アニメ監督・錦織博氏、アニメーター志望者とスタジオのズレと「作品を作る」という考え方について語る。

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錦織博 @nishiki_hiroshi

業界志望者の求める所属への欲求、スタジオが、組織維持の為に必要な求人。互いの利害が一致したところでの新人育成や養成のためのカリキュラムというのは、従来型の会社のシステムを運営するには有効だが、作品単位でコンテンツを作らなくてはならなくなった今、急速に無効化しつつある。

2012-03-26 18:24:45
錦織博 @nishiki_hiroshi

かつては会社単位で仕事が決まり、そこに所属することが、作品を作るための入り口になっていた。そこで何かの作品に関わり、経験を積むことで成長していったし、チャンスも生まれた。しかし、発注の単位が個人に近づいた現在、はじめから完成された人材が求められるようになっている。

2012-03-26 18:34:37
錦織博 @nishiki_hiroshi

人材を社員として維持することが困難になる一方で、作品を作り続けるための人数は減っているので、結局は新規の人材に頼るしかない。そこで早急な養成が急務となる。けれどここで、夢を持ち、将来のクリエイターを目指して入ってくる若者たちの想いとズレが生じてくる。

2012-03-26 18:45:51
錦織博 @nishiki_hiroshi

新人たちは、時間をかけて成長し、技術を覚えていこうと考えているのに対して、会社側にはその余裕は無い。この組み合わせの不幸が、刹那的な仕事になっていく要因だと思う。もちろん、問題意識のあるスタジオが様々な取り組みをしていることは素晴らしいが、入っていく人達も意識を変える必要がある。

2012-03-26 18:59:33
錦織博 @nishiki_hiroshi

僕が「作品を作ろう」と呼びかけるのは、必ずしも全員がクリエイターにならなければ、ということでは無く、スタジオなどに依存せずに作品制作に関わり、成長する機会を自ら得るという選択肢もあると伝えたいというのもある。結果として個人で作るのか、大きな規模で作るのか、方法はたくさんあります。

2012-03-26 19:11:51
錦織博 @nishiki_hiroshi

特に将来、監督になりたい、オリジナル作品に関わりたいと思っているのに、なかなか方法や決め手が無くて悩んでいるという人には、有効な考え方だと思っています。まだまだチャンスはありますよ!

2012-03-26 19:22:14