砕月

どうみてもひつじ @neosaitamaaries

誰も居ないおかしなこと言うならイマノウチ

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永夜抄で満月を欠けた不完全なものと摩り替えたのはえーりんということになっているが、実は違う。あの時点で月は元々欠けていたのだ。

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視線の禁忌、視ることの力というのは今更言うまでもないことだが、月とは夜空に浮かぶ目そのものであり、その光を浴びるもの全てを視る瞳である。

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即ち人間の暗がりからこちらを覗く「なんだかわからないもの」からの視線に対する畏れが形を成したものが月、満月だ。

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こちらを見ている「なんだかわからないもの」の起源を辿れば、それは朝倉山の鬼であり、即ち古くから連綿と日本に続く彼らの存在だった。しかし萃夢想の時点で鬼には名前がつけられてしまう。あの時に「月」は「砕」かれたのである。

どうみてもひつじ @neosaitamaaries

あの夏の宴会と異変で、幻の郷から失われた「わからないもの」への恐怖は、秋の竹林にて畏れを失った不死人たちの物語で完結する。こうして欠けた月は再び完全な瞳へと戻ったのだ。

どうみてもひつじ @neosaitamaaries

そんなわけでひつじは砕月が凄い好きです。おわり。なんだこれ……