児玉龍彦氏講演会：南相馬 2012/4/14：ﾒﾓ

so　sora @sosorasora3

●児玉龍彦氏講演会 in 南相馬　2012/4/14 http://t.co/ntUCvyXP　南相馬ちゃんねるさん

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児玉氏：自己紹介：ミレニアム計画で、特に放射性物質を利用して癌の薬を作っている。去年3/15には患者さんの超音波検査をしていたが、朝、東海村施設で5μSv/h感知、その2時間後には本郷や駒場で0.5μSv/h出たと報告が来た。これはプルームだと思った。

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児玉氏：Csは641度で気化する。PuやSrは2000～3000度、ヨウ素、Csは1000度以下で気化してしまう。これは大変なことになったと思った 放射線物質を扱っているが、通常「3原則：時間と距離と遮蔽でもって防ぐ」が基本だ。

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児玉氏：今回、原発から100km離れた所で5μSｖ/h、200km離れた所で0.5μSv/hも出てしまった。直感的にこれは、広島原爆以上の線量になると思った。 「さしあたり健康に影響は無い」と発表されるのを聞き、「それは全く違う」と、非常に心配になった。

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児玉氏：福島の事故では、放射性Csは広島168個分が飛散した。放射性Csは自然界に無い、1940年代からはじめて地球上に撒き散らされた。 有名なジェファーソンボトル問題で、ワインの年代鑑定にCsが使われたのはこのためだ。

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児玉氏：当時核実験で日本に放射性物質が落ちた、最大は1960年代初め、Csが250Bq/kg撒き散らされた。定橋先生という日本の女性科学者が「太平洋のCsが100倍になった」と論文を出した、当初は海外の研究者から反論されたが、公開実験で正しいと認められ、核実験停止への流れを進めた

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児玉氏：250Bq/kgだった汚染も311前には10～20Bq/kg、1/10ぐらいに下がっていた。 日本の土壌が半分入れ替わるのが40年ぐらい、Cs半減期が30年ぐらい、あわせて土壌のCsは17年ぐらいで半分になると考えられていた。結局50年で1/10になった。

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児玉氏：今回、広島原爆168個分のCsがばら撒かれた。これは日本にとって史上最大の汚染。チェルノブイリ以前は、広島の原爆研究から、それほど簡単には癌にならないのではないか、高い線量を浴びた人はたいへんなことになったが、低線量なら大丈夫なのではないか、という考えがあった。

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児玉氏：だが、チェルノブイリ事故が起きて、残念ながら子どもが4000人も甲状腺がんになってしまった。考えられる原因として、体内に放射性物質が入り込んでしまう「内部被曝」、これが危険なのでは、と考えられるようになった。

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児玉氏：内部被曝を防ぐには、二つのことが必要だ。「１：食べ物をきちんと検査すること、２：環境中にあるCsを減らすこと」　この二つ。 環境中にCsが散らばってる限り、雨どいの下に集まったり、しいたけやヒラメにでてしまう。だからこの二つをやっていかなくてはいけない。

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児玉氏：浪江や片倉のほうに行ってきたが、年間で70～80mSvになるところがある。食べもののチェックと環境中のCsを減らすことをしないと厳しい。

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児玉氏：先日3/11、仙台で経済同友会の追悼集会で話してきたが、一年を迎えて、もう、福島の事故とか、原発事故、として扱うのではなく、「東日本の放射性災害」として扱うべきだ。 東日本を中心に、静岡やもっと向こうまで飛んじゃっているのだから。

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児玉氏：Csをはじめとした放射性物質を無くしていく、そのために国民が一致結束して被災者を支えていく、それがだいじなことじゃないか。日本の底力を示す、そういう事態だと考えている。

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児玉氏：（地図の）オレンジ色の、非常に高い汚染地域は、避難が長期化する。除せんレベルで30～40年だ、それまで待てというのは無理だろうから、「新しい町をつくる」　これをやらなくてはだめだと感じている。

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児玉氏：青い地区は住居・学校・田畑等があるが、一番大きくて一番Csがあるのは森林だ、これをどうするか。汚染された物をどうするか。瓦礫処理が問題になっているが、もし全国にばら撒くとしたら、広島原発を各地に２個づつ撒くことになる、無理だ。どうCsを濃縮し回収していくか、が大事になる

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児玉氏：　今日は常磐自動車道の除せん進捗度を報告し、その後、健康問題の質問があれば内科医として答えます。最初に希望や夢を技術をもって語り、次に現実を見ていく、講演はこの順序で進めます。

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児玉氏：「チェルノブイリではこうだった」とよく言われるが、あれは20世紀の共産主義国家の対応だ。日本は高い科学技術をもった民主主義の国だ。全然異なる。　　例えば食品検査の機械。今、PETというアイソトープを体に打って1～3ミリの癌まで発見する機械の開発がすすんでいる。

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児玉氏：PETの第一人者、島津製作所の北村博士と311後に相談し、BGO結晶で検知器を作ろうとなった。すばらしい機械ができますと、管総理にもお話して開発をすすめた。ポイントは周囲が汚染されていても正確に測れるかどうかだった。ノイズが高いと大変で、JA二本松の倉庫の中で実験した。

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児玉氏：何が必要か尋ねると、楢葉町議長さんが「何より30kgの米袋を測れる機械を」というので開発した。この機械はチェルノブイリの400倍の速度で測れる。30kg米袋を100Bqなら5～10秒で、3台あれば二本松1万㌧の米袋も１月で測れる。3台あれば、残り11ヶ月で他の食品も測れる

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児玉氏：もう、20世紀ゲルマニウム測定で測っていたら農民が困りますよ、というようなチェルノブイリの時代じゃない。さっさと全部測って、ここから上は東電が買い上げてくれ、市場にでるのはすべて安全だ、そういうふうにしなくてはいけない。

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児玉氏：次は海産物だ、凍ったまま（4～-20℃）で測れるようにしたい。この機械は低いほど精度があがるが、結晶が結露すると困る。室温が一定になるような環境も必要だ。島津製作所が作れるということは、他のメーカーでも可能ということだ。競い合ってすばらしいものをどんどん作ってもらおう。

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児玉氏：今度の食品の新基準は、乳幼児が50Bq/kgなど、国際的にも妥当な基準にしていこうというものだろう。　乳幼児が食べられないものが、市場に出回るのはおかしい。だから、50Bq/kgで全部やればいい。50Bq/kg以上は、全部東電や国が買い上げればいい。

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児玉氏：チェルノブイリ事故で、Csはイギリスにも飛散したが、イギリス政府は基準値以上の羊の肉を、いまだに全部買い上げている。それで市場はすべて基準値以下になっている。

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児玉氏：日本政府も作付け禁止、とか言ってないで、自由に作らせて、全部測って、50Bq/kg以上は国が買い取るようにすればいい、それしか日本農業の再生は無い。そうじゃないと日本の農業は守られない、と思う。