ゲームに関する翻訳は、ゲーム翻訳を専門にやってる人に依頼しないとエライことになる件
- Eugene_Roserie
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では、昨日の続きで「ゲームに関する翻訳は、ゲーム翻訳を専門にやってる人に依頼しないとエライことになる」件を。 個人的に強烈だっただけなので、過度な期待はしないでくださいw あと、いろいろ思い出しながら書いてたら無駄に長ったらしくなりました。
2012-04-17 23:41:03あるローカライズタイトルで解説書チェックの依頼がありまして。解説書というのは一般的に「取扱説明書」と言われる、あまり読まれないアレですw デバッグ業務として解説書チェックは結構よくある話なのですが、この時はちょっと様子が違いました。
2012-04-17 23:42:03「海外版のマニュアルをベースに翻訳したもので、チェックというよりも校正してほしい」というニュアンス。 こちらとしては「まぁ、念入りにチェックすればいいのかな」と軽い感じ。まさか、あんな恐ろしいことになろうとは。
2012-04-17 23:43:03解説書はおよそ50頁で、1枚2頁のPDFファイルで送られてきます。 50頁ぐらいであれば自分ひとりでも確認できるかなと、PDFを開いて1ページずつ目を通していきますが、すぐに担当プロデューサーにTELしました。 「この解説書の翻訳、本編とは違う人ですか?」
2012-04-17 23:44:08そのローカライズタイトルはRPGだったんですが、ゲーム中に出てくる地名や種族名なんかが、統一されていない箇所がとても多かったのです。
2012-04-17 23:44:45もちろんローカライズに限らず、解説書などのライティングものは、開発とは違うところに依頼することが多い(らしい)ので、それ自体は問題ではないのです(いや、用語不統一が多い時点で体制的に問題はありますがw)。
2012-04-17 23:45:20問題は、『クロスボー』とか『スペシャルな特技』とか『複数の地図を行き来します』とか、およそ聞き慣れないワードが並んでたりしたことです(『クロスボー』はまるっきり間違ってるわけではないですが)。 「これ、ゲームやらない人の翻訳ですよね」
2012-04-17 23:46:03案の定、その解説書を翻訳したのが、あまり(ほとんど?)ゲームをやらない方だったらしく。 おそらくプロデューサーも一読して「これはマズいな」と思って、うちに校正を兼ねたチェックを振ってきたんじゃないかと思いますw
2012-04-17 23:46:43結局、ゲームのチェック作業を一旦中断して、2頁刷りしたものをひとり1枚ずつテスター全員に渡して「ツッコミどころを全部赤ボールペンでよろしく!」となっちゃうわけです。 回収したら、全ページが真っ赤でしたw
2012-04-17 23:47:25『二刀流』とか『クールタイム』も、忘れちゃいましたが、なんかヘンな言葉になってました。 HP的なニュアンスのHealthも『健康』とかになってた気がします。ゲームじゃなければ合ってんだけど!
2012-04-17 23:48:10まぁ、この件に関しては、そもそも翻訳のレベルが(とても)低かったのもあるんですけど。 「訳文を読みなおして変な日本語の文章になってると思えへんのか、こいつは」と、みんなが怒りながら赤ペンぐりぐりしてました。 中には項目まるまる丸で囲って「意味不明!」と書いてる箇所もw
2012-04-17 23:48:57それはさておき。 ゲーム独特のワードというのはやはり結構あるもので、例えば「Quest」という単語は「探索」や「追求」などの意味がありますが、RPGにおいて「Quest List」というようなニュアンスで使われる時、一番しっくりくるのは「クエスト」だと思うんですよ。
2012-04-17 23:49:53けどゲームをやらない人は、なかなか「クエスト」という表現までいかないのかなぁとか、そんなことを思ったりしたのでした。「QuestList」で言えば『探索一覧』とか。 "こっち側"にいるとそんなバカなと思ってしまいますけど、前述のような解説書を見ちゃうと、そういうものなのかなぁと。
2012-04-17 23:50:41ちなみに初回特典のガイドブックみたいなのもありまして、こちらはゲーム本編を翻訳したところに依頼してました。これもうちでチェックしたんですが、多少の誤字脱字と表記ミスぐらいで楽チンでしたね。
2012-04-17 23:51:24なお余談ですが、クライアントから頂いた時のPDFファイルのサイズは1.5MBぐらいだったのですが、片っ端からマーカー引いて、コメント付けて、送り返す段階で3MBを超えてましたw
2012-04-17 23:52:42以上、「ゲームに関する翻訳は、ゲーム翻訳を専門にやってる人に依頼しないとエライことになる」お話でした。 長駄文失礼しました。 一応、当該タイトルがわからないようにボカしながら書いたつもりですが、万一察しがついてもお口チャックでお願いしますw
2012-04-17 23:53:41ゲーム翻訳はゲーム翻訳を専門にやってる人に依頼しないとエライことになるという考えはわかるけど絶対ではありません。UI中心のゲームはそうかもしれませんが、台詞中心のゲームはゲーム翻訳専門の人がやるのがベストではないケースも多々あります。
2012-04-18 21:38:50タイトルによっては村上春樹氏が翻訳したゲーム翻訳がベストなゲーム翻訳であることもありえるでしょう。当たり前の話ですが。
2012-04-18 21:41:13実際は「ゲーム翻訳はゲーム専門ローカライズベンダーに発注しないとエライことになる」であり「1日2万ワードを10人の翻訳者でみたいなプロジェクト進行で、校正期間も校正スタッフも行いとエライことになる」であり翻訳者の素質以上の問題だとおもいます。
2012-04-18 21:53:49