ハートネットTV「シリーズ貧困拡大社会(2)孤立する生活保護受給者」書き起こし・ほぼ完全版

4月17日に放送されたものを文字起こししています。 進行:山田賢治アナ ゲスト:茂木健一郎(脳科学者) 湯浅誠(反貧困ネットワーク事務局長)
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冒頭のVTRが流れます

とし @toshihiro36

<ナレーション> 日本に急速に広がりつつある“貧困”について1年にわたって考えていく、「シリーズ貧困拡大社会」。4月は20~30代の若い世代で急増する生活保護受給者に焦点を当てます。昨日紹介したのは自立を目指して就職活動を続ける28歳の男性。

2012-04-18 11:34:39
とし @toshihiro36

<ナレーション> 一旦は仕事に就いても長続きせず、生活保護を抜け出すのが難しい実態が浮かび上がってきました。 今日は生活保護の頼る生活が続く中で、精神的に追い込まれていく受給者を取り上げます。生活保護を受けて暮らしは安定したものの、人づきあいが減り鬱状態に陥った男性。

2012-04-18 11:38:44
とし @toshihiro36

<ナレーション> 受給者を支援するケースワーカーが直面する新たな危機。ある自治体が行った全国で初めての大規模な調査結果とともに、孤立する受給者の実態に迫ります。

2012-04-18 11:42:15

ここからスタジオです

とし @toshihiro36

山田:シリーズ貧困拡大社会、1年にわたって私たちの足下に広がる“貧困”について考えていきます。今月は20代や30代といった若い世代に広がっている生活保護について考えていきます。ゲストをご紹介しましょう。脳科学者の茂木健一郎さん。

2012-04-18 11:47:52
とし @toshihiro36

山田:そしてもうひと方、反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠さんです。よろしくお願いします。 昨日は働きたいけどなかなか就労につながらないという20代の男性を紹介しましたが、茂木さん、どのようにご覧になりました?

2012-04-18 11:50:37
とし @toshihiro36

茂木:やっぱり働いて自分の生活をなんとか支えられるというのが…やっぱりお金の問題だけじゃないですよね。人に必要とされてる、人の役に立ててるということが人間にとって幸せの一つの条件なんだなあと思いました。

2012-04-18 11:54:11
とし @toshihiro36

湯浅:仕事をして、それで自分が社会の支え手にまわっているという役割とか生きがいとか働きがいを見つけられる。そのために何が必要なのか。就労率の問題が出ましたが…定着支援も含めて、そこの仕組み作りからやっていかないといけないということが改めて浮き彫りになったと思います。

2012-04-18 11:59:06
とし @toshihiro36

山田:そうした20代や30代の若い世代が、なぜ生活保護を受給するのか。都内のある男性を取材しました。

2012-04-18 12:00:43

VTRが流れます

とし @toshihiro36

<ナレーション> 東京・練馬区の郊外、築40年のアパートに去年生活保護を受給するようになったという男性を訪ねました。南匠さん38歳、生活保護を受けて8カ月になります。家賃は4万7千円。トイレは共同で風呂やガスコンロはありません。

2012-04-18 12:05:41
とし @toshihiro36

<ナレーション> 毎月支給される保護費はおよそ13万円。そのうち家賃を除いた8万円で生活しています。なんとか生活保護から抜け出したいと、南さんは就職活動のため保護費でスーツを購入しました。アルバイトを募集していたコンビニに応募したものの、不採用の知らせが届いたのです。

2012-04-18 12:49:34
とし @toshihiro36

<ナレーション> 専門学校を卒業した後、7年間正社員として働いていました。しかし25歳のとき、職場での人間関係につまずき退職しました。その後親との折り合いも悪くなり、家を出ざるを得なくなった南さん。仕事も途切れがちになり、路上で生活するようになりました。

2012-04-18 12:53:23
とし @toshihiro36

<ナレーション> 2年前、ホームレスを支援する団体の活動を紹介した番組。この中で南さんは取材を受けていました。当時、支援団体が発行する雑誌を売りながら暮らしていました。路上生活ながら、支援者や仲間に囲まれて楽しかったという南さん。

2012-04-18 12:57:54
とし @toshihiro36

<ナレーション> しかし長年にわたる肉体労働の影響で、腰を痛めて働けなくなり、生活保護を受給するようになりました。

2012-04-18 12:59:56
とし @toshihiro36

南:その時は結構いろんな人と出会えたり、そういうことがあったんで結構楽しかったですね。  (「それに比べて今は?」に) なんか寂しいっていうか・・・

2012-04-18 13:04:43
とし @toshihiro36

<ナレーション> 生活保護で暮らすようになってからも、南さんは仲間を救いたいと工事現場の交通誘導員のアルバイトをしました。しかし仕事は不規則で毎回違う現場に派遣されるため、話し相手もできませんでした。

2012-04-18 13:07:57
とし @toshihiro36

南: 働く日数のバランスが悪かったりとか、あんまり人と接することがなかったんで、ノイローゼじゃないですけど…そういうのもあって辞めました。

2012-04-18 13:10:27
とし @toshihiro36

<ナレーション> 南さんはこの1週間、取材班以外とはほとんど誰とも話していません。就職活動も続けてきましたが不採用が相次ぎ次第に意欲も失せてきたといいます。今では外に出るのは食事など限られた時だけ。生活保護を受けることで暮らしは安定したものの、皮肉にも南さんの孤立は深まっています

2012-04-18 13:15:46
とし @toshihiro36

南:(「人生の夢は何?」に) 人生の夢は、とりあえず生きることが目標っていうか・・。 周りの人を見てると、結構いろんな意味で亡くなってみえたり…そういうのが結構多いんで、簡単に死なないように…自分自身…とりあえず生きられる限り生きていこうかなと。

2012-04-18 13:21:16
とし @toshihiro36

<ナレーション> 孤立する生活保護の受給者。その実態が自治体による全国で初めての大規模な調査で明らかになりました。東京都で3番目に生活保護の受給者が多い板橋区。いま板橋区で生活保護を受けているのは、およそ1万8千人。

2012-04-18 13:25:37
とし @toshihiro36

<ナレーション> 毎年千人以上増え、区の(生活保護の)支出は財政の18%に当たる337億円に達しています。これまで受給者の自立を促そうと、就労支援など独自のプログラムに取り組んできました。しかし生活保護を脱することができるのは、年間わずか150人ほどです。

2012-04-18 13:29:48
とし @toshihiro36

<ナレーション> 受給者の自立が進まない要因はどこにあるのか。板橋区は今年、働けるとみなされる7500世帯に対して、生活状況に関するアンケート調査を行いました。「誰かと話したい」「わけもなく悲しくなる」受給者が予想以上に孤立し、追い込まれている実態が浮かび上がりました。

2012-04-18 13:37:01
とし @toshihiro36

<ナレーション> 不安や気分の落ち込みを感じている人は、およそ7割。さらに強い鬱傾向を示している人は3割に上りました。受給者の多くが抱える根深い孤立。板橋区の調査を担当した、首都大学東京の岡部卓教授です。受給者の心と体のケアをしなければ、就労は難しいと考えています。

2012-04-18 13:42:56
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