『カリオストロの城』と宮崎駿の作画スタイルについて

「高畑勲・宮崎駿作品研究所」の叶精ニ氏による『ルパン三世 カリオストロの城』をめぐる裏話と、「アニメスタイル」小黒祐一郎氏との対話。
アニメ カリオストロの城 小黒祐一郎 山本二三 宮崎駿 叶精二
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叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh
「カリオストロの城」放映中でしたか。 http://t.co/Qp2NfKs3 公開時メインポスターの裏話。原画は大塚康生さん。 クラリスを描くと宮崎監督のブーイングがすさまじく、リテイクの末、顔をほとんど描かないことで決着。後に「何で下向きなの?」と方々で訪ねられたそうです。
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh
それで、第2図案でポスターを作り直して、これになったそうです。 http://t.co/gE7InLXN 今度も大塚さん原画ですが、クラリスの顔を篠原征子さんが修正し、宮崎監督のブーイングをかわしたそうです。テレコム社内で作られたため、背景はどちらも山本二三さんです。
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh
山本二三さんに伺ったお話では、「ポスターなんだから、こんなにキャラが動き回らなくてもいいのでは」「テレコムのポスターは、どうしていつもこんなに騒々しいのか」と思われたそうです(苦笑)。昨今大流行の静的キメポーズと違って、大塚さんの画はいつも動きの中間を採取した動的なものです。
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh
余談です。第1ポスターの原画(セル+背景)は、確か公開当時に抽選で1名にプレゼントされた筈でしたが、10年ほど前に「まんだらけ」で実物が100万円で販売されていたのを見ました。確か、90×60センチの実寸で描かれていたと思います。誰かがお買い上げになったのでしょうね。
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh
http://t.co/sU07fY8X 宮崎監督自ら原画を担当したポスター。確か、公開2年後の81年に日本コロムビアから発売されたLPの付録。ルパンの骨張った四角い顎と逆立髪、クラリスの怯えた表情など、いかにも宮崎流。丸みのある大塚さんとは対照的。これも背景は山本二三さん。
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh
そのLPのジャケットも宮崎監督の原画。ルパンは逆髪・四角顎で、クラリスは繊細。 http://t.co/Si61nNhz 背景のハーモニー処理は、やっぱり山本二三さん。テレコムの美術班は当初一人で、細々とした仕事が大変多かったそうです。山本さんの知られざるお仕事は多々あります。
小黒祐一郎 @animesama
宮崎さんが劇画タッチに寄った時期の版権イラストですね。RT @seijikanoh: そのLPのジャケットも宮崎監督の原画。ルパンは逆髪・四角顎で、クラリスは繊細。 http://t.co/RzhhTuUn (略)
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh
@animesama おっしゃる通りだと思います。「ロルフ」の企画書提出が81年8月、「ナウシカ」漫画化承諾が9月、LP発売が同年12月なので、メビウスの影響なども受けつつ、ペンで習作を繰り返していた前後の時期かと思います。コンテの絵柄とも違いますものね。
小黒祐一郎 @animesama
@seijikanoh それもあるんだろうけど、「まんが映画」を作っていた宮崎さんがちょっとだけ「アニメ」を意識した時期なんだと思っています。この場合のアニメは「若者向きで、刺激の強い、大衆娯楽」という意味でのアニメです。
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh
@animesama 「戦国魔城」「ロルフ」「もののけ姫(原初案)」など、どのボツ企画も、そういう傾向でしたね。「トトロ(原初案)」は別でしたが…。絵柄については、近藤喜文さんがテレコムに来られて、社内に大きな影響があったと聞きました。近藤さんの「ロルフ」は、かなり繊細でした。
小黒祐一郎 @animesama
@seijikanoh 宮崎さんの「アニメ指向」は映像としては(表現的には)『ホームズ』から『ナウシカ』まで続いていると思っています(『ホームズ』に現れているのはほんの一部ですが)。その「アニメ指向」が一部のイラストに反映されているんだと思います。
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh
@animesama 「ホームズ」は「新ルパン」テレコム回(主に丹内司さんが作監)と比して、格段に繊細で、より緻密な絵作りに踏み込んでいたと思います。ナウシカ制作中、宮崎監督が瞳のハイライトを「杉野昭夫さんみたいに」とおっしゃっていたというお話を思い出しました。
小黒祐一郎 @animesama
@seijikanoh でしょ。僕は『ホームズ』で「金田伊功の爆発を真似ろ」と言ったと聞いています。宮崎さんのアニメスタイルが揺れていた時期なんだと思います。その揺れが一番出たのが映画の『ナウシカ』で、その揺れはなくなっていく。
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh
@animesama 友永和秀さんに、同じようなお話を伺ったことがあります。金田さんのことは相当意識されていらしたようですね。ずっと後ですが、「On Your Mark」で安彦良和さんの「光る爆発(ア・バオア・クー?)」をやろうとした、というお話も聞きました。オフレコでしたが。
小黒祐一郎 @animesama
@seijikanoh アニメブームの時に、流行のスタイルはキャラクターをリアルにして、二段影をつけるようなものだったわけです。宮崎さん達のスタイルはあきらかに時代遅れであり(その後に時代がさらに逆転するんだけど)、彼らのやり方だとキャラクターをリアルにしたりはできない。続く
小黒祐一郎 @animesama
@seijikanoh それで『未来少年コナン』以降は、アニメブーム的な派手さを、描き込みの過剰さで表現しようとするんだけど、『カリオストロ』版権イラストでは「劇画的なタッチを取り入れた(=アニメブーム的な)」イラストを描いてたんだろうと思います。
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh
@animesama 「ホルス」「ゆうれい船」のトメ、「長猫」の怯えるローザ姫のアップなど、陰影や描き込み傾向の端緒はずっと以前からあったように思うのですが、いずれも特殊なカットのみでした。いつかは全編そのスタイルで、という志向性はこの頃形成されたのかも知れませんね。
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh
@animesama 個人的には、この時期にメビウスに傾倒したり、イヴァン・ビリビンの石版画を参考にしたり、アニメーションとしても「ファンタスティック・プラネット」のローラン・トポールの画風に触れ、様々な方面から線描の限界性や美術の方向性などを模索していた形跡も感じています…。
小黒祐一郎 @animesama
@seijikanoh ええ、それも否定はしません。

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