整備兵氏(@seibihei)による「戦術の基礎(D. Wyly海兵隊大佐)」("Maneuver Warfare Handbook"付録)翻訳・第5課―2

目次:http://togetter.com/li/269377 予備隊という言葉には二線級とか、頼りにならないとか、そんなイメージがつきまとう。 だがそんな事はあってはならない。予備隊こそが勝敗を決する最重要の存在なのだ。
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名無し整備兵 @seibihei

昨夜終わるはずだった第5講、あと少しなので最後までいこう。

2012-04-01 10:15:06
名無し整備兵 @seibihei

ここまで、我々は作戦指揮官がどのように予備を運用するか議論してきた。今度は、予備隊の指揮官の立場に立ってみよう。彼は予備に指定されたいくつかの部隊における先任指揮官か、或いは作戦部隊の副指揮官であろう。

2012-04-01 10:18:19
名無し整備兵 @seibihei

いずれにせよ、予備隊が投入されるまでの間、彼の主たる任務は状況をよく承知しておくことだ。そのためには、戦闘の間、指揮官と行動を共にするのが良い手段となる。

2012-04-01 10:21:46
名無し整備兵 @seibihei

予備隊の指揮官は、状況を承知しておくために、部隊を副隊長か次級の指揮官に任せ、常に指揮所に詰めておくのだ。予備隊が投入された時には、その次級者は予備隊指揮官と落ち合う場所に部隊を向かわせるよう指示される。

2012-04-01 10:27:49
名無し整備兵 @seibihei

攻撃部隊の指揮官と比べると、予備隊の指揮官は特殊な立場にあることは明確に理解してほしい。任務戦術形式の命令と下級部隊に期待される高いレベルの主動性が必要となる。

2012-04-01 10:31:06
名無し整備兵 @seibihei

連隊長の立場に立ってみよう。予備隊の指揮官は君の掌握下にある。攻撃部隊はそれぞれ主動的に攻撃しており、戦果を拡張している。彼らは前線に投入され、戦闘続行中である。しかし、予備隊は君の掌握下にある。

2012-04-01 10:39:11
名無し整備兵 @seibihei

この予備隊を決定的な瞬間に投入するのは、指揮官の責務である。これは、君の天才を示して勝利するか、天才でないことを示して敗北するかを試す機会である。いずれにせよ、その責任は君にある。

2012-04-01 10:42:04
名無し整備兵 @seibihei

規則化するのは避けよう。予備隊に地域を指定し、「これこれの状況が発生したら攻撃せよ」と任務を与えることが望ましい場合があるかもしれない。しかし、これはノルマではない。予備隊を投入する決定的場面になれば、君には戦争の天才があることを示す責任があるのだ。

2012-04-01 10:52:07
名無し整備兵 @seibihei

今まで数十年間、海兵隊の大隊が行ってきた野外訓練では、予備隊に指定される部隊の指揮官には、通常、最も攻撃的ではなく、最も経験がなく、最も信頼できない幹部が充てられていた。この考え方は変わらなければならない。

2012-04-01 10:55:09
名無し整備兵 @seibihei

予備隊が決定的瞬間に投入される以上、予備隊の指揮官は最も信頼できる幹部でなければならない。戦闘の勝利を決定する任務を与えられるのが予備隊指揮官なのだから。

2012-04-01 10:57:41
名無し整備兵 @seibihei

予備隊に指定されることで傷つくような心理は、根絶されるべきだ。それが残っていると、部隊はその任務を疑い、指揮官も予備隊の本来の役割に気づかなくなる。

2012-04-01 11:01:27
名無し整備兵 @seibihei

フリードリヒ大王、ナポレオン、カエサル、グスタフ・アドルフといった歴史上の偉大な指揮官たちは、決定的瞬間を見出す能力とともに、必要になるまで部隊を戦闘に投入しない忍耐と規律を身に着けていたのだった。(第5課了)

2012-04-01 11:05:37