ザ・ファンタスティック・モーグ #3

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
書籍 文学 ニンジャスレイヤー
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第三部「不滅のニンジャソウル」より:「ザ・ファンタスティック・モーグ」 #3
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(あらすじ:暗黒非合法探偵のニンジャスレイヤーは、ある日、ニンジャに襲われていた老婆、モナカ=サンを助け出した。なぜ老婆がニンジャに命を狙われねばならないのか?彼とナンシー・リーが探り当てた疑惑の煙は、モナカの息子、ヒトミ=サンに行き着く。ヒトミは死んでいた。それもつい最近に。)
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(ヒトミは大企業サラカイカ・ヘクト社に勤めていたが、不審死を遂げ、会社の墳墓に社葬されたばかり。モナカ=サンがニンジャに狙われるようになったタイミングはヒトミの死と一致する!ナンシーは秘書となってサラカイカ社に潜入!一方その頃ニンジャスレイヤーは!?)
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ゴウンゴンゴウン……ゴウンゴウンゴウンゴウン。黄色と黒の警戒色ペイントで注意を促しながら、路面清掃車が轟音とともに時速15キロ弱で道路を走り過ぎる。運転席ドアには控えめなウキヨエと、「アイドリングストップ」という社訓がショドーされている。 1
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既に日は落ち、上空には広告ビジョンを光らせるアズモ・トータル・エンタープライズ社のマグロツェッペリンが浮かび、地上に広告サーチライトを投げかける。路面清掃車は重苦しい稼働音を鳴らしながら、廃墟めいた瓦屋根の屋敷の前を通過した。 2
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屋敷?否、これは屋敷では無い。たしかに武家屋敷に似ている。塀もある。だが見よ、その軒先にはノレンが渡されている。ノレンには「男」「女」「仏」の三文字。これは、日本人であれば一目でわかる施設だ。セントーである。だがそのPVCノレンには汚れが染みつき、瓦は砕けている。廃墟なのだ。 3
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「エッサ!エッサ!」闇の中から規則正しい掛け声が聴こえてくる。やがて現れたのは、競輪選手めいたボディースーツに身を包み、ハイ・テック・バックパックを背負ったヒキャクだ。ヒキャクとはパルクール訓練を積んだメッセンジャーの事で、複雑に入り組んだ都市の物流を支える重要な職業だ。 4
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彼らは車もバイクも自転車も用いる事はない。己の脚力で……そして高機動ボディースーツ、あるいは高価な呼吸器系サイバネティクス手術の助けを借りて、建物を渡り、電信柱を上り、道路を駆け、物品を指定の配達先へ届けるのだ。プロの仕事であった。「エッサ!エッサーッ!」ヒキャクが立ち止まる。5
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彼が立ち止まったのはセントー廃墟の前だ。バックパックが合成マイコ音声を発する。「投函ドスエ」そしてバックパックの側面ハッチが開く。ヒキャクは素早く手を差し出し、ハッチから射出された郵便物を手に取る。カエルの形に折られた白い紙……電信オリガミ・メールだ。 6
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電信オリガミ・メールは、IRCで電信センターへ送信されたメッセージをオリガミ・メールに物理プリントアウトし配達するサービスで、通常、送信者の情報がオリガミに記載されないのが特徴だ。ヒキャクはカエルオリガミをセントーの郵便受けに投函しようとした。ブガー!『実際廃墟な』のアラート。7
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「エッ?何だよ」ヒキャクは毒づいた。「うん、廃墟か」彼はオリガミメールを配達不能ポーチにしまい、次の目的地めがけ走り出そうとした。「エッサアイエエエ!」いきなり目の前に飛び降りてきた濃紺の人影に行く手をふさがれ、ヒキャクは仰向けに倒れた。ヒキャクは目を剥いた。「アイエエエ!」8
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その人影は……ナムサン、濃紺の装束を着たニンジャだ!メンポの奥でギラリと残虐な目が光り、ヒキャクを射すくめる!ニンジャは1メートル以上の長さがある鋼鉄のキセルを威圧的にヒキャクの首筋に翳し、脅した。「フー……そいつを渡せェ、オリガミを!」「アイエエエエ!」ヒキャクは失禁! 9
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ヒキャクの耳元で、巨大キセルの先端が威圧的に赤熱!耳たぶが焼ける!「アーッ!アーッ!」嫌な臭いと煙が噴き出す!「渡せェーッ!」濃紺のニンジャはさらに責め立てる!「アイエエエエー!」ヒキャクの心は折れた!カエル・オリガミを震えながら差し出す。プロ意識の敗北!ナムアミダブツ! 10
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「フー。手間かけさせやがって……」濃紺のニンジャは赤熱するキセルをいきなりヒキャクの頬に押し当てた。「アイエエエ!?アバーッ!?」な、なんたる非道!肉が焼ける嫌な音と悲鳴が、人気の無い通りに木霊する!濃紺のニンジャはヒキャクを踏みにじり、オリガミを開いた。「ウーン?」 11
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濃紺のニンジャは書かれた電信文を読み、首を傾げた。「何だこりゃあ?ナメやがって」そして、踏みつけにしたヒキャクを睨み下ろした。「ヌカ喜びさせやがって。とにかくお前は目撃者として生かしておかぬ。最初からそのつもりよ」「アイエエエ?」ナ、ナムアミダブツ! 12
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ヒキャクはニンジャの足で仰向けに地面に押さえつけられ、涙目で夜空を見上げた。電線が逆さまに見下ろしている。「……?」彼は目を見開いた。何かが……電線を飛び渡ってきて……。「イヤーッ!」 13
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「ヌウッ!?」濃紺のニンジャは一歩後ずさり、今まさにアワレなヒキャクをいたぶり殺そうとしていたキセルを構えて警戒した。クルクルと回転しながら落下してきた赤黒の影がヒキャクを挟んで反対側へ着地した。この者もまたニンジャだ! 14
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「アイッ、アイエエエエ!?」ヒキャクは身を起こし、前の濃紺ニンジャと後ろの赤黒ニンジャを見比べて再失禁!「ドーモ」赤黒のニンジャはヒキャク越しに濃紺ニンジャに向かってアイサツした。「……はじめまして。ニンジャスレイヤーです」「何ッ!?」濃紺のニンジャは狼狽した。 15
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「こいつがニンジャスレイヤー……?何故ここに……」だが彼はすぐに気持ちを切り替え、ヒキャク越しにアイサツを返した。「ドーモ。はじめましてニンジャスレイヤー=サン。クルーエルアイアンです」「アイエエエ!」殺気に挟まれ、ヒキャクは前と後ろを交互に見て失禁し続ける! 16
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「何の用だ」「オヌシの事は殺す」ニンジャスレイヤーは即答した。「と……」クルーエルアイアンはぞくりと震えたのち、キセルを振り上げた。「と……ともかく貴様も目撃者という事でこのヒキャクともども熱いキセルで殴ったり先端を押し当てて苦しめた後に殺してくれるわーッ!イヤーッ!」 17
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振り下ろされるキセル!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは内回し蹴りを繰り出し、キセルを弾き返す!その勢いで回転し、後ろ回し蹴りを繰り出す!「イヤーッ!」「イヤーッ!」クルーエルアイアンは得物を立ててガード!「アイエエエ!」両者に挟まれ、這いつくばって震えるヒキャク! 18
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「とっとと逃げるがよい!」ニンジャスレイヤーはクルーエルアイアンにチョップを繰り出しながら、足元で這いつくばるヒキャクを叱責した。「アイエエエ!」ヒキャクはぶつかり合う二者のカラテの中から這い出し、失禁しながらダッシュして、闇の中に駆け去って行った!「アイエエエエー!」 19
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「イヤーッ!」クルーエルアイアンがキセルで鋭い突き攻撃!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはブリッジでこれを回避!「イヤーッ!」そこから両足を跳ね上げ、プロペラめいて回転させて蹴った。「グワーッ!」クルーエルアイアンは突き直後の腕を蹴られ呻く。手を離れて宙を飛ぶキセル! 20
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「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは宙に高く浮かんだキセルを追うように垂直に跳躍した。そして空中で身体を捻じり、ゴウランガ!キセルをオーバーヘッド・キックした!「イヤーッ!」空中からクルーエルアイアンめがけ、投槍めいた勢いでキセルが飛ぶ!「グワーッ!」額を直撃! 21
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クルーエルアイアンは己の得物に額を割られ、鮮血を噴き出しながら後ずさった。ニンジャスレイヤーがツカツカと近づく。クルーエルアイアンはキセルを構え直した。「クソッ!ニンジャスレイヤーだと?ベイン・オブ・ソウカイヤが何だというのだ!あれをやったのはザイバツだ、俺は詳しいんだ!」 22
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2012年4月6日
ザ・ファンタスティック・モーグ #1 http://togetter.com/li/279174 ザ・ファンタスティック・モーグ #4 http://togetter.com/li/284061
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