電力やエネルギーに関する意思決定について「これくらいは考えようよ」を書き散らします。
物理的・技術的な可能性だけをいうならば再エネ4割を2030年代、という計算は出来なくはありません。それによる経済的・社会的な問題は全部無視する、あるいは再エネ4割のためなら受容できるというのであればやればいいでしょう。http://t.co/aLcyj5od
2012-04-16 10:00:11個人の我慢による節電・省エネには多くを期待しないのがこれまでの政府の態度ですね。昨夏の東日本では家庭でも確か10%くらい削減出来たようですが、昨夏・昨冬・今夏、全て大口需要家(つまりは企業)への節電要請・命令が「確実な」手段として採用・検討されています。
2012-04-16 10:11:48我慢による省エネには多くを期待しないのは低炭素業界でも共通認識と言ってよいと思います。せいぜい冷房を寒くない程度に緩める、くらい。研究の方向性は「人々が意識せずとも省エネ・低炭素」あるいは「人々が省エネしたくなるには」。前者の典型は原子力発電、後者の典型はエコポイントです。
2012-04-16 10:16:25家庭の電力・エネルギー需要は世帯数がけっこう効いているので、人口減っても一人暮らしが増えると、人口が減るほどには電力・エネルギー需要は減らないのですよ。
2012-04-16 10:22:31水力・バイオはともかく、風力の稼働率は25%とかなので容量100万kWでは発電量では足りませんね。いえ、当事者の方はご存じだろうとは思いますけどね。http://t.co/w9OWZ5Ak「風力、水力、バイオ発電で5年後に100万キロワット、県内全域で原発1基分の発電を目指す。」
2012-04-16 10:27:15それと最近建てられている原子力発電所は160万kWとかなので、100万kW=1GW=原子力発電所1基分 という分かりやすい計算はちょっとやりづらくなってきました。既存のものと比べればいいじゃないかというなら50万kW以下のもまだ現役ですし。
2012-04-16 10:29:12まだ実用化されていない技術について、技術革新でなんとかなると言いたい方は、太陽光発電の研究開発をこの40年続けてきてまだモノになってない(最近ようやく何とかなりそうな見通しが見えてきた)ということをまず知りましょう。
2012-04-16 10:34:13私も工学研究科の者ですから、環境・エネルギー問題だって技術革新でなんとかしたいと願ってはいますが、割とすんなり解決出来るとき(自動車の排ガス、発電所の脱硫、代替フロン等)と、全然てこずってなかなかうまくいかないとき(太陽光発電、高速増殖炉、繊維系バイオ燃料)と色々あるんですよ。
2012-04-16 10:37:34@chouhu016fuji 日本の家庭のエネルギー需要は、1995年頃までは世帯数よりも早いペースで伸び、それ以降は世帯数にほぼ比例して伸びています。DEFRAも同じ認識ということですね。
2012-04-16 10:49:44「学者が素人と話をする」ということがどんなに甘くないかは血液型のことで十分痛い目に遭ったつもりだった。しかし「今度はなんとかなるのではないか」となんども期待する。その期待がなくなった時が自分がネットで沈黙する時だと思う。
2012-04-15 15:25:20一年前のツイート「熊取にある京大の原子炉実験所に、この春も4回生が配属されたと聞きました。今後の原子力政策がどうなろうと、(たとえ直ちに廃炉の決定をしたとしても!)、わが国には優秀な原子力技術者が必要です。責任感と誇りをもって学業と研究に励んで欲しいと願います。」
2012-04-16 11:28:19一年前のツイート、続「そしてまた、原子力に関連する技術者の方々が誇りと使命感を持ち、また敬意を払われながら働くことの出来るような、原子力業界・わが国世論であってほしいとも、切に願います」
2012-04-16 11:28:39欧州の太陽光パネルの企業が苦戦してるのは太陽光発電がダメだからではなくて中国・米国の競争相手がより安いパネルを生産しているからではないかな。
2012-04-16 12:55:12エネルギー効率改善による省エネは典型的な工学の課題です。と同時に、将来のエネルギーシステムを設計するときに今後の省エネにどれくらい期待するべきかもやや広い意味では工学の課題と言えます。未だ実用化されていない技術に対する甘い期待のもとに社会制度を設計するべきではないと私は考えます。
2012-04-16 13:00:35昨夏の東日本でなりふりかまわず色んなことやってやっと何とかなりましたが、システム全体を構築しなおすようなことは数か月とか一年とかでは不可能です。いえ、その一年間国力のほとんどをそこに注ぎ込めば何とかなるかもしれませんけどね。
2012-04-16 13:04:07一方で、20年とか30年とかの話をするなら全く話は別です。それくらいの期間があればエネルギーシステムの相当部分を更新することが出来ますから、現状すでに利用可能な技術を新しく組み合わせたり、今後利用可能になると期待される技術の導入を目論むことが出来ます。
2012-04-16 13:08:11発電・送電から末端のエネルギー消費機器に至るまで、エネルギーシステムの更新には時間がかかります。短期ではすぐに出来ることで対処しつつ、長期的な目標を決めてそれに向けて投資をします。短期と長期の話を分けて考え実行することが共有されたほうがずっと合理的に対処できます。
2012-04-16 13:20:46なお私は温暖化対策が専門なので、利便性や快適性を下げずにしかもエネルギー消費を減らし、かつ、同じ量のエネルギー消費からの温室効果ガス(ほとんどが二酸化炭素)の発生を減らすようなエネルギーシステムを実現するには、という見方をいつもしています。
2012-04-16 13:26:29