさんがさささと調べている。「おお、ありましたっ!」と大げさに驚くおじさん。カランカランカランと鐘を鳴らす。

2012-03-19 07:41:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

えだ(7)おじさんが見つけたのは、小さなダイヤモンドのかけら。「おめでとうございます。これは差し上げます」というからなんと太っ腹。しかし、「当選した人は、さらに、お得なねだんでダイヤモンドの指輪が買えるのです!」とおじさんはにこにこして言うのだった。

2012-03-19 07:42:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

えだ(8)ぼくは外れたのに、妹は「当たって」、ダイヤモンドの指輪が欲しいという。母親は冷静に「やめておきなさい」と言うが、妹は聞かない。ダイヤモンドおじさんは、今考えれば、実に見事な商売をしていた。エスカーを乗り継いで気分が高揚しているところに待ち構えているんだから、たまらない。

2012-03-19 07:44:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

えだ(9)壺の中の砂をしゃくって射幸心をあおり、からんからんと当選の鐘を鳴らして指輪を売るというのは、見事な流れだったと思う。いつの間にか、ダイヤモンドおじさんは消えてしまったが、江ノ島のエスカーに乗ると、今でも上がったところにおじさんが手招きしているような気がする。

2012-03-19 07:45:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第538回、「江ノ島のエスカーから、ダイヤモンドおじさんへの黄金のリレー」でした。

2012-03-19 07:46:23