NHKスペシャル「NHKと東日本大震災・・より多くの命を守るために」 書き起こし
- toshihiro36
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冒頭のVTRが流れます
<ナレーション> 1年前に起きた東日本大震災。NHKは地震発生直後から、全国一斉に取材を開始、緊急報道を始めました。大津波からの避難の呼びかけ、深刻化する原発事故への警戒、そして被災者を支えるための情報。NHKは発生から1週間テレビやラジオで24時間震災報道を続けました。
2012-03-23 14:48:04<ナレーション> 震災後のメディアに関する民間の調査では、NHKを見たという人が最も多く、高い信頼を得ました。それでも多くの尊い命が失われたという重い現実。多津波警報を聞いても、危機を感じなかったという声も被災地から寄せられました。
2012-03-23 14:52:43被災者の声:「ただ6メートルと言われると、ちょっとみんなたぶんピンとこない」 「サーっと行って、家は流れない、浸水するだけだと思ってました」
2012-03-23 14:55:52【多津波警報を想定した訓練】 アナウンサー: 津波は予想の高さを超えることがあります。斜面を駆け上がり、内陸深くまで流れ込みます。何度も押し寄せ、急に高くなります。今すぐ行動して下さい!逃げて下さい!
2012-03-23 15:06:03ここからスタジオになります
森本健成アナ: 1年前の3月11日、私たちは東京・渋谷にあるNHK放送センターにいました。あの揺れを感じた後、急いでニュースセンターに駆けつけました。
2012-03-23 15:13:15森本: 巨大地震、大津波、そして原発事故。東日本大震災は甚大な被害が広範囲にわたって同時に起きるという、私たちがこれまでに経験したことのない複合災害でした。亡くなった人といまだに行方が分からない人を合わせると1万9千人を超えています。もっと多くの命を救うことはできなかったのか。
2012-03-23 15:21:05森本: 1人でも多くの命を守るためには、どうすればいいのか。NHKが放送を始めた節目にあたる放送記念日のきょう、私たちの報道を検証するとともに、次の災害に向けての改善もお伝えしていきます。
2012-03-23 15:24:29首藤: 大津波の危機感をどこまで伝え、住民の避難を促せたか。正確な情報がない中で、原発事故の見えない危険をどこまで伝えられたのか。そして被害が広い範囲にわたる中で、被災した人たちを支えるためのきめ細かな情報をどこまで伝えられたのかです。
2012-03-23 15:30:00【大津波の危機感】編
首藤: こちらは去年の11月と12月に津波の被害が大きかった地域の住民640人に聞いたアンケート調査です。防災無線やテレビ・ラジオなどで大津波警報を聞いてどう思ったか。「すぐに逃げないと間に合わない」と思った人は43%。
2012-03-23 15:39:27首藤: これに対し「津波が来るまで余裕がある」「津波が来るとは思わなかった」という人を合わせると、半数を超える55%。多くの人に津波への危機感が伝わり切っていなかった実態が浮き彫りになっています。
2012-03-23 15:43:55首藤: この大津波警報は気象庁が発表し、NHKなどの報道機関や自治体などに伝えられます。そして放送や防災無線などを通して住民に伝えられます。
2012-03-23 15:46:15森本: これまでNHKは避難を促すため、こうした警報を津波が予想される地域や高さの情報をできるだけ早く伝えることに力を入れてきました。しかし今回のアンケートからも浮かび上がったように、重大な事態が起きつつあるという危機感を本当に伝えきることができていたのか。
2012-03-23 15:52:02森本: 私たちは検証が必要だと考えました。 地震発生から各地を津波が襲うまでの1時間余り、NHKは津波の危険をどう伝えたのか見ていきます。なお今から放送するVTRには去年3月11日の津波の映像が使用されています。
2012-03-23 15:58:44VTRになります