原発避難関連の学習支援ボランティアに参加して
福島第一原発の1号機から4号機が立地する大熊町。
震災後、全町避難という形になり、町の学校は全て会津若松市の協力を得てそちらに移転した。
ただ、移転に伴うバタバタや、あるいは家庭環境の問題等で、学習が遅れ気味との現状があり、
東京大学に学習支援ボランティア派遣の依頼があった。
それを受けて、ボランティアに参加してきた筆者の見聞録をまとめておく。
基本的に、筆者自身が見て、聞いて、感じて、考えたことを私的に記録したものであり、
いろいろな雑多な記載が混じったものである。
大熊町・大熊中や東京大学、あるいは今回参加したチームの総意に基づく公式見解では断じてなく、
従って、この記事のすべての責任は筆者@mac_wac にあることを明記しておく。
さて、今日から7泊8日で福島でボランティアに来てるわけですが。今は会津若松市の中にある、大熊町の支援に来たんだけど、今日、大熊町の教育長と大熊中の教頭先生の話を聞いてきて、書き留めておかずにはいられないので。
2012-03-23 19:08:51原発後、全町避難という形になって、大熊町は何を差し置いても教育を優先したい、学校を立ち上げればその保護者を残すことができる、という思いが判断をして、で、実際に4月に会津若松市に幼小中を立ち上げることができた。
2012-03-23 19:11:54ただ、生徒がかなり広い範囲に散らばってるので、スクールバス等、通学手段の問題はあったし、もっとも問題だったのは給食で、幼稚園で給食をはじめることができたのが11月のことだという。
2012-03-23 19:13:18ともかく、4月に学校を立ち上げた初動の早さで、大熊中には200人以上の生徒が残った。これは、例えば9月に学校を立ち上げた浪江町ほかが20人ほどしか生徒が残っていないのと比べて、福島県では異例のことという。
2012-03-23 19:15:48しかしながら、大熊中の生徒数は8月をピークに減り始める。会津若松市には職がないから。職を求めて保護者が続々といわき市に移るらしい。いわき市に行けば東電の仕事があるから……
2012-03-23 19:17:16これが、教育長と教頭から聞いた大熊町の学校教育の現状。ただ、このように迅速な行動ができたのは、おそらく大熊町が財政に恵まれていたからだろう。そして、その財源は間違いなく原発マネーなわけで……
2012-03-23 19:18:33大熊中でのボランティア初日。中2の生徒を担当したが、いわゆる中2病的な感じはなく、みんな素直で(大人びてる子もいたけど)やりやすかった。まあ、実践はもちろん難しくて試行錯誤の連続なわけですが。
2012-03-24 18:09:04大熊中でのボランティア3日目。やはり何でもそうだけど、2日目になると、初日には見えなかった困難が色々見えてきて、悩ましい。純粋に教育の上での問題も、またそうではない複合的な問題も。いずれにせよ、生徒さんは素直で本当にいい子達だと思う。
2012-03-25 23:39:55大熊中3日目(昨日は間違えて書いたが実際は2日目)。昨日より色々上手く回った気がする。ただ、それは生徒一人一人から発せられたヘルプのサインを見逃してしまったがゆえにそう思うだけかもしれない。
2012-03-26 19:30:07大熊から若松に避難してから、東電からの賠償金等によって家計が豊かになった家庭も珍しくないとのこと。ただ、賠償金は不労所得なので、色々と問題も出てきている様子。
2012-03-29 18:39:30そういえば、会津若松は観光客が例年の1割だとか。線量は東京と全然変わんないのにね。こういうの見てると「正しく怖がる」とも言いたくなる気も分かる。
2012-03-29 20:28:26和やかに雑談しながら、ボランティア論。誰のためか?学習支援ではなくがれき撤去だったら、あるいは都心部のホームレスのための炊き出しだったら自分は参加したのか?etc
2012-03-28 22:26:30生徒はみんな素直で良い子だったし、大熊中・大熊町の方、宿の会津自然の家の方も大変親切だったし、何より同行メンバーに恵まれた。皆に感謝。
2012-03-30 16:03:05まあ、今回大熊中に行って、震災とか原発のことはほとんど誰も触れなかったんだけど。無論デフォルトではそうするしかないんだけど、僕らに限らず色んな大人が腫物に触れるように接する様を苦々しく思ってる生徒や、辛くても僕らにどんどん語りたかった生徒もいただろうし。難しいなあ……。
2012-03-31 20:42:19大熊町について言えば、全町を帰還困難区域に設定するように要請したとのニュースがある。大熊町の方針は学校移転の際から一貫していて、大熊町のコミュニティを何とかして存続させたいというもの。町内で差が生じるとそれにより町民が分断されることを危惧している。賛否はともかく、理解できる。
2012-03-31 21:20:40