日本の反原発運動にも似るウガンダの市民運動「KONY2012」に関するgjmorleyさんの連投

現実の問題を単純視し、SNSなどの情報ツールで何かができると思った市民運動の挫折。 なんとなく今の反原発運動を連想させて興味深いので、まとめてみました。
震災 東電 市民運動 反原発 子供 脱原発 格差 瓦礫 原発 放射能 genpatsu
20
モーリー・ロバートソン @gjmorley
「ウガンダの子供を救え」と主張するバイラル動画のヒーローが街中、全裸で叫び声を上げて撮影された顛末です。 Kony 2012: campaigner's meltdown brought on by stress says wife http://t.co/5zVmpmgi
モーリー・ロバートソン @gjmorley
ウガンダのLRAを告発する動画「KONY 2012」がバイラル化した後、母体となる団体が非難され、主催者が全裸で徘徊した顛末が英語圏のニュースをにぎわせています。 http://t.co/c9w44hH0
モーリー・ロバートソン @gjmorley
☆もうすでに1億回見られたようですが、3月中旬のWIRED記事にはこうあります: 世界を席巻するキャンペーン動画「KONY 2012」に異議アリ!? http://t.co/eExeWIm9
モーリー・ロバートソン @gjmorley
簡単な時系列の日本語記事を並べます→ RT @oops_music: 「神の抵抗軍」問題 リアーナ、アリシアらも市民運動に協力 http://t.co/CXivQqve
モーリー・ロバートソン @gjmorley
また、地元では不評だったようです: ウガンダ反政府勢力の蛮行告発映画、「真実と違う」と地元民は猛反発 国際ニュース : AFPBB News http://t.co/D0a6TEfE
モーリー・ロバートソン @gjmorley
で、最新はこんな感じに: 「KONY 2012」の設立者が全裸自慰行為で逮捕、ムービーも公開中 - GIGAZINE http://t.co/qor0KOez
モーリー・ロバートソン @gjmorley
あまり深入りの解説ができないのですが、簡単に気がついたポイントを述べると:1)ホワイトバンドっぽい側面があり、単純化された世界観と簡単なアクション(寄付含む)で解決できる、といったメッセージがSNSに乗り、多くの若い人が一斉になびいた 2)ところがその多くが先進国の白人だった
モーリー・ロバートソン @gjmorley
3)現地を知るジャーナリストや専門家によれば、動画で主張している解決策のひとつである「米政府の軍事介入」はすでに試みられたことがあったが、逆効果。現地のウガンダ政府・コンゴ軍などは信頼できるパートナーとして振る舞わない、などの深い問題。
モーリー・ロバートソン @gjmorley
4)若さゆえの行動力と勢いで「戦う父とそれを慕う息子」の親子関係もショーアップされ、部外者の共感を呼びやすい作りになっていた。プロパガンダを見抜くリテラシーが「感動した」人達の間では根付いていなかった。
モーリー・ロバートソン @gjmorley
5)バイラル動画が沸騰するにつれてマスメディアもピックアップ。同時に情勢分析の短絡、資金の不透明な運営、支持する政治団体のあやしさなどが炎上を生み、それはやがて主催者への個人攻撃へと変貌していった。その賛否両論の炎上まっただ中で主催者が「クラック」した様子。
モーリー・ロバートソン @gjmorley
6)かねてからウガンダ情勢や少年兵の参上、住民の虐殺を取材し、訴えてきた人達の間では「この失敗を経て、今後はウガンダ情勢に関する反応が、以前よりも鈍感になる恐れがある」との懸念が広がっている。…といったところです。
モーリー・ロバートソン @gjmorley
☆もう少し情報が出てきそうなので今は静観していますが、雑感です。「オキュパイ」の運動がかけ声倒れにも似た形で徐々に勢いを失い、世界的な格差と「戦う」人達の足並みがそろわず、不透明さが漂う中、「何か世の中の役に立つことをしたい」という願いと希望が若者に広く共有されている。
モーリー・ロバートソン @gjmorley
「KONY 2012」のキャンペーンは完璧ではなかったかもしれない。しかし、世界中の注意を喚起した。今後もネットやITツールを使ったアクティヴィズムを育てる必要がある。とする英文オピニオン記事: http://t.co/gERTQupj
モーリー・ロバートソン @gjmorley
→だがどのソリューションも一長一短・賛否両論・それぞれのケースに応じた勝者と敗者を生むので歯切れが悪く、より細かな議論で消耗することも多い。そんな中「アフリカのならず者が無辜の子供達を少年兵に仕立てて住民を虐殺している。みんなで止めよう!」というシンプルなメッセージが大流行。
モーリー・ロバートソン @gjmorley
→さらに「通常の」規模である数十万ビューではなく1億に達してしまった段階で動画発信の主催者は世界中から注目されることになり、批判・中傷も容赦なくなった。ひたすらまっすぐに訴え続ける中、いきなりブレイクダウン。『善意』が情報不足・判断不足なまま暴走し、脱線したのかもしれません。
モーリー・ロバートソン @gjmorley
→「ほっとけない世界のまずしさ」をスローガンにしたホワイトバンド・プロジェクトのWikipedia解説エントリーです。http://t.co/Mm2SQRH9 当時のホワイトバンドが広がった速度はバイラル動画より遅いものでしたが、セレブリティーが賛同し推進力を提供した様は類似。
モーリー・ロバートソン @gjmorley
→「KONY 2012」は映像表現のキャッチーな技法やメッセージの単純化がバイラルに貢献したと論評されています。言わば広告代理店の「ものがたり」を作る手法です。ジャーナリズムが提供する情報は不完全だったり未確認だったり、遅かったり。それに対してすっきりと結論が導かれる作品は魅力的
モーリー・ロバートソン @gjmorley
→広告の提供するものがたりは多くの場合、商品にお金を出すことで何かいいことがすぐに起きるというテンプレートから紡がれます。ここにドキュメンタリーの風味をまじえてより「真実らしく」するという手法も近年育っています(同時に低予算で仕事をあげる方法でもありますが)。
モーリー・ロバートソン @gjmorley
→動画の受け手が複雑ですっきりしない「現実」よりも映像や編集のマジックでかっこよく構築された「現実風味のものがたり」に共感を覚えるのは、すっきりとした結論に逃避したいという願望を持っているからかもしれない、と思いました。送り手と受け手で結託して現実を封印するという手法です。
モーリー・ロバートソン @gjmorley
→「人道的な問題に対してまったく動かない世界の権力者たち」に憤り、「われわれが直接動いて世界を変える」とする物語のKIRA☆KIRAぶりは、それ自体が麻薬なのかもしれません。そこに若さ・面倒くさい検証すっ飛ばし・行動力・攻撃性・正義…などがカクテルになっていって…
モーリー・ロバートソン @gjmorley
→ばびゅーん、ですね。そしてふとしたつまづきで個々の善意が裏切られ、悪者探しの中で昨日までのヒーローが極悪人として断罪され、幻滅が運動を覆い、自壊。その果てには以前にも増してあきらめと無関心がしみ込む。というサイクルが展開しているような気がします。ただ、それだけでもない。
モーリー・ロバートソン @gjmorley
→そもそも広告がつけ入る隙を心に抱えている点を、多くの人が自問する機会になるかもしれません。「権力を握ったエリート」が何もしないか、できない状況に苛立ち、「素人の群衆」の人数と善意にソリューションを任せたくなる、という流れがSNSの普及で今後も広まるという気がします。
モーリー・ロバートソン @gjmorley
→「アラブの春で実現したんだから、この国でもできる」といった、希望的な論調です。ただ、そういう発言をする本人もプロの活動家だったり、そのように思いたい、と表明しているだけだったり。アラブの春が革命を達成する保証は、まだないわけですから。
モーリー・ロバートソン @gjmorley
→言い方を変えれば「アラブの春でできたんだから、この国でもできる。これからは民衆が直接政治を動かして、世直しをする時代!」というキャッチフレーズ(新たなホワイトバンド)に心を突き動かされる人は、おそらく「アラブの春」なる記号の裏にある詳細な情勢を知らないし、調べる意志もない。
モーリー・ロバートソン @gjmorley
→そういった意味で、リテラシーには魔物のようなところがあると感じています。知れば知るほど、なぜ国際社会が問題を解決できないのかをも知ってしまうから。チベット問題、ウイグル問題、シェール・ガス掘削の問題しかり。「中国が豊かになれば自然に民主主義に」ならない理由も。
残りを読む(6)

コメント

arabiannightbreed @a_nightbreed 2012年3月21日
ちょっとタイトルがあざとい感じがしなくもない。言いたい事はわかりますが。
みなこ元気 @minako_genki 2012年3月21日
一つは「単純化された世界観と簡単なアクションで解決できる、といったメッセージがSNSに乗り、多くの若い人が一斉になびいた…。若さ・面倒くさい検証すっ飛ばし・行動力・攻撃性・正義…などがカクテルに…」という運動の特徴が今の日本の反原発運動に似ていると感じられる点。
みなこ元気 @minako_genki 2012年3月21日
もう一つは「ふとしたつまづきで個々の善意が裏切られ、悪者探しの中で昨日までのヒーローが極悪人として断罪され」た点。これは私が個人的によく経験することですが、フォロワーさんが私を美化し、自分の理想と違うと判ると(例えばタバコを吸うとか)勝手に幻滅してバッシングに転ずるなど、ギャラリーの冷淡さ、無責任さというSNSならではの特徴。これら2つの類似性から、このタイトルを付けました。