NHKスペシャル「MEGAQUAKE 第2回 KOBE15秒の真実~その時地下で何が~」 書き起こし・ほぼ完全版

2011年1月17日に放送されたものが再放送されたので文字おこししています。
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冒頭のVTRです

とし @toshihiro36

<ナレーション> 地震発生の瞬間を再現した実験。時速1万kmで割れた活断層は摩擦熱が1千℃を超えていました。阪神・淡路大震災、広がっていたのは目を疑う光景でした。破壊されたビルや鉄道、あとかたもなく壊れた家々。6434人が亡くなりました。

2012-04-01 09:28:29
とし @toshihiro36

<ナレーション> 地震計が捉えた振動の記録。都市を破壊したのは、わずか15秒の揺れでした。なぜ多くの犠牲を出してしまったのか。15年前、活断層の存在を知りながら、警告を出せなかったことを悔やむ地震学者。神戸を原点に地震のメカニズム解明に取り組んできた研究者たち。

2012-04-01 09:33:21
とし @toshihiro36

<ナレーション> その協力を得て、私たちは15秒の実像に迫ることにしました。それを可能にしたのは、被災した人たちの証言です。家具が倒れ、家の下敷きになった瞬間を語った女性。倒壊した高速道路を走っていた男性は、異様な光景を目にしていました。15秒の記憶は強く刻みこまれていました。

2012-04-01 09:37:31
とし @toshihiro36

<ナレーション> 最新の科学によって再現する「神戸の15秒」。最新鋭のスーパーコンピュータ「地球シュミレータ」で解析しました。浮かび上がったのは、これまで見ることができなかった地下に潜むリスクです。

2012-04-01 09:42:10
とし @toshihiro36

<ナレーション> なぎ倒された木造住宅。激しい揺れを生んだ活断層の核心部分は2つあったことがわかりました。2度にわたる強い衝撃が被害を大きくしていました。 倒壊した高速道路、その足下には入り組んだ太古の地層が広がっていました。

2012-04-01 09:45:19
とし @toshihiro36

<ナレーション> 地下のリスクは複雑な揺れとなって姿を現し、人々を翻弄していました。巨大地震・MEGAQUAKE、拡大する都市その足下で確実に進むカウントダウン。最新の科学が地下に潜むリスクを解き明かそうとしています。世界が衝撃を受けた「神戸の15秒」その真実を見つめます。

2012-04-01 09:50:50

ここから本編です

とし @toshihiro36

<ナレーション> 地球上で絶え間なく起きる地震。光の点は過去40年の震源です。およそ10%が日本列島周辺に集中しています。4枚の巨大な岩盤・プレートがせめぎ合う境界で地震が起きるからです。さらに海から徐々に沈み込むプレートによって、内陸にもひずみが溜まっていきます。

2012-03-31 14:55:04
とし @toshihiro36

<ナレーション> こうして地震を引き起こす大地の裂け目、活断層ができました。その数はわかっているだけでも2000。都市の近くで活断層が動けば、甚大な被害が出ます。しかし活断層で地震が起きる周期は、数千年から数万年。長すぎる時間は、地震のメカニズムを解明することを阻んできました。

2012-03-31 14:59:55
とし @toshihiro36

<ナレーション> アジア有数の港町・神戸。海と山に挟まれた平野に150万人が暮らしています。背後に連なる六甲山の下には、活断層が走っています。港が開かれて100年余り、多くの人はあの日を迎えるまで大地震が起きない安全な場所だと信じていました。

2012-03-31 15:04:39
とし @toshihiro36

<ナレーション> 震災で亡くなった人が最も多かった東灘区です。密集した古い木造住宅が、次々と倒れました。崩れた家の下敷きになり息子を亡くした、庄野ゆき子さんです。庄野さん自身も10時間以上、家の下敷きになっていました。昭和18年に建てられた2階建ての木造住宅。

2012-03-31 15:13:12
とし @toshihiro36

<ナレーション> ベランダにあった物置き以外、あとかたもなく崩れました。隣の部屋にいた息子とは、わずか3メートルの距離が生死を分けました。

2012-03-31 15:17:45
とし @toshihiro36

庄野さん:亡くなった顔も姿も何も見ていません。それだけに…どう言ったらいいのか、ふんぎりがつかないというか、死んだと思いたくないんです、いまだに。

2012-03-31 15:20:21
とし @toshihiro36

<ナレーション> 神戸を襲った15秒の揺れ。よく見ると最初にわずかな振動が続いた後に、2度の強い衝撃が連続していることがわかります。2度の衝撃によって何が起きていたのか。家の構造や家具の配置、15秒の実像に迫るため庄野さんは当時の状況を一つ一つ思い起こしてくれました。

2012-03-31 15:25:27
とし @toshihiro36

<ナレーション> 浮かび上がってきたのは、知られざる地下のリスクがその上に暮らす人々の運命を翻弄するさまでした。

2012-03-31 15:28:12
とし @toshihiro36

<ナレーション> あの日は風の穏やかな寒い夜でした。瓦屋根の木造2階建て、庄野さんの家です。息子の聰さんとの2人暮らし。早くして夫に先立たれた庄野さんにとって、聰さんは頼もしい存在でした。息子のためにと洋風に改装したリビングで、夜遅くまで語らいが続きました。

2012-03-31 15:35:24
とし @toshihiro36

<ナレーション> 庄野さんが寝床に入ったのは深夜1時前。聰さんは「あと1~2時間仕事するけど、心配せんでええよ」と言い残していました。いつもと変わらぬ夜が更けようとしていたこの頃、地下ではある異変が起き始めていました。 神戸の西にある明石海峡の地下16キロ。

2012-03-31 15:40:10
とし @toshihiro36

<ナレーション> 2千年の間眠っていた活断層が、突如神戸に向かって割れ進んだのです。地震計が捉えた15秒の揺れ、最初はわずかな振動から始まりました。

2012-03-31 15:43:24
とし @toshihiro36

庄野さん: なんか小刻みにガ・ガ・ガ・ガと揺れるような…体に感じたので…息子を起こさなきゃと、布団に座りかけたんですね。

2012-03-31 15:45:50
とし @toshihiro36

<ナレーション> 揺れ始めて3秒後、ひとつめの強い衝撃が大地を揺さぶりました。凶器と化した家具、重さ100キロを超える仏壇さえも飛び跳ねました。

2012-03-31 15:48:31
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