茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【脳の学習はオープンエンド=それが本物の知性】連続ツイート

2012.3/29 茂木健一郎氏:連続ツイート548回 【脳の学習は、オープンエンド=それが本物の知性】 …本物の知性は点数などでは測れないオープンエンドである。常に無限と向き合っているのだ。東大で哲学を教えていた廣松渉先生が、ぼくのマブダチの塩谷賢に、「学者になるには、一日千頁読みなさい」と言ったそうだ。実行するのは至難の業だけど、廣松先生の言われることはよくわかる…
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茂木健一郎 @kenichiromogi

内田樹さん(@levinassien)のブログ(http://t.co/5f0DZhOc)に賛同。教育も学習も、他人から評価されるためにやるものではなく、むしろ無限遠を目指して努力すべきものだと思う。「学歴主義」の浅薄さが、日本をダメにしている。

2012-03-29 06:05:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

私は、小学校のときから、特定の大学に合格すること、あるいは卒業することといった陳腐な目標を人生の糧にしたことなど一度もない。5歳のときに始めた蝶の研究と、小五で読んだアインシュタインの伝記が決して尽きることのないインスピレーションを与えてくれた。

2012-03-29 06:07:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

本物の知性に対するリスペクトがなく、「学歴」を効率よく手に入れることを訴求する社会。それは没落するのは当然だ。Googleも、Appleも、現代において輝いている経済主体は、どれも本物の知性に対する情熱がかたちになったものだから。日本も、もういい加減に気付いたらいんじゃないの?

2012-03-29 06:08:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

何度も言っていることだけど、「TOEIC」なるものが幅をきかす社会が、本当に英語を生きる社会になるはずがない。日本の企業も、 そんなものに頼るのをやめて、本気で英語を使い始めたらいいんじゃないの? そうしたら、TOEICなんていかに下らないか、すぐにわかるよ。

2012-03-29 06:10:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

全く違います。そのことについて、今日は連続ツイートすることにしましょう! @tox1000fry @kenichiromogi 本物の知性ってただ「勉強が出来る」ってことではないってことですか?

2012-03-29 08:33:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

「連続ツイート」第548回をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています!  本日は、さきほどのツイッター上でのやりとりに因んで!

2012-03-29 08:48:44
茂木健一郎 @kenichiromogi

のお(1)この所、Kindle for iPadで英語の本を読むことに熱中している。ただ離着陸の時は読めないから、ワシントンでHarvard Business Reviewを買って読み始めたのだけど、日本のメディアの中で流通している情報の質が決定的に劣化していることを痛感した。

2012-03-29 08:35:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

のお(2)いつから、日本人の「知性」は劣化し始めたのだろう。どうも、遠因はセンター試験が導入されて、ペーパーテスト支配が強まったあたりにあるように思う。アメリカでもSATはあるが、それはあくまでも面接やエッセイなどの総合評価の一部分に過ぎない。点数だけで人はわからないのだ。

2012-03-29 08:36:56

SAT (大学進学適性試験)

Scholastic Assessment Testは、アメリカ合衆国内にある大学が世界中どこからの受験生にも大学に進学する際に受験させる共通テストである。 http://p.tl/3dO1 「ウイキペディア」より

茂木健一郎 @kenichiromogi

のお(3)本物の知性は点数などでは測れないオープンエンドである。常に無限と向き合っているのだ。東大で哲学を教えていた廣松渉先生が、ぼくのマブダチの塩谷賢に、「学者になるには、一日千頁読みなさい」と言ったそうだ。実行するのは至難の業だけど、廣松先生の言われることはよくわかる。

2012-03-29 08:38:17

オープン・エンド【open-end】

終わりが決められていないこと。中途で変更が可能であること。オープン-エンディッド。⇔クローズド-エンド。「Yahoo!辞書・大辞林」より

茂木健一郎 @kenichiromogi

のお(4)一日千頁古今の哲学書を乱読しないと見えてこない世界はある。そして、そんなものをペーパーテストで測れるはずもない。英語力も同じで、TOEICの満点を何回取ったと自慢しているマニアがいるが、正気の沙汰ではないと思う。英語の宇宙は、そこから先にこそ広がっているのだ。

2012-03-29 08:39:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

のお(5)脳の学習は、一生かかっても窮め尽くせないオープンエンドなもの。本物の知性とは、結局、そのことがわかっているということ。例えば、マイケル・サンデル教授の探究しているJusticeという問題にしても、いくら考えても答えはそのさらに向こうにある。本物の知性は、そこに向き合う。

2012-03-29 08:41:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

のお(6)今朝の朝日新聞の社説にも、文科省の高校の理科の検定教科書にどんな記述があったかと書いていたが、そんなことは本当にどうでもいいことなんだよ。学ぶべき範囲があるとか、標準的な内容があるとか、そういうことは、本物の知性を志向している人は一秒たりとも考えはしない。

2012-03-29 08:42:40
茂木健一郎 @kenichiromogi

のお(7)結局、日本人は標準的な学習の「範囲」があると思い込み、その範囲でできるだけ「満点」に近い成績を上げることが「アタマがいい」と勘違いし、ちいちいぱっぱちいぱっぱ。先生の言うとおりやってきたんだろうけど、あらびっくり、世界は本当は硝子窓の向こうに広がる大海原だったんだね。

2012-03-29 08:44:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

のお(8)ニュートンが、私は砂浜で美しい貝殻を拾ってよろこんでいる子どものようなものだった、真理の大海は目の前に未知のまま広がっているという言葉を残したけど、これがわかっているのが本物の知性。文科省の検定教科書なんて、砂浜に落ちているプラスティックみたいなものでしょう。

2012-03-29 08:45:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

のお(9)本物の知性を志向している人は、走り続けている。廣松さんの言うように、「一日千頁」を続けている。それで、偶有性の海に飛び込んで泳ぎ続けている。アップルのスティーヴ・ジョブスは、そういうHumanitiesの総合性とTechnologyを結びつけた人だった。

2012-03-29 08:46:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第548回 「脳の学習は、オープンエンド=それが本物の知性」でした。

2012-03-29 08:48:01