#amazon #shuppan 永江朗「出版文化論」Amazon日本上陸10周年
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永江:今年の秋でAmazonが日本に上陸して十年になる。十年前、私たち出版人はAmazonが十年前このようになるとは思わなかった。先週のブックオフもそうだが、本を売る状況というのはいつも 予想ができない。
2010-06-14 14:56:35永江:ネット書店とは、インターネット書店、オンライン書店と呼ばれてきた書店。日本では95年、愛知県のつるや書店が初めて。そこから01年までにかけて、多くの書店チェーンがネットに参入。始まり方はアメリカとほぼ同時だったが、そこからどんどん差をつけられていった。
2010-06-14 15:03:14永江:Amazonは90年代はまだ日本ではビジネス展開していない。90年代に日本のネット書店がもう少しがんばっていれば現在のような状況にはなっていなかったかもしれない。
2010-06-14 15:06:58永江:95年、Amazon誕生。ジェフ・ベゾスが作る。彼は1964年生まれ。アメリカ出身。コンピューターを専攻し、金融アナリストに。ヘッジファンドを辞めて、Amazonの前身となるカタブラという会社を起業する。
2010-06-14 15:09:37永江:ベゾスはインターネットによる商取引に最も最適なのが書籍だと考えた。その時ベゾスがそう思わなかったらAmazonは現在のようにはなっておらず、日本の出版状況も違ったかもしれない。
2010-06-14 15:13:57永江:もちろん現在のAmazonは様々な商品を扱っており、書籍だけのビジネスだけではないが、これは先週のブックオフのビジネスが、中古ピアノから始まったように、既存の文脈ではないことから出版業界を席巻したことにも似ていて、象徴的である。
2010-06-14 15:16:46永江:その理由として、当時のAmazonは赤字続きだったこと、そして、日本には再販制があり、どこで買っても定価であり、Amazonで買うメリットがないこと、津々浦々に書店があること、取り次ぎが発達していたこと、そして、本は実物を見て買うものである、という文化があったことがある。
2010-06-14 15:22:39永江:ところが、事実上はAmazonの一人勝ちになった。ネット書店の乱立とAmazonによる迎撃・淘汰が始まった。ドイツのBOLも丸善も三省堂も結果的には撤退してしまった。
2010-06-14 15:25:39永江:AmazonはIT産業だろうか。Amazonはネットを使った通販にしかすぎない。無店舗書店は、ヒントブックス、目録販売、風呂敷販売などという形であって、Amazonはそれらのビジネスモデルを、うまく組み合わせた。
2010-06-14 15:29:08永江:Amazonが画期だった点。受発注をコンピューターで自動処理。使いやすいインターフェース。豊富な在庫料。高い利益率が挙げられる。
2010-06-14 15:30:51永江:使いやすいインターフェースというのは、Amazon側の管理しやすさではなく、ユーザーの使いやすさを徹底して研究された結果である。
2010-06-14 15:32:09永江:Amazonがやったことで最も画期的だったのはロングテールを発見したこと。一部のヘッドとしてのメガヒットばかりではなく、テールの部分、だらだらと売れる部分に注目した。
2010-06-14 15:35:13永江:既存の書店はベストセラーのヘッドの部分ばかりに注目して売っていた。マイナーなものはリアル書店では出会うことができなかった。Amazonはマイナーなものを的確な量だけ売るビジネスモデルを発見した。
2010-06-14 15:37:53永江:メガ書店はAmazonに似ていて、都内中探し回ってもなく、メガ書店にしかないマイナーなものが売れるという皮肉な現象が起きていて、ロングテール的である。
2010-06-14 15:40:05永江:読者にとってのAmazonの利点→24時間営業。どこでも誰にも会わず買える。ワンクリックで買えること。Amazonの売り上げ上位ランキングでは、オタク、サブカル本などのマイナー本がくることがよくある。リアル書店では買いにくい本がAmazonで売れる。
2010-06-14 15:42:39永江:レコメンデーション機能、オススメ機能、カスタマーレビューは画期的。しかしカスタマーレビューなどは内輪が書いている可能性もあるので鵜呑みにはできない。
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