イージス艦ミサイル防衛SM3ブロック1Aの迎撃高度

イージスBMD(弾道ミサイル防衛)のスタンダードSM3ブロック1Aの射高(迎撃高度)の推測、そして資料の発見による裏付け。
テクノロジー MD ミサイル防衛 bmd SM-3 テポドン
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JSF @obiekt_JP
2009年に人工衛星打ち上げ失敗した北朝鮮のテポドン2改は日本列島を越えて3000kmほど飛びました。そして2011年にイージスBMDはSM3ブロック1A迎撃実験で射程3000km級の中距離弾道ミサイル標的LV-2の撃墜に成功しています。 http://t.co/MVrnEnk0

ここから欧州ミサイル防衛SM3地上型の配置から逆算して能力を推定。

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イランートルコ国境ぎりぎりから半径3000kmの赤い円を引いた図。国境ぎりぎりに弾道ミサイルを置くのは非現実的なので数百km下がるとしても、射程3000kmの中距離弾道ミサイルがあればベルリンとローマまで届く。 http://t.co/YUZ9Yngb
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欧州ミサイル防衛の地上型SM3は2015年からSM3ブロック1B(イラン西部から発射される3000km級中距離弾道ミサイル対応)、2018年からSM3ブロック2A(イラン中部以東から発射される5000km級中距離弾道ミサイル対応)を配備予定。
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ルーマニアにSM3ブロック1Bを配備した場合、ドイツやイタリアに向かう射程3000km級中距離弾道ミサイルの弾道頂点付近で迎撃する必要があるので、最低でも高度500kmまで上がらないといけないという推定になります。SM3ブロック1Bは飛行能力はブロック1Aと同じです。
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イラン中部以東から英仏に届かせるには射程5000km(最大到達高度1000km)の中距離弾道ミサイルが必要で、これはSM3ブロック2Aで迎撃する計画です。SM3はミッドコースの後半が最適な迎撃範囲なので、ルーマニア配備は独伊防衛用、ポーランド配備は英仏防衛用と推定出来ます。
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守ろうとする西欧の大都市よりも前方の東欧に迎撃ミサイルを置く以上、弾道ミサイルが落ちて来て高度が十分に下がってから迎撃という事は出来ません。飛行コースの中間、弾道頂点付近での迎撃が要求されます。するとSM3ブロック1Bは射高500km、ブロック2Aは射高1000kmが必要です。
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これまで知られているSM3の迎撃高度は、4年前にSM3ブロック1Aで実施された衛星撃墜時の高度240kmが最大です。しかし欧州ミサイル防衛の配備計画を見る限り、ブロック1Aと同じ飛行性能のブロック1Bは高度500km上がれないと任務を果たせません。だから、上がれると見るべきです。
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そして昨年、SM3ブロック1Aはハワイ沖の迎撃実験で射程3000km級の中距離弾道ミサイル標的LV-2を撃墜する事に成功しました。ただし迎撃高度は発表されていません。迎撃実験では意図的に本来の能力より低い高度で目標を破壊している可能性もあります。(人工衛星を巻き添えにしない為に)
JSF @obiekt_JP
イージスBMDのSM3ブロック1Aが高度500km以上も上がれるというのは、欧州ミサイル防衛の配備計画からの推定でしかないです。それを踏まえた上で、2009年のテポドン2改は高度500km程度を飛んでいる点に注意して下さい。 http://t.co/6x3BKHwc
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そして推測した数値の裏付けとなる資料を発見。

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イージスBMDのスタンダードSM3ブロック1Aは「最大射程1200km、迎撃高度70~500km」を目指して開発された。キネティック弾頭の速度は4km/sである。※開発目標数値
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ソースは AEGIS TMD: Implications for Australia Richard McMillan, Australian Defence College ※PDFファイル http://t.co/nbRsffEK
JSF @obiekt_JP
資料に「… at ranges to 1,200 km and altitudes of 70–500 km」とあるから、SM-3ブロック1A自身の射程と射高。実はSM-3ブロック1Aの射程1200kmというのは朝雲新聞社の「自衛隊装備年鑑2008-2009」にも掲載されてます。
JSF @obiekt_JP
欧州ミサイル防衛の配備状況から「SM-3ブロック1A、1Bの射高は500km」と推定したのは当たってましたね。SM-3ブロック1Aの開発目標数値が射高500kmとなると、ブロック2Aはその倍の射高1000kmでよい筈です。
JSF @obiekt_JP
SM-3やGBIの迎撃実験が高度150km前後で行われていたのは、単に高い高度でやると破片が落下する間に人工衛星を引っ掛ける可能性があるから自粛してただけ…
JSF @obiekt_JP
5年前までは大勢の人が最大で高度150kmまでしか上がれないと信じてSM-3を役立たずと批判して、4年前の衛星撃墜で高度250km上がった実績で見返して、でも設計上はそもそも高度500kmまで上がれます、と。うーん…
JSF @obiekt_JP
現代兵器のスペックは秘匿されてる事が多いので(例えば500km以上、と表示されてたら実は最大1000km、嘘は吐いてないとか)、表面的に見えてる数値だけで判断してはいけないですね。
JSF @obiekt_JP
イージス艦ミサイル防衛スタンダードSM3ブロック1Aは「最大射程1200km、迎撃高度70~500km」を目標数値に開発された。ソースは AEGIS TMD: Implications for Australia ※PDFファイル http://t.co/nbRsffEK
SM3ブロック1とブロック2のサイズ比較

SM3ブロック1A 海上自衛隊と米海軍が現在装備中。 SM3ブロック1B 1Aのキネティック弾頭を改良した物。 SM3ブロック2A ミサイル直径を拡大、弾頭も大型化。 SM3ブロック2B 2Aの第3段ロケットを改良した物。

コメント

えちごや@FK7 @h_goya 2012年3月29日
報道が正しいなら、衛星は高度500キロの円軌道に投入される( http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0329&f=politics_0329_015.shtml )ようなので、二段目の燃焼中に不慮のトラブル等あっても、SM-3で十分に対応できそうですね。
牙王獣太 @k2train 2012年4月8日
いずれにせよ、弾道弾の能力を考慮した上で対応している訳ですね。参考になります。
3号(本業きっこbot) @kikko_not_bot_R 2012年4月17日
宇宙科学研究所が運用している2段式固体燃料ロケットのSS-520は2.6トンで1000kmまで上昇できますからね。そこらへんと比べるアプローチもアリかもしれません。
MagicalDoveDive @VVspyVV 2015年5月23日
公開情報をもとに各段のロケットモーターの性能を推定し、ゼロリフト軌道と仮定して初期仰角と比推力を変えて何種類か軌道を計算するとこんな感じになります。 迎撃高度500kmというのはかなり「ありそうな」数値だと思われます。 https://pbs.twimg.com/media/CFrL84FUkAAG3Je.png https://pbs.twimg.com/media/CFrL-H2UUAApPbL.png