烏賀陽さんによる日米取材・報道の比較
@amneris84 うーん、その質問にダイレクトに答えるのは難しいです、江川さん。わたしの取材経験の範囲では(1)アメリカの情報公開は日本とは次元が違うので、取材のかなりの部分はウエブの公開情報で終わってしまう
2010-06-14 19:13:53@amneris84(3)日本のような夜回り取材をしない(調査報道、事件ものは別)ので、記者クラブのように取材源と時間と場所を共有して「食い込む」という発想がない
2010-06-14 19:17:01@amneris84(4)会見以上のインサイド情報は「セレクテッドインナーサークル」(主要新聞、テレビネットワークなど影響力の強いメディア。ブログがどうなっているかは不知)の記者しか別室レクチャーまたはブリーフィング(日本での裏レクみたいなもの)をしない。
2010-06-14 19:19:10@amneris84(5)つまり地方メディアは最初から相手にされていない。というか、地方紙の記者もそんなことは仕事ではないと思っている。最初からワシントンに支局、記者を置いていない。「そんなの通信社の仕事じゃろ」と言う。日本の全国紙みたいな「通信社の仕事もやる」なんてない。
2010-06-14 19:20:49@amneris84(6) 官庁や企業の少なくもと広報担当者はフリーだろうと企業記者だろうと差別しない。無視する時は平等に無視する(笑)。アサヒなんてアメリカでは無名ですし「アサヒビールの関連会社か」とかマジで聞かれたほどですが、取材対応ではまったく差別なしでした。
2010-06-14 19:22:56@amneris84(7) 企業は取材対応をPR会社にアウトソーシングしていることが多い。個人のパブリシストがプロジェクトごとに受けることもある(自宅がオフィス、みたいな人)。なので、同じ会社でもプロジェクトが違うと広報窓口が違うこともざら。
2010-06-14 19:24:35@amneris84 アメリカで出会ったパブリシストは広報のプロとして非常に練度が高い。元記者も多数。対応はみんな丁寧だった。キリスト教右翼でも取材を断らなかったし、系列テレビ局の中を案内して教祖の番組収録を横で見ることができた。
2010-06-14 19:26:34@amneris84(8) 会見はネットやテレビ(議会や法廷の中継はC-SPAN1,2などネット以前からふんだんにあった)で見ることができて、質問は電話ででも丁寧に答えてもらえるとなると、会見に出る必要があまりないんです。私の経験では、ですが。
2010-06-14 19:29:01@amneris84(9) フリーになってからアメリカを取材しても差別はまったくないです。一般家庭に取材の電話やメールをしたとしても、断られたことがない。「平均的なジャーナリズムへの参加意識が日本より高い」というのが率直な感想です。
2010-06-14 19:30:51@amneris84 これは「マスコミの信用度の高低」の問題ではないと思います。アメリカでも信用はされていません。が、こと「報道」になると、「報道は市民の代表として政府と対峙している」というコンセンサスはあります。日本は記者クラブ制度で権力の末端機構になっているので「市民の代表
2010-06-14 19:32:49@amneris84 日本の企業記者の話が信用できないのは、アメリカや外国の取材は、取材対象探しや日時/場所の交渉、通訳、場合によってはインタビューそのものまで現地のコーディネーターに任せて自分は直接取材したことがないくせに「アメリカでは」と発言する人が多いことです。
2010-06-14 19:35:22@amneris84 コーディネーターだけじゃなくて現地アシスタント(その国の人で日本語ができる人)のこともありますね。(拙著 朝日ともあろうものが 参照)
2010-06-14 19:36:27@amneris84 ですから、わたしは自分が通訳もアシスタントも一切使わず直接取材をしてきたアメリカについて、企業記者の「元特派員」が言うことは疑うことにしています。
2010-06-14 19:37:21