前列で寝ている学生さんに話す、大人の事情と情報の見方(by Morley Robertson )

情報に接したときの判断の仕方は 大変参考になると思います また、今後市民社会のリテラシーを成熟させることは 重要なポイントだと思いました
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モーリー・ロバートソン @gjmorley

エンロンがカリフォルニア州民から巨額の富をむしり取った2000年の「電力危機」を昨夜から調べ通しです。現在の「値上げか、さもなくば再稼働か」を迫る東電への憤った世論を煽るように「発送電の分離」「電力の自由化」「東電解体」をスローガンとして打ち出す人達がいるのですが→

2012-03-31 04:56:51
モーリー・ロバートソン @gjmorley

電力の自由化が消費者に必ずしも利益をもたらさない事例がアメリカにはごろごろしています。本来は規制を緩和して競争力を増すことで○積極的な設備投資と効率化・コストダウン○環境に優しいクリーンエネルギーの開発(脱原発も)○消費者へのきめ細かな対応…などなどがパッケージになるはずが→

2012-03-31 04:59:07
モーリー・ロバートソン @gjmorley

ショッキングなまでの電気料金値上げが可能になったり(2007年からUSA Today記事)http://t.co/dylxPNOA 株主への配当を優先して低所得者や公共機関・中小企業の顧客から搾り取ったり 「原油が上がった」「天然ガス代が上がった」という不透明な理屈でのつり上げ→

2012-03-31 05:02:23
モーリー・ロバートソン @gjmorley

露骨に政治にロビー活動を行うことで規制上の抜け穴を作ってもらったり、環境リスクを無視した新エネルギーを開発したりが規制緩和の結果、可能になった場合も海外ではあります。→で、日本はそもそも閉鎖的なマーケットをずっっと維持してきたので、やるとしたら「ショック療法」になるのですが→

2012-03-31 05:05:30
モーリー・ロバートソン @gjmorley

たとえばこんな感じで強硬に自由化を望む声もあります:http://t.co/7wFCPv5V オリックス宮内CEO、東電経営者の後継問題を語る - Japan Real Time - http://t.co/kSJfbVSM

2012-03-31 05:06:39
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓記事から:宮内氏の意見は「東電は一時国有化した方がいい。発電は分離できる」と簡単明瞭。このような率直な発言を東電の取引銀行の一部は警戒。 ☆「どんどん変えろ」という改革者と、微動だにしたくない守旧勢力という構図は日本に独特だと思います。ガラパゴスとまで言えるかはわかりませんが。

2012-03-31 05:08:21
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓あまりに独特なシチュエーションであり、世論が放射能アレルギーによって情緒に支配されやすく、また政治の求心力が失効してどの方向にも身動きが取れず、ロードマップが見えない…という中では、東電を「罰する」という象徴的な行為として解体→電力自由化→脱原発の「夢」がちらつくのも頷ける。

2012-03-31 05:12:05
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓ただ、アメリカで今、コンシューマーに理不尽な値上げを突きつけている電力産業は決まって「エコ」を強調します。「よりクリーンで安全な将来を作るためならば、未来のために我慢するということは必要だ」と道徳的な訓戒を述べながら、実は差分を株主と経営者がむしるだけ…のリスクもある。

2012-03-31 05:13:31
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓規制緩和の結果アメリカのさまざまな電力関連の企業は行政の要望に対して拒否権を持つことになり、「弊社が競争力を持つことこそが地域経済の活性化につながる」という切り札を言えば、経済的な「正義」をふりかざせます。日本だと企業が謙虚にふるまうという習わしが残留しているので、どうなるか?

2012-03-31 05:15:49
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓今思うのは、先に述べたシェール・ガスに飛びついて依存することが経済的にも環境面からもリスキーなその場しのぎになるという点と、理想論や「正義」の熱に浮き足立って東電に「天誅」を加えた場合、次なるプレデターをおびき寄せる道もつくということです。「人道」「世直し」をふりかざす形で。

2012-03-31 05:18:50
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓ナオミ・クラインの「ショック・ドクトリン」がしつこいまでに描いているのは、戦争・革命・災害などが起こり、市民社会が判断力を失ったタイミングで政府と大資本が大胆な自由化と私営化を推し進めたという行動原理です。その手品のような方法論を中和するのは情報リテラシーだと著者は主張。

2012-03-31 05:22:53
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓さまざまな「安全神話」が打ち砕かれた時に、その国の国民はショック状態に陥ります。そこにつけ込んで、平常ならばけして通らないだろう規制緩和や支配層だけが潤うような仕組み、公共の財産の私有財産への転嫁などがどんどんと推し進められ、決まって愛国心が劇的に鼓舞される。

2012-03-31 05:25:22
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓要は単純な善悪のピクチャーを見せられてもすぐに乗らずに、何人をも疑って自分で考え、友達を作って話し合うというのが市民社会のリテラシーを成熟させてクライシスを乗り切る方法かと思います。

2012-03-31 05:27:16
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓だから「原発をなくせば、必ずいい未来が来る」という声も99パーセント嘘だろうし、「事故の起こらない原発は設計できる」というのも99パーセントの嘘であろう。「天然ガスが救ってくれる」も同等の嘘の小技。こういう心構えで情報に接すれば、デマゴーグが非常にやりにくくなる。

2012-03-31 05:28:22
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓アメリカのエンロン事件やサブプライム崩壊に至った電力・金融セクターでの大胆な規制緩和は、日本の状況と比較するのが難しいので、同じような処方箋を提唱するのは乱暴な気もします。ただ、時間差で同じものが日本にもやってくる可能性は十分あるでしょう。

2012-03-31 05:30:28
モーリー・ロバートソン @gjmorley

↓とにかく原発という「点」で考える思考から脱却するのが、健全な判断力を育てる第一歩かと思います。以上、大学の講堂で話をしていて、前列の学生さんが突っ伏して寝ているような光景を思い描きながら語りました。とにかく、「大人は腹黒い。」これは真実だということに確信を持ちました。

2012-03-31 05:32:34