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小久保せまき @semakixxx
次はー、かしわー、かしわです。
小久保せまき @semakixxx
まだまだ埼玉は遠いのでこないだの運賃ネタの続き。鉄道は安定企業だとみんな思ってる。鉄道は関連事業で儲けてるとみんな思ってる。そんな思い込みはどこから生まれてきたのだろうか。営団をベースに3〜40年の鉄軌道事業収支の推移を追っていくと見えてくるものがある。
小久保せまき @semakixxx
まず、鉄道事業が安定してキャッシュを生み出すのは(ある程度の部分までは)昔から共通した強みである。しかし、それを原資に新規事業を広げていけるようなものではなかった。減価償却費の範囲内での投資が精々で、輸送力増強にむけた積極投資もままならなかった。
小久保せまき @semakixxx
各社の鉄道事業が戦後具体的には1945年から1990年頃にかけて慢性的に赤字だったというのは前回触れたとおり。物価上昇に運賃値上げが追いつかず、そんな程度の運賃値上げすら国会で度々争点となり、公共料金抑制策のせいでなかなか認可されなかった。
小久保せまき @semakixxx
そういう意味ではバブル崩壊以降、経済成長が止まり、それどころかデフレに陥ったのは鉄道会社からすると非常に大きなことだった。しかし景気後退と共に輸送人員も減少し、90年頃をピークに2003年まで各社とも旅客数は減少している。特に関西圏は阪神淡路大震災の影響も見逃せない。
小久保せまき @semakixxx
その後は地域によって明暗が別れる。阪神淡路大震災以降人口減少にも歯止めがかからずJRに旅客を奪われっぱなしとなる近畿圏の私鉄に対し、リーマンショックまで続く実感なき経済成長と都心回帰で輸送人員が再びバブル水準まで回復する関東圏の私鉄の大きな格差である。
小久保せまき @semakixxx
元来鉄道は労働集約産業であり、1960年代は鉄道事業の経費の50%近くを人件費が占めていた。また経済成長にあわせてベースアップが要求され、しかし運賃収入は物価上昇率に連動しないというジレンマが続いた。もう一つ、鉄道は先行投資型の事業であり資本費(利払い)負担も大きい。
小久保せまき @semakixxx
ここで1990年以降の日本経済が大きく影響してくる。一つは経済停滞による長期金利の低下。これにより各社は債務の借り換えを行い利払いを相当軽くした。もう一つは7〜80年代から次女に始まっていたが機械化の進展。券売機、自動改札機の導入で人件費率は30%後半まで落ちてくる。
小久保せまき @semakixxx
話を関東私鉄に絞れば、都心回帰による運賃収入の増大とコストカット、人件費、利払いの現象による経費の削減、これにより企業体質は大幅に改善し、大きなな運賃改定無しで、鉄道事業についても毎年100億以上の純利益が出るまでに回復している。これはJRについてもほぼ同様の傾向である。
小久保せまき @semakixxx
こうして90年代の景気悪化以降にむしろ鉄道会社は体質を改善してきた。特に国鉄からJRへの「変化」はその代表例として国民の意識に強く刻み込まれた。かくして鉄道は安定的企業だと認知されるに至る。しかし昭和40年代に国鉄に入ろうとしたら何と言われていたであろうか。
小久保せまき @semakixxx
一方、バブルのツケとしてその後10年に渡って日本企業を苦しめた不良債権、これは鉄道会社にとっても他人事ではなかった。特にレジャー開発などで東北や北海道など地方の土地開発に手を出した私鉄は漏れなく苦境に陥った。不動産開発に失敗し倒産寸前まで追い込まれた京成の例などが有名である。
小久保せまき @semakixxx
ちなみに京成の例はバブルよりも遥か昔のことであり、この手の話は私鉄にはよくあることでもあった。それが全体的に顕在化したのがバブル崩壊だったということだ。これにより各社は子会社、関連会社の整理を始め、東急や阪急は本体に貢献しない関連企業をバッサバッサと切り捨て、半分近くになった。
小久保せまき @semakixxx
そもそも利用者が鉄道の運賃値上げに懐疑的な目を向けていたのは、不動産投資など関連事業の失敗を運賃収入で補おうとしているのではないかと疑っていたからである。だから民営鉄道協会は「大手民鉄の素顔」というパンフで「私たちはみんな赤字で苦しいんです」という前代未聞のアピールを始めるのだ。
小久保せまき @semakixxx
このあたりは高度成長期、オイルショック後、バブル崩壊後で議論を分けるといいだろう。すべては物価上昇と運賃収入のギャップから生じている。鉄道は苦しんだが関連事業がそれを補った高度成長期。関連事業に陰りがさして苦境を迎えながらも合理化を進めるオイルショック後。そして前述のバブル後。
小久保せまき @semakixxx
私鉄経営といえば関連事業(外部経済の内部化)とみな思っている。かつては確かにそうだった。しかし今、鉄道系の小売部門で順調な利益をあげているところなどほとんどない。売上を膨らませているだけのことだ。売上費でみるから見誤るので有る。
小久保せまき @semakixxx
最近は駅ナカ開発など華やかしいが、駅周辺や内部の開発には莫大な費用と手間と時間がかかる。費用の大部分を鉄道科目に付け替えないと利益は出ないはずだ(もちろん名目はしっかり立てているだろうが)。これからの鉄道は関連事業だ! そういった風潮もまたJR後のことだろうか。
小久保せまき @semakixxx
所詮「鉄道屋の商法」である。長い歴史を持つ東急、阪急などの百貨店はともかく、その他のデパート、ストア系事業の強みは沿線に密着している以外の何物でもなかった。チェーン店が進出してきたらその土俵で戦うのは至難の技だ。事実、東急は白木屋、JRはマルイなど外部のノウハウを持っているのだ。
小久保せまき @semakixxx
鉄道業界は決して安定的ではない。利用者が減り、金利がハネ上がればあっという間に元の赤字体質に落っこちる。実際に利用者の現象によって関東圏以外の大手私鉄はかなり苦しんでいる。関東圏の私鉄もいつかその日がやってくる。しかしその時は同時に日本(東京)も終わりだという変な楽観もまた有る。
小久保せまき @semakixxx
なんて事を鉄道屋に話しても多分ほとんど話が通じないだろう。彼かには知識も危機感もない。己の立ち位置もわからない。僕の運賃論、経営論は付け焼刃でしかない。専門でも何でもない。歴史の根底として抑えてるだけ。だからこそ、歴史を断絶している鉄道会社(というか弊社?)に腹が立つのだ。終。
小久保せまき @semakixxx
おしなべてインフラ企業は地域独占と引き換えの運賃認可制、そして公共料金抑制策にかなり足かせをはめられた面は否めないでしょうね。 RT @emesh: 小久保さんの鉄道運賃の話は電力料金にも通じるところがあるなあ。
小久保せまき @semakixxx
とか書いてるうちに春日部に着いたー!

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