高橋源一郎「午前0時の小説ラジオ」第四回~「学生たちに教わる、子どもたちに育てられる、自分の作品の読者になる」~

いつも一緒に小説を読んでいる学生たちについて話しておきたいと思ったからでした。彼らと共に本を読むことは、いつも素晴らしい体験です。それは「読む」ということについて、様々な発見をぼくにさせてくれるのです。その理由について、今晩は考えてみたいと思っています。
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高橋源一郎 @takagengen

@edouard_edouard 「シラバス」の件に関しては、あなたの意見が正しいと思います。ぼくは「シラバス」の中でたとえば「26回の授業計画を全部書け」という部分で「ありえない!」と思っただけです。現にある制度は「できるだけ有効に利用する」べきですから。ありがとうございました

2010-06-07 08:36:23
高橋源一郎 @takagengen

@edouard_edouardさんへ 「シラバス」の件でもうひとこと。さきほどのツイートのように考えているので、ぼくは「シラバス」には、こちらからのメッセージを伝える内容を書くようにしています。実際の授業とはまるで違うわけなんですが(「授業計画」を書かなきゃいけないので)。

2010-06-07 07:26:51
高橋源一郎 @takagengen

@edouard_edouardさんへ。シラバスが必要な場合、有益な場合があることは承知しています。ただ逆に、シラバスが必要ではない場合もあって、意味のないシラバスを(規定があるので)書かなければならないのは、教師にとっても学生にとっても時間の無駄だ、と考えています。

2010-06-07 07:19:40
高橋源一郎 @takagengen

ありがとうございます。いますぐ抱きしめてあげてください! RT @singstyro @takagengen 『「悪」と戦う』拝読しました。隣でくーくー寝ている息子を抱きしめたい気持ちになりました。一気読みでコーフンして眠れませんので、一言お礼を。

2010-06-07 02:17:31
高橋源一郎 @takagengen

「その通り!」とおっしゃいました。「じゃあ、ぼく書かないよ」といったら「それでいいです」と。上がどう思おうと、官僚さんは、粛々とやらせるんでしょうが。「生きた授業」に「シラバス」なんか害毒です。それぐらい、みんなわかってると思いますが。

2010-06-07 02:07:55
高橋源一郎 @takagengen

@histamineYさん、大学でも「シラバス」は書かされます。あれは(少なくとも人文系では)意味ないと思ってます。なので、なるたけ書かないようにしています(だから、しょっちゅう文句いわれます)。この前、鈴木文科省副大臣に「シラバスなんかいらないじゃん、なにあれ?」といったら、

2010-06-07 02:05:06
高橋源一郎 @takagengen

RT @histamineY @takagengen 数年前から高校では、年度当初に「シラバス」を示せというお上のお達しのもとに動いています。すべてかちりと設定されたルールの説明を受けることが、たぶん平成の若者の受けてきた初等中等教育の世界です

2010-06-07 02:02:11
高橋源一郎 @takagengen

ほんと面白いですよね。『これから』はゼミで使う予定です。どんな「ゾーン」に入れるか楽しみ です RT @tomikawan 『これからの「正義」〜』編集担当の富川と申します。ちょうど『「悪」と戦う』を拝読しているところで、ご高著とのリンケージにはっとしております

2010-06-07 01:51:30
高橋源一郎 @takagengen

小説の中って森みたいですよ。 RT @shanti_aghyl きこりをやっていますが、耳を澄ますという感覚はすごくわかります。毎日同じ場所を見て、耳を澄ます。自己主張の高い伐採をすると必ず痛い目に合うし、出来上がった森もちぐはぐになる。没入する感じというか、埋め込まれている感じ

2010-06-07 01:42:58
高橋源一郎 @takagengen

まだ経験はないけど、可能性はありますね。 RT @ceu12490 @takagengen 会話によっては、先生の仰る「ゾーン」に入る感覚は、なんとなくわかる気がします。先生は「ゾーン」はたとえばtwitterでも可能だと感じていますか?

2010-06-07 01:37:56
高橋源一郎 @takagengen

ひとこでいうと「(この社会で生きていくための)サバイバル能力の向上」でしょうか。 RT @vagabund1110 いつも楽しみに聞いてます!少しお伺いしたいのですが、その授業やゼミの目的はどこにあるんでしょうか?私のゼミ(経営学)のゼミの目的は「論理的思考能力」の向上です

2010-06-07 01:35:32
高橋源一郎 @takagengen

@itoi_shigesato ども。糸井さんに読まれてると思うと、緊張するんですよね。こっちこそ、マジで。って、いま、果汁グミ食べながら、パソコンの前です。

2010-06-07 01:28:56
高橋源一郎 @takagengen

「教わる」23…それは、通日前ツイートしたように、「政治的アクション」の原則に「自分の意見を変える」というものを入れたことにも繋がっています。我々には多くの能力があります。そして、それは、常識によって、使われないままになっているだけなのです。今日はここまで。ご静聴ありがとう。

2010-06-07 01:05:09
高橋源一郎 @takagengen

「教わる」22…それは、個人が集団の中に解消する、ことを意味するわけではありません。しかし、「教える」「教わる」の中には、我々をさらに遠くへ導くことのできる力が、通常知られているものとは異なった能力がある、とぼくは思っています。

2010-06-07 01:01:39
高橋源一郎 @takagengen

「教わる」21…自分でも知らない場所、未知の経験にたどり着くことこそ、「知性や特性」の目標ではないでしょうか。そして、そのためには「筋力」を鍛えるように、訓練をしなきゃならない。もちろん、ひとりでできる訓練もあります。密かに、知性を鍛えるのです。しかし、それだけでは足りないのです

2010-06-07 00:58:26
高橋源一郎 @takagengen

「教わる」20…では、「ゾーン」は特殊な体験でしょうか。いや、そんなことはありません。作家は、小説を書く時、物語を考えたり、描写をどうしようと考えたりばかりしているわけじゃありません。自分の作品の中で、静かに「耳を澄まし」、そこで何が起ころうとしているのか探っているのです。

2010-06-07 00:55:51
高橋源一郎 @takagengen

「教わる」19…もう一つは「『私』が薄くなっている」ということです。「耳を澄ます」を、別の言い方にしたといってもいいかもしれません。ふだん、我々は「自分」を主張します。「自分の意見」を聞いてもらいたがる。でも、それでは「ゾーン」に、というか「集合知」にたどり着くことはできません。

2010-06-07 00:53:14
高橋源一郎 @takagengen

「教わる」18…「ゾーン」では何が起こっているのでしょう。おそらく、二つのことが起こっています。一つは、その中にいる者はひたすら「耳を澄ませて聞こうとしている」のです。もちろん、それは「考えている」と言い換えてもかまいません。でも、ぼくは「耳を澄ませて聞く」の方が近いと思うのです

2010-06-07 00:50:38
高橋源一郎 @takagengen

「教わる」17…学生たちは感想を言い合い、自分の体験を語り、そして、言葉によるコミュニケーションの持つ本質的な無力さと、それにも関わらず、言葉しかコミュニケーションの手段がない人間の存在について語りました。きわめて深く。しかも、ぼくは、ほとんど一言もしゃべる必要がなかったのです。

2010-06-07 00:47:36
高橋源一郎 @takagengen

「教わる」16…その時、ぼくは、長く付き合ったふたりが、数日前に修羅場の果てに別れた直後だということは知りませんでした! ふたりが読んだ「ラブレター」は、すさまじい愛の葛藤の実況報告でした。教室は一瞬凍りつき、重苦しい雰囲気に包まれ、それから、突然、「ゾーン」に入ったのです。

2010-06-07 00:45:01
高橋源一郎 @takagengen

「教わる」15…「言語表現法講義」という授業(『13日間で「名文」を書けるようになる方法』というタイトルで本にしました)で、こんなことがありました。その時は「ラブレター」を書かせる授業でした。書かせたものは、本人に読ませます。ぼくは、ぼくのゼミの学生ふたりに読ませました。

2010-06-07 00:42:31
高橋源一郎 @takagengen

「教わる」14…そんな授業が終わると、生徒たちは、すっかり興奮して「先生、なんかすごかったね」とか「先生、90分でこんなに真剣に考えたのは生まれて始めて」とか「どうしよう、ふつうに生きていけない」とかいいます。みんな、ぼくが「教えた」のではなく、全員で作り上げた「ゾーン」のせい。

2010-06-07 00:39:40
高橋源一郎 @takagengen

「教わる」13…授業中に「ゾーン」に入ることがあるのです。面白い小説の面白い部分、あるいは謎めいた部分について、考えつづけている。誰があることをいう。それは鋭い。別の誰かが、その意見、さらに飛躍させるような意見をいう。みんながうなる。すると、また別のところから。すべては即興です。

2010-06-07 00:36:59
高橋源一郎 @takagengen

「教わる」12…そのような真摯な態度の選考委員たちが討議をしていくと、不思議なことが起こります。まず、ひとりでは思いもつかなかった考えが生まれ、やがてその考えがまるで自分が考えたかのように強い確信を持って、自分の中で生きるようになる。ぼくはそれを「ゾーンに入る」と呼んでいます。

2010-06-07 00:34:22
高橋源一郎 @takagengen

「教わる」11…「この作品については自分でもよくわからないところがあります。今日はみなさんの話を聞いて考えたいです」、これです。これは、決して無責任な態度ではありません。全身全霊で読んでなお、未解決の部分がいくつもある。これは、ある意味で、優れた作品の特徴でもあります。

2010-06-07 00:30:56
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