河野透氏の「ソニーのふり見て我がふり直せ」から気になったフレーズ抽出

新刊本を読んで気になったフレーズを抜き出してみました。
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ソニーの宣伝部を引退した河野透さんのインタビュー本「ソニーのふり見てわがふり直せ」という本が出たので読んでみた。その中で引っかかったフレーズを拾ってみた。

kikidiary @kikidiary

プロジェクトリーダーの最大の使命は、みんなにドライブを掛けられるようなイシューやテーマを持てるか、それを育てられるか。そして、常に伝染力の中心にいられるか。大なり小なりリーダーの資質はそこにかかってくる。その出発点は「俺としては」です。(ソニーのふり見て我がふり直せ 河野透)

2012-03-17 19:44:29
kikidiary @kikidiary

前略)チャレンジャー時代のソニーはどんどん新しい物を作って出した。それが天然の振る舞いの中でやれる会社だった。ところが、チャレンジャーを卒業して、自分らはディフェンダーカンパニーだと思うようになると、新しい物を意識して、新しい物が出来ました、と言いながら出すようになる。(河野透)

2012-03-17 19:48:23

クオリアについては相当懐疑的だったみたいで、出井さんに対して直接苦言を呈したといういきさつがあり、なかなか面白かった。

kikidiary @kikidiary

クオリアとは」なんて学説の説明から切り出すなんて、全然ソニーの流儀ではないもの。そういうことは。かつてなかった。先に最新の学問を教授してやるから、頭が良くなったら中に入れ。そう言ってるようなものじゃない。なんだ、こりゃと思った。。(ソニーのふり見て我がふり直せ 河野透)

2012-03-17 19:52:51
kikidiary @kikidiary

かつてのエレクトロニクス製品では、最高級品とか最高級機種というのが存在できた。現在はどうですか。ブラウザもアプリもどんどんリモートで書き換えられるし、そうなると、そもそも完成品って何だということになる。そういう努力の注ぎ込みが通用しなくなる。(河野透)

2012-03-20 17:39:00
kikidiary @kikidiary

それよりも、いまのひらめきやアイデアに左右される部分が肥大していって、あとは遠目の効いたビジョンを味付けに添える。そんなやり方が最近の開発でしょう。だから、最高級AVマシンのクオリアとか言われても、なんだかなあ、ということになってしまう。(中略)いまや更新の時代です。(河野透)

2012-03-20 17:40:45
kikidiary @kikidiary

製造物責任は製造者にあるわけで、お客さんのせいにするのは変でしょ。「これだ!」と思うものでズバっと行かないと。と思うこの感覚も、ソニーらしさのひとつの表れじゃないかな。(ソニーのふり見て我がふり直せ 河野透)

2012-03-17 20:06:57
kikidiary @kikidiary

わかりやすい話、ルイ・ヴィトンやエルメスは消費者アンケートやグループインタビューの結果を見てデザインを決めているのかそんなのバカこけですよ良いと思うから出した。出したら貫く。微動だにしない。。(ソニーのふり見て我がふり直せ 河野透)

2012-03-17 20:08:32
kikidiary @kikidiary

明治大学の研究だったと思いますが、 (中略)それによると日本の経営理念は、貢献を筆頭に、社会、顧客、創造、技術、努力、誠実、と続くそうです。だから、そのまま読み上げると、「我が社は社会と顧客に貢献します。創造的な技術と誠実な努力で」となる。(ソニーのふり見て我がふり直せ 河野透)

2012-03-17 20:18:04
kikidiary @kikidiary

魂のないブランドってブランドじゃないでしょう。企業も確固たる何かぎあるんだろうけど、それに疑念を持ったり弱気になったりすることが間々あるでしょう。(ソニーのふり見て我がふり直せ 河野透)

2012-03-17 20:33:50
kikidiary @kikidiary

そうすると、たとえば宣伝の場合は、宣伝の意図や目的を解説するようになる。感じさせることよりも、説明しやすいほうに重点を置く。口数の勝負に変質してしまう。宣伝やブランドを解説されてもさ、それがおもしろいのか。そんなことをやる価値があるのか。(ソニーのふり見て我がふり直せ 河野透)

2012-03-17 20:35:18
kikidiary @kikidiary

むしろ、ブランドが精強になればなるほど、世の中の八割には嫌われるはずだ。その方が自然だろう。そう思っていました。僕らがやってきたのはブランディング。マーケティングなら落第でしょうね。(ソニーのふり見て我がふり直せ 河野透)

2012-03-17 20:46:19
kikidiary @kikidiary

ものの喩えですが、非常にソニー愛顧の強い人からソニーブランドが溢れ出して周囲の人に伝染していく。それでソニー教に入信してくれるならいい。だけど、ソニー愛顧者とアンチ・ソニーの人を足して二で割ってみると、こんなスコアになりました。そんな均した見方に意味があるのか?( 河野透)

2012-03-17 20:48:54

従来のセグメント論に対しても相当懐疑的だったようです。

kikidiary @kikidiary

いったんセグメントで顧客を理解し始めると、モデル通りに顧客行動が違ってもらわないと変だとなる。生身の人間がそんなわけないのに、そういう整理をしたものだから、セル毎に施策を変えるようになる。。(ソニーのふり見て我がふり直せ 河野透)

2012-03-17 20:57:24
kikidiary @kikidiary

だけど、変えたとしても結果はそうならない。なぜなら、最初のセグメントがもう変わっている。現実重視の立場で見ればね、そうなるよね。(中略)で、いつまでもセグメントとかモデルという仮説に拘束されて時機を失う。どっちが損失だよって話です。(ソニーのふり見て我がふり直せ 河野透)

2012-03-17 20:59:27

本書を読んでて気付いたのだけど、確かにソニーにはいわゆる「企業広告」はない。製品広告が主体を占めている。その製品広告と製品の積み重ねでブランドが築き上げられているというのはなかなか興味深い。

kikidiary @kikidiary

一時期、ソニーのブランドをさらに強化しようという機運があって、(中略)ソニーを徹底的に解剖して、整理・分析を進めてみた。だけど、それを再編成・再統合して、ソニーとは、ソニーらしさとは、そういうのを言えば言うほど、書けば書くほど、つまらないものしか出てこない。(河野透)

2012-03-17 21:02:09
kikidiary @kikidiary

勘で仕事をやるなんて、とんでもなく前近代的という風潮が日本にはあったけれど、人が物を買う時の心理はどうですか?"ああ、いいなぁ、素敵だなぁ、欲しいなぁ"何気なく覚えた渇望から始まる。それは変わらないでしょう。そのことと向き合うための感度を磨く、センスを育てる。(河野透)

2012-03-17 21:09:10
kikidiary @kikidiary

ソニー製品は他社の製品より高く売れている。それがブランドのメリットでかり、ブランドのパフォーマンスを測る唯一の目安でした。それ以外には求めようがない。(ソニーのふり見て、 我がふり直せ。河野透)

2012-03-17 21:20:48
kikidiary @kikidiary

カテゴリーの中でのメーカー間の違いなんて、大衆の眼から見ればみんな同じですよ。大同小異。だから、松下さんはこうだから、うちのはこうで。そんな尺の取り方をしていたら、差なんかつきやしない。(ソニーのふり見て、我がふり直せ。河野透)

2012-03-17 21:24:33
kikidiary @kikidiary

ソニーの広報だった河野透さんの本、読んでるけどほんと、前半面白い。井深さん、盛田さん、大賀さんに喜んでもらう、が価値判断でジャッジしてたって。そりゃ、広告代理店にはまーったく、理解出来ない世界だよねえ。そして、宣伝の成否は他社より高く売れたかで見てた、と。面白い。

2012-03-18 11:09:12

そして、家電に関しては消費者だけを見ていたのでは宣伝にならないのでは、ということも。流通側からの要請で作られる広告もかなり多いと。

kikidiary @kikidiary

広告会社のクリエーターは、まず消費者のことしか言わない。そこばかりを見て、自分らは消費者代表みたいな口をきく。だけど、審査員の半分は流通だよ。消費者だけを見て、市場だの社会だのトレンドだのって言われても、そんなの聞いちゃいられない。(ソニーのふり見て、我がふり直せ。河野透)

2012-03-19 09:32:10