NHK:マイケル・サンデル究極の選択「許せる格差 許せない格差」 書き起こし・ほぼ完全版

3月19日夜に放送されたものを文字起こししています。 ゲスト:猪瀬直樹 竹中平蔵 古田敦也 眞鍋かをり ピース又吉 他に、東京・上海・ボストンの大学とインターネットでつないで、格差・公平さ・正義についての議論をしています。
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冒頭のVTR

とし @toshihiro36

<ナレーション> ファンによる投票でメンバーの格付けを決める人気アイドルグループ。実力に応じて処遇にはっきりとした差をつける競争原理をアイドルの世界に導入しています。一方で小学校などでは、順位をつけない徒競争が見られます。

2012-03-20 09:04:44
とし @toshihiro36

<ナレーション> 競争を排除し、みんなが横並び。その方が子供は幸せという考え方です。格差は経済活動の原動力として必要なものなのか。それとも格差は極力減らし、どこまでも平等を目指すべきなのか。大競争時代の今、世界中が格差拡大を受け入れ始めています。

2012-03-20 09:08:48
とし @toshihiro36

<ナレーション> しかし格差のあまりの拡大に、富豪の中には「自分たちからもっと税金を取ってほしい」と言いだす人まで現れました。

2012-03-20 09:10:51
とし @toshihiro36

ウォーレン・バフェット: アメリカの上位400人の富裕層は、ここ20年間で所得を5倍にも増やしました。体を酷使して、汗水流して働く人たちの税金は上がる一方で、運の良い私たちだけが不平等な利益で潤い続けています。

2012-03-20 09:14:47
とし @toshihiro36

<ナレーション> 格差は本当に許されないものなのか。経済の発展のためにはある程度認めてもいいのか。この難問を問いかけるのは、世界的名門・ハーバード大学のマイケル・サンデル教授です。

2012-03-20 09:19:21
とし @toshihiro36

<ナレーション> インターネットで結んだ日本・アメリカ・中にの若き知性。そして各界のゲストと一緒に格差をめぐる“究極の選択”に挑みます。

2012-03-20 09:23:24

ここからスタジオになります

とし @toshihiro36

サンデル:マイケル・サンデルです。今日私たちが議論を交わすテーマは「格差と平等」という問題です。正義の観点から見て格差をどう考えればいいのか。世界を見渡すとここ数十年で格差はますます拡大し、それに対する抗議の声が各地で上がっています。

2012-03-20 09:27:39
とし @toshihiro36

サンデル: そこには究極の選択、倫理的なジレンマも持ち上がっています。社会の格差が広がることは、正義に反することなのか。それとも報酬の違いは、人々のモチベーションを高める望ましいものなのか。成果を上げた人にはそれだけ報いるべきなのか。

2012-03-20 09:31:47
とし @toshihiro36

サンデル:今日はそうした根源的な問いについて、みなさんと一緒に考えたいと思います。スタジオにはすばらしいゲストの方々をお招きしています。そして3カ国の学生のみなさん。上海・東京・ボストンにいる未来のリーダーを目指す若者たちです。

2012-03-20 09:35:31
とし @toshihiro36

サンデル: では、まず身近なところから「格差と平等」についての議論を始めましょう。 古田さん、あなたはプロ野球のスター選手でしたね。以前ですね。選手会の会長も務めていましたね。今日は新しい役職に就いてもらいます。あなたはプロ野球リーグの最高責任者・コミッショナーです。

2012-03-20 09:39:43
とし @toshihiro36

サンデル: ルールを決めるのはあなたです。今、一つの提案が上がっています。「野球はチームスポーツであり、メンバー全員がチームの勝利に貢献しているのだから、全選手の年棒は一律の金額にすべきだ」という提案です。あなたはこの提案を受け入れるかどうか決断を迫られています。

2012-03-20 09:44:42
とし @toshihiro36

サンデル: そして当然あなたのまわりでは意見が紛糾しています。 又吉さん、ちょっと想像してみて下さい。あなたはコミッショナーを説得しようとしている一人の野球選手です。ただし気を悪くしないでほしいのですが、あなたは全チームの中でも一番下手な選手です。

2012-03-20 09:49:21
とし @toshihiro36

サンデル: 打率だってかろうじて2割。そんなあなたは「選手の年棒を一律にすべきだ」というこの提案をコミッショナーに認めてもらうために、どのように説得しますか?

2012-03-20 09:52:41
とし @toshihiro36

又吉「かなり難しい説得になりますけど…やっぱりヘタクソがいないと上手いもないですから。上手い人だけが…ある一定の基準に達した能力の人だけで野球ができるのかと言えば、できないじゃないですか。やっぱり人数が要りますし。だから僕みたいなヘタクソな奴にも価値があると思うんですよ。」

2012-03-20 09:59:04
とし @toshihiro36

又吉「だからスタープレーヤーと同じように年棒をいただきたい」 古田「そうですか。それじゃ、説得されないですね(笑)」 又吉「そうですよね(笑)」

2012-03-20 10:02:09
とし @toshihiro36

サンデル: それじゃ、眞鍋さんにも伺いましょう。あなたはスター選手です。球界一のホームラン王です。そんなあなたは報酬を一律にするのはおかしいと思っている。あなたはどうやってコミッショナーを説得しますか?

2012-03-20 10:05:18
とし @toshihiro36

眞鍋「やっぱりあの…結果を出した人が報われる世界でなければいけないと思うので、やっぱり強い人にはより多く、あまり結果を出せなかった人にはそれなりの報酬じゃないと…全体が弱くなってしまうんじゃないかなと思います。

2012-03-20 10:08:55
とし @toshihiro36

サンデル「又吉さん、反論のチャンスをあげましょう」 又吉「みんなが同じクオリティの能力でやってたら、試合もあまり面白くなかったりすると思うんですよ。能力が期待されてない選手がメチャメチャ調子のいい時に逆転ホームランを打ったりとかが醍醐味だったりして、

2012-03-20 10:14:35
とし @toshihiro36

又吉 「その一回のホームランは、スター選手の舞会のホームランに匹敵するぐらいお客さんが興奮できるものだと思うんですよ。その一本にお金を下さい」

2012-03-20 10:17:35
とし @toshihiro36

サンデル:もしアドバイスをお望みなら、ここには二人のアドバイザー(猪瀬直樹、竹中平蔵)がいます。決断を下す前に、お二人の意見も聞いてみませんか。

2012-03-20 10:20:24
とし @toshihiro36

古田: じゃ、経済のことですから竹中先生よろしくお願いします。

2012-03-20 10:27:55
とし @toshihiro36

竹中: まあ基本的には私が眞鍋さんの立場だったら、「私がいないとどうなりますか」と言いますね。「私がいる時と比べて、いなくなったらどうなりますか?その差額がわたしの価値じゃないですか。それについて高いお金を払って下さい」そういう言い方をしますね。

2012-03-20 10:32:14
とし @toshihiro36

眞鍋: さすが、説得力がちがいますね。

2012-03-20 10:33:28
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