【完結】.@taihei さんが語る「アート分野の"ソーシャル"イノベーションをめぐって」座談会雑感
遅くなりましたが一昨日のイベントに来て下さった皆さん、座談会をUstream経由で見て下さった皆さん、ありがとうございました。まだリリース前のプロジェクトでわかりにくい点も多々あるとは思いますが今後の成長を見守っていただけたら幸いです。 http://t.co/bDOZYxbV
2012-03-14 13:31:49プレゼンが長引いて座談会の時間が少なかったので自分がなんとなく思ってたソーシャルイノーべションについての見解をいくつかツイートしておきます。
2012-03-14 15:16:04まずクラウドファンディング(以下CF)が日本で根付くか否か問題。アメリカなどで急成長真っ最中のCF。数億円が数日で集まるようなビッグプロジェクトも最近出始めたので、サービスの良し悪しはともかく、サービスがちゃんと機能するレベルまで達していると言って良いと思う。日本ではまだまだ。
2012-03-14 15:25:21結論を先に言うとCFは日本で根付くと思っています。ただし日本がGoogleやAppleに出遅れた一因にもなっている著作権問題と同様、お上の判断次第で遅れる可能性もかなり。特に決済周りの法律関連。法整備→サービス改良→サービス機能の順番を考えると法整備の現時点の遅れはとても大きい。
2012-03-14 15:42:56アメリカCF一番手のkickstarterは日本でまだサービス開始していないAWS(アマゾンアカウントで決済するアマゾンが提供する決済サービス)が使われているんだけど、それ以前にアメリカはクレジットカード社会で、田舎の自動販売機なんて紙幣は使えないけどクレカは使えるみたいな世界。
2012-03-14 15:46:12おととし米モンタナ州に行ったんだけど、スタンド・バイ・ミーみたいな風景の中の汚い小屋の土産物屋とか、併設された自動販売機が皆クレカ対応だった(だけじゃなく皆クレカしか使ってなかった)時に僕はいろいろ察してしまったのです。これはネットビジネスが流行るわけだと。
2012-03-14 15:54:49ここで察したのはアメリカ人のプラグマティックな性格が、ネット文化やクレカのプラグマティズムとシンクロしてるって話なんだけど、そこを丁寧に説明しても意味が無いので端折るけど、一方で日本に帰ってきてすごいと思ったのがsuica。匿名でも使えるしケツに付けてても使える。皆持ってる。早い
2012-03-14 16:05:17だから日本の場合、ネット上で例えばsuicaを使って売買する仕組みが普及すれば今の数十倍規模でお金が動く世界になるとは思うんだけど、それが実現しないのなら、現行の決済システムが改良されてsuicaと同じくらい安心して手軽に気軽に使えるようにならない限りは色々キツイと思ってる。
2012-03-14 16:42:41そもそも(これはまた別の話かもしれないけど)例えば決済周りの勝ち組扱いされてるapple商品を見ても、85円の有用なアプリを買うのになぜか心理的に躊躇しちゃうような世界というのはやっぱり何かが機能していないと考えたほうが良いと思う。逆に言えばそれだけ伸びしろを残した世界とも言える
2012-03-14 16:58:47また話はそれるけどクリエイティブ・コモンズの提唱者のレッシグが日本で講演を行った時に、日本人の観客から、CCでby表記を消せない理由について質問がありレッシグが困惑する場面があって象徴的だった。著作権を解放してさらに、作者のby表記すらもいらないという発想は日本固有なのか、(続
2012-03-14 17:16:43続)氏は「その需要は極端に少ないから…」と、なんだこいつ!みたいな表情で答えてたけど、個人的な経験からby表記すらいらないって人は日本に多いような気がしてる。そこの認識のズレはレッシグが提唱するウェブ体系にそもそも日本人が心理的に相入れてない部分がある事を示唆してるように思う。
2012-03-14 17:37:57この点は、その後CC0という概念が生まれヨーロッパ等で広がりを見せています。http://t.co/KiRbS1ti RT @taihei: レッシグが日本で講演を行った時に日本人の観客からCCでby表記を消せない理由について質問がありレッシグが困惑する場面があって象徴的だった。
2012-03-14 18:46:20おーすごい!あの質問がきっかけなのかなw RT @taaaaaaaaaask: この点は、その後CC0という概念が生まれヨーロッパ等で広がりを見せています。http://t.co/tiXk7JoD RT @taihei: レッシグが日本で講演を行った時に日本人の観客からCCでby
2012-03-14 18:57:30僕は座談会でアートの売買に限って言えばの注釈付きで、「共感」ベースのお金の支払いを否定したけど、それは長期スパンでのアートの価値創りを考えた場合、建設的じゃないと思うからだけで、CFの日本での展開は違うと思っています。むしろ共感ドリブンが本場に比べ有効になる可能性は大きいとも。
2012-03-14 18:07:50山本さんの話を聞いてない人用にも説明するけど、現在kickstarterなどでの成功事例を分析すると、「共感」するプロジェクトより、得られる見返りがきちんと用意されているプロジェクトの方が成功していると。つまり寄付や上から目線での支援より、対価が欲しくてお金を出す者が支えてると。
2012-03-14 18:27:51極論するとアメリカにおけるCFの成功例は販売プロセスが違うだけで普通の小売業と変わらないとも言える。となれば消費者が商品のブランディングやパッケージングを重視する傾向にある日本での成功は厳しいかも。安くてクオリティの高い小店よりパッケージングの行き届いたコンビニが繁盛する国だし、
2012-03-20 19:40:02ネット商売も同様。例えば対価として与えられる一点物のジュエリーより、ブランド物(じゃなくてもちゃんと売るために専門家が作ったり、ちゃんとパッケージングされた)ジュエリーの方が売れると思う。今後CFが日本で伸び悩むとしたら前述した決済問題と、この小売問題のコンビネーションかと。
2012-03-20 19:40:54そこでレッシグの話に戻るんだけど、CCのby表記を消すという発想はなぜ生まれるのか。心理を分析して勝手に予想してみると→ 1. CCのシェアの理念に同意して、より純粋に実行したい 2.顕名性が嫌で名前を出したくない 3. 見返りという考えそのものに違和感がある。という3つが浮かぶ
2012-03-20 19:42:10仮に1の「もっと純粋にシェアしよう」という考えの延長でby表記を消そうと思うとしたら、自分のby表記を入れたら2か3の理由で純粋性がなくなると思ってるという事でもある。なので今上げた3つの心理状態が複雑に絡んでると考えると良いのかも。勿論まったく別の理由の人もいるだろうけど。
2012-03-20 19:42:472、3の顕名性への違和感の話は、前述したクレカ決済よりsuica系決済の方が云々と繋がる話だけど、ここはややこしくなるので1に話を絞ります。つまりby表記を消す発想に至る人はなんにせよCCのシェアの理念に同意して、より純粋に実行したいと考えているのではと思う。
2012-03-20 19:44:22そもそも僕は以前から、日本人は「サービスのコンセプトをより純粋に捉え、賛同した上で全力でコミットする」国民性だという仮説を立てている。ネット文化以外でも、例えば日本のコンビニの完璧なコンビニエンス(便利)感はバイトや利用者の深いコミットのおかげで実現している夢の結晶の様にも映る。
2012-03-20 19:56:36海外のコンビニと比較するとわかりやすい。バイトは態度悪い、商品の種類もレイアウトも練られてない。そのため需要が伸びず悪循環。「コンビニ」というより「最後の手段」と呼ぶ方が相応しい感じ。他方、日本ではコンビニに全てを集約して文字通り究極の利便性を実現している。
2012-03-20 20:03:43CFの場合、周知のコアコンセプトは「支援(善意)を集めて大きな力を生むサービス」だと思う。一方成功モデルが「販売プロセスが違うだけで普通の小売業と変わらない」だとしたら前述した国民性を考えると中々難しいと思うのね。「未来商品マーケット」みたいにパッケージングしたら話しは違うけど。
2012-03-20 20:10:40だからCFのコアコンセプトである善意や共感ドリブンのコミットで上手く回るようにならないとCFはキャズム越えないと思うし、その共感ドリブンを機能させるためには決済手段の改善が必須で、その為にはより柔軟な法整備が必要という流れになります。
2012-03-20 20:12:57なのになんで日本でCFが成功すると最初に言ったかというと、僕は長らく言われ続けたRFID革命とその延長でユビキタス(死語)があと3〜10年の間に起こると思っているからで、又それが起因となってオンラインの決済手段は大幅に改善されると思っているから。後手後手の法対応まで織り込み済み。
2012-03-20 20:18:49