st7q(高岡 滋)先生のtw

水俣病の知見から
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高岡 滋 @st7q

今日は、環境省への国会質問を先日紹介した共産党の市田忠義書記局長が、行商ルートでの水俣病発症のみられた芦北町黒岩地区(標高500m超)を訪問。多くの住民が長年の症状などを訴え。これに同行し、地域や住民の実情について説明しました。

2012-04-15 22:08:56
高岡 滋 @st7q

二宮講演で更に考えたこと…困難があっても、原因がどこにあるのかがはっきりすれば生きていけるし闘える。しかし、原因が見えなければ対処のしようがない。王政、封建国家、奴隷制などと違って、「民主主義」制度下における支配は、そのカラクリを国民に意識さえされないようにおこなわれてきている?

2012-04-16 22:56:43
高岡 滋 @st7q

原発事故は支配の本質の一片を露呈させた。現代資本主義がセルフコントロールを失ってしまうプロセスを加速させたのが、原発であり行き過ぎた金融資本主義。「○○主義一般が良いか悪いか」という観点よりも、○○主義がそこに生きる人間の手の内にあるのかどうかを検討すると分かりやすい。

2012-04-16 23:06:09
高岡 滋 @st7q

国民に「支配」を見せず、「支配」を意識させず、国民同士を対立させ、国民が自滅するように、同士討ちを誘導すれば、支配は完璧になる。もともと支配者の物質的基盤は国民を支配する道具でもあるが、それが情報の分野まで及ぶことで、更に深く人間を支配するようになってきたということか…?

2012-04-16 23:07:34
高岡 滋 @st7q

社会制度が何であれ、より良い社会になるための第一条件は、良いことも悪いことも、社会現象とその因果が、より多くの人々に正しく認識されることである。そのためには、情報の動きが双方向性を持つこと。原発問題を機に、国民が正しい情報と認識を専門家に要求する時代になっていくと良いと思う。

2012-04-16 23:15:08
高岡 滋 @st7q

(1)頼まれて書いた文章をもとに、「ミナマタからみた原発事故による健康影響調査」をまとめてみました。

2012-04-17 08:40:04
高岡 滋 @st7q

(2)【環境被害における健康調査の重要性】環境汚染物質をある企業が撒き散らした場合、そもそも論で考えるならば、健康被害の程度にかかわらず、その企業は環境、生物に対して引き起こした異変に対する復元措置を講じ、人体被害の回復と被害に対する補償をおこなうべきである。

2012-04-17 08:41:18
高岡 滋 @st7q

(3)しかしながら、法的に汚染の人間に対する被害責任しか問われないという理由で、企業と行政は、医学などの関連する科学分野を支配し、人体被害をなかったあるいは最小であったことにして、その責任を逃れようとするのが旧来から踏襲された原因企業と行政の思考・行動パターンである。

2012-04-17 08:41:34
高岡 滋 @st7q

(4)当然、健康被害が現れる前の段階において、予防策を講じるべきであるのだが、隠されようとする人体健康影響が示されることなしに、汚染企業の責任は追及されえないし、補償もないというのが、水俣病の歴史の示すところであった。そのことは科学的事実の隠蔽でもある。

2012-04-17 08:41:49
高岡 滋 @st7q

(5)【汚染地域健康調査のもつ2つの意味】水俣病が始まったとき、いつごろまでにどのような健康障害が起こり、将来どのような形で拡大あるいは終息していくか、という、メチル水銀による健康障害の全貌は分からなかった。

2012-04-17 08:42:07
高岡 滋 @st7q

(6)それと同様に、東日本一帯あるいは日本全体で健康障害がどのように出現してくるかについては、これまでのチェルノブイリなどの経験から想定できるところもあるが、拡散された核種や量、分布、被曝の様態などの違いもあり、未知の領域として心構えをしておくべきである。

2012-04-17 08:43:18
高岡 滋 @st7q

(7)病像が確立している疾患であれば、調査目標となる健康障害として何を選択するかは容易であるが、未知の分野が想定される場合には、病像そのものをも探っていかなければならない。このように、汚染地域の調査には、病像の探求と健康障害の診断という2つの目的が存在することになる。

2012-04-17 08:43:32
高岡 滋 @st7q

(8)汚染地域の調査は、未知の領域を想定した上で、病像の追求と診断を平行して進めなければならない。このことを理解せず、「まだ調査の段階ではない」、「そんなに影響を気にしなくて良いのでは」などと呑気なことを言っている医師が多いのは困ったことと思う。

2012-04-17 08:44:13
高岡 滋 @st7q

(9)こういう医師達は、自分たちが調査もせずに、「(調査するほどの影響もないという)結論を出して」しまっていることに気付いていない。影響がないことを確かめるためさえ調査しなければ分からない、ということも理解できていないことになる。

2012-04-17 08:44:25
高岡 滋 @st7q

(10)【「曝露-健康影響」関係の検討】汚染物質による健康障害の評価には、曝露(被曝)と健康影響の情報が必要。この「被曝-影響」関係をみていくのが、因果関係を追求していく基礎。とかく、被曝指標は、SvやBqなどの数値で表されることが多いが、これには盲点がある。

2012-04-17 08:44:51
高岡 滋 @st7q

(11)ホールボディカウンターや尿中放射性セシウムなどのデータも参考にはなるが完全ではない。線量計をつけてでもいない限り、実際の累積の外部被曝量を正確に現すことも困難である。ところが、原発放射線学者は、Sv単位で被曝を表現したがる。なぜか?

2012-04-17 08:45:06
高岡 滋 @st7q

(12)実際には内部被曝や放射性微粒子(ホットパーティクル)などによる被曝線量をSv単位で表現しきることは極めて困難である。外部被曝と比較して内部被曝の生物学的影響を評価するかという点で、専門家の意見は大きく隔たっている。被曝を小さく見せるためにSvを用いる手法である。

2012-04-17 08:45:27
高岡 滋 @st7q

(13)というわけで、「Sv」にとらわれず、居住歴、生活歴、飲食物入手ルートなどのアナログ情報を得ておくことが非常に重要である。毛髪などのメチル水銀測定をされてこなかった水俣周辺地域住民の曝露条件として、居住歴や魚介類喫食歴が重要であるのと同様である。

2012-04-17 08:45:44
高岡 滋 @st7q

(14)【健康影響をはかる指標】被曝に対する健康影響のなかで「エビデンス」の指標として用いられてきたのは「癌死」である。しかし、これは健康影響の指標としては、鈍感すぎる考えるべきである。特に内部被曝が問題となる事例に関するこれまでの疫学調査が十分とはいえない。

2012-04-17 08:46:02
高岡 滋 @st7q

(15)福島第一原発事故に最も近似した被曝を引き起こしたチェルノブイリの影響について、少数の英文で書かれた研究結果のみを材料としたIAEA、ICRPと、スラブ系言語で書かれた論文もふくめた、ヤブロコフら編集のチェルノブイリ報告では、被害の実態が大きく異なってくる。

2012-04-17 08:46:31
高岡 滋 @st7q

(16)ヤブロコフら編集の報告では、発癌、癌死以外に、有病率、死亡率、加齢、良性腫瘍、循環器・内分泌・呼吸器・消化器・泌尿生殖器・骨格筋肉系・神経系・皮膚・感染症・遺伝子損傷・先天奇形・幼児死亡・出生率・知能指数低下などが記載されている。

2012-04-17 08:46:47
高岡 滋 @st7q

(17)このように、ターゲットとすべき健康障害の種類も本来は多岐に及ばなければならない。水俣病の場合は、自覚症状、神経所見、感覚定量検査などを指標として用いているが、このような事情から、放射線の場合にどの指標を用いるかは、検討課題である。

2012-04-17 08:47:11
高岡 滋 @st7q

(18)できれば感度も特異度も高い指標がよかろうが、収集の簡便さと基礎的な情報であるという意味で、自覚症状は必ず含まれるべきだし、標的臓器によっては臨床検査も有用である。また、検査対象者や倫理的問題をクリアした上で、染色体検査なども行われるべきである。

2012-04-17 08:47:33
高岡 滋 @st7q

(19)調査手法としては、一定の地域全体を対象とした横断研究が含まれることが望ましいが、行政では容易であるものの、民間では困難である。自覚症状を有する人々や希望者のデータも重要で、特異性などの点でデータに特徴があれば、より有用となる。

2012-04-17 08:52:26
高岡 滋 @st7q

(20)【行政の隠蔽姿勢】本来情報収集責任のある厚労省や学会などは、実態把握よりも、隠蔽に努力している。2011年3月18日、日本気象学会理事長の通達、同年5月16日、文科省と厚労省が被災地での調査・研究の留意事項にわざわざ言及、研究に対する圧力になる危険性を孕む。

2012-04-17 08:52:47