ストライクウィッチーズの「ズボン」について

パンツじゃないから恥ずかしくないのはいいんだけど、それ以前に「足を剥きだしていることの合理性」について、なんとなく考えてみた。 混乱してはいけないので、トラウザースの意味の単語は青、女性用ショーツの意味の単語は赤で色分けする。
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smw @Shi_MeiWo

整体に行くまでの間、くだらないことをまじめにつぶやいてみよう

2012-03-31 16:13:55
smw @Shi_MeiWo

お題:「『ストライクウィッチーズ』のズボンについて」

2012-03-31 16:14:38
smw @Shi_MeiWo

ズボン、英語ではパンツ。これは伝説の道化師「パンタロン」が着ていた衣装で、実際に機能的な着衣だったため、一般の着衣となったという。彼の名をとって「パンタロン」と呼ばれた。略して「パント」、両脚を通すため複数形で「パンツ」。

2012-03-31 16:17:23
smw @Shi_MeiWo

さて、それではパンタロン出現前に、両脚を通す筒状の着衣はなかったのだろうか? 実はある。我々もよく知る「袴(はかま)」だ。

2012-03-31 16:19:48
smw @Shi_MeiWo

パンツ(ズボン)も、下半身の、もっとも外側につける、股座(またぐら)のついた着衣。でもこれは、考えてみればとてもおかしな形状ではないだろうか? 巻きつけて帯で留めるのとはワケが違う。わざわざ足にまとわりつかせるように縫製するのは、大変な労力だ。なぜこんなマネを?

2012-03-31 16:23:31
smw @Shi_MeiWo

わざわざ作るからには、必要があったからということだ。ここでこの形状の着衣を着用していた者たちを考えてみよう。

2012-03-31 16:25:36
smw @Shi_MeiWo

アジア大陸東部(騎馬民族から中華圏へ流入)、中央アジア、西アジア~東ヨーロッパ……。お気づきだろうか? ユーラシア大陸の中央部から広がるように伝わっている。

2012-03-31 16:28:39
smw @Shi_MeiWo

コサックダンスもズボンがあってこそだし、突厥(チュルク)の戦士もズボン。モンゴル~中国 ~日本と伝わったは、裾でくくってまるでニッカボッカのように運用していた。もうお分かりだろう。それは「馬」の存在なのだ。

2012-03-31 16:30:50
smw @Shi_MeiWo

逆に騎馬の週間がなかった者たちは、ギリシャやローマ、アフリカの衣装を想像してもわかるように、長い布を体に巻き付け、その華やかさを競うようになっている。戦士は腿をむき出しにし、大きな盾と長い槍で突っつきあうというスタイル。

2012-03-31 16:33:23
smw @Shi_MeiWo

彼らのむき出しの腿で、馬に乗るわけにはいかない。敵陣に付く前に腿の内側が馬の背で切れて血だらけになってしまう。かと言って日常着ているふんわりした衣装では、馬に「またがる」という動作が出来ない。結局裾をからげて、脚を剥き出すしかない。

2012-03-31 16:35:44
smw @Shi_MeiWo

先に書いた、「下半身の、もっとも外側につける、股座(またぐら)のついた着衣」とは、つまるところ「馬に乗るための着衣」なわけである。

2012-03-31 16:36:44
smw @Shi_MeiWo

さて、古代のやんごとなき人達は、馬に乗る人間を「野蛮人」と蔑んでいた。ギリシャのケンタウロスは暴虐で野蛮な亜人として描かれるが、これは騎馬民族に対する蔑視が形になったものといえる(だからこそ騎馬民族で医師となったアスクレピオスが特例で「ケンタウルス座」に祀り上げられたのだ)。

2012-03-31 16:40:19
smw @Shi_MeiWo

だが、いくさにおいて機動力が重要になると、彼らも馬に乗らないでいられなくなる。最初は戦士たちがズボンを履いた。そして気づいたのだ。「なんと動きやすい着衣なのだろうか」と。そう、『パンパカパンツ』で言われている「ぐんぐん元気があふれてくるのさ」なのである。

2012-03-31 16:42:55
smw @Shi_MeiWo

股座は剥き出すより、脚を別べつに布で覆っていたほうが、汗による蒸れもないし、激しい動きによるスレも起こりにくい。これは脚を動かしやすいということにつながり、武術では「蹴り技」の隆盛を生むことになる。

2012-03-31 16:45:35
smw @Shi_MeiWo

女性におけるズボンがながらく発達しなかったのは、「女性は激しい動きを必要としない」という文化的なパラダイム(思い込みによる障壁)が働いていたためだろう。

2012-03-31 16:48:34
smw @Shi_MeiWo

さて、時間もなくなってきたので、まとめよう。

2012-03-31 16:49:57
smw @Shi_MeiWo

ストライクウィッチーズの世界で、女性が我々で言うショーツのままで行動することは、一定の理はある。「女性は激しい動きを必要としない」という古い考えがあるなら、我々で言うズボンは必要としないからだ(スカートがないだけ)。

2012-03-31 16:51:34
smw @Shi_MeiWo

しかし、激しい動きを必然とする作業、例えば農作業ではモンペが必要なように、いくさを担当する兵士たちは、我々で言うズボンは必要である。その意味で彼女らのいでたちは、部屋着で戦場に立つようなちぐはぐさがあろう。

2012-03-31 16:53:38
smw @Shi_MeiWo

さらにいえば「ストライカーユニット」なる魔力的な飛翔義足は、両脚を深くはめ込まねばならない。腰まで覆うならともかく、腿と義足の接点をむき出しにして高速移動するのは、たとえ男の鍛えた肌でも床ずれになってしまうだろう。「トレンチフット」ならぬ「ストライカーサイ」という病気が蔓延する?

2012-03-31 16:57:12
smw @Shi_MeiWo

トレンチフット(塹壕足)とは、低音で湿気の多い塹壕で戦う兵士が、水虫や凍傷によって足に血行障害を起こし、ついには壊死してしまう病気。第二次大戦で、米軍の日系人だけで組織された最前線部隊も、塹壕足に悩まされたという。

2012-03-31 19:18:07
smw @Shi_MeiWo

低温で酸素の少ない、ほんらい航空兵器が活躍する環境で、金属機構に直接はだかの脚を突っ込み、最前線で急加速や急停止を繰り返す戦いを続けていれば、同様の血行障害を腿(サイ)に引き起こすだろう。それがさっき俺が命名した「ストライカーサイ」(striker thigh)という病気だ

2012-03-31 19:23:21
smw @Shi_MeiWo

無論、彼女らのような魔法使いでなくても、兵舎における生活は重量物の運搬を伴うものであり、脚を剥き出すのは怪我の元。男性兵士と同じように、入浴と就寝時くらいしか脚を出すことはしないのが合理的だ。

2012-03-31 19:27:58
smw @Shi_MeiWo

んでもって結論。「君等が身につけているのはショーツだから、軍隊内では男と同じようにズボン履かないと怪我をするよ」 そして 「ストライカーユニットはせめて腰骨で支えるように作らないと病気が蔓延するぞ。あの子達が脚の壊死自慢するシーンなんて観たいかい?」

2012-03-31 19:33:13