彼らは大きい。「体長2-3m、体重70kgに到達する時点で大きいだろう。なにを当たり前の事を……」と思ってしまったあなたは、まだ彼らに対する理解が足りないと言わざるを得ない。彼らの大きさは体格だけには止まらない。僕はもはや『生物』としてのスケールの大きさに畏怖するばかりである。
2010-06-10 20:39:16今まで発見された(と言うか測定できた)最大全長313cm。最大体重166kg。動物食でありその貪欲さは恐るべきもので、哺乳類のみならず、鳥類や昆虫、そして爬虫類。食べられるものはすべて食べる。もちろんこれらの卵や腐敗した死骸を食べる事もある。それどころか自分たちの幼体すら襲う。
2010-06-10 20:42:32デカイだけでも脅威だと言うのに彼らは毒腺すら有する。普通の毒蛇などは毒を注入する能力の代わりに牙の強度を失っている。だがコモドオオトカゲは違う。そのステーキナイフのような姿の牙は強度を落としていない。歯の間から毒を分泌し、引き裂くと同時に毒を傷口に送り込むと言うシステムなのだ。
2010-06-10 20:46:23また他の多くのオオトカゲ同様に、口中のバクテリアも毒となる。ライオンでさえも別種のオオトカゲとの戦いを避けるほどであるから、これに加えて自らの毒まで持つコモドオオトカゲには力だけでは抵抗できない。噛まれたら最後。彼らに毒と出血により体力を失い、死ぬまで追い続けられる事となるのだ。
2010-06-10 20:50:01噛みつかれた動物は大型の水牛でさえ24時間程度で死に至る。また彼らが一度に摂食できる量は、自分の体重の80%にも及ぶ。そして変温動物なので一度食べればしばらくは食べなくても生き抜くことが可能である。だがコモドオオトカゲという生物のスケールの大きさは、むしろこれからが本番である。
2010-06-10 20:54:48哺乳類が他の動物に対して鳥類の次点に優れているのは、酸素を取り込む能力だ。これは心臓の構造もさることながら、赤血球の形状が影響している。哺乳類の赤血球は核がない。そのためドーナツ状であり表面積が広く、結果として酸素の運搬能力を高めている。だがコモドオオトカゲはスケールが違った。
2010-06-10 20:59:12どうスケールが違うかというと、彼らの赤血球は単純に大きい。本当に大きい。また運動中には乳酸量が増加し、これも赤血球の酸素運搬能力を向上させる。そのため彼らは爬虫類でありながら、なんと最高で時速30kmの速度を獲物を追い続けることすら可能なのだ。哺乳類を補食できる理由はそこにある。
2010-06-10 21:04:27なにせ元々は体高150cmのピグミーゾウをこの戦闘力で捕食していたのだ。ヤギや水牛、ブタなどの人間が連れてきた他の哺乳類では、コモドオオトカゲにまともに勝てるわけがない。もちろん人間もまともに勝てない生物に含まれる。そのため、たまに襲われてコモドオオトカゲ研究者は食われてしまう。
2010-06-10 21:07:53@KITEis メス単体での飼育下において産卵した卵が正常に発生した、という一昨年のNatureの記事だと思います。それによると、減数分裂の異常によって単相(n)になるはずの卵が複相(2n)になってしまい、発生したと。
2010-06-10 21:24:49なるほど。単為発生した場合、全部遺伝子がホモなんですね。だからオスのみになる。これはメスしかいない地域などが発生してしまった場合の、緊急処置的なシステムなのかな。爬虫類はうっかりすると性別が偏るので、理にかなっていますね。@gamera1999
2010-06-10 21:34:28@KITEis ただZW型のコモドからは雄しか生まれないので、結局今度はオスばかりでその代でストップしてしまいますね。単為生殖だったら、雌を生み続けないといけないかと。
2010-06-10 21:43:05