土壌と植物内でのセシウムの振る舞い(農環研発表資料)

農業環境技術研究所http://www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/publish/bulletin/niaes31-2.pdf 土壌、植物内におけるセシウムの振る舞い
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junji asakura @junjiasakura

農環研報31①(P79)土壌中のCsは、Ca塩やNa塩 などではほとんど抽出されず、抽出するためにはK塩あ るいはNH4塩が必要である。NH4塩による抽出効率が格 段に高いのは、Csの特徴である。

2012-04-19 18:12:55
junji asakura @junjiasakura

農環研報31②(P79)新たに土壌中に加えられたCsは、時間とともに水溶性画 分→交換態画分→固定態画分の順に推移していく。(P80)NH4+はK+よりも5倍、 Csに対する選択性が高い。5,000 Bq/kgでも、放射性Csの原子数は非常に 微量。

2012-04-19 18:13:15
junji asakura @junjiasakura

農環研報31③(P81)ケイ素四面体シートどうしが密着すると、上下の層の空孔が合わさった 直径0.26nmの空洞ができることになるが、ここに入り込めるの は、Cs+、K+、NH4+のみである。バイデライト、バーミキュライトイライト、 雲母に補足されやすい。

2012-04-19 18:13:42
junji asakura @junjiasakura

農環研報31④(P83)ゼオライト(アルミノケイ酸塩鉱物)はCsを吸着するが 吸着選択性はゼオライトのSi/Alモル比に大きく依存する。 ゼオライトなら何でも良いわけではない。 土壌表層 ではゼオライト含量が5%を越えることはまれである。

2012-04-19 18:13:55
junji asakura @junjiasakura

農環研報31⑤(P90)農地土壌によるCsの吸着反応に対しては、NH4+ およびK+の影響がとくに大きい。これは、NH4+およびK+は、Cs+ と土壌の吸着サイトおよび固定サイトを奪い合う関係にある。

2012-04-20 10:02:00
junji asakura @junjiasakura

農環研報31⑥(P90)土壌によるCs+固定反応の親和性はNH4+やK+よりも高いものの、 高濃度のNH4+やK+が存在すると一部のCs+が置換されて液相に放出され、 植物にとって吸収されやすい形態となる。

2012-04-20 10:02:13
junji asakura @junjiasakura

農環研報31⑦(P90)このため、土壌中における放射性Csの動態を理解する上では、 NH4+およびK+の動態を理解する必要がある。加えて、NおよびKは植物の必 必須多量元素であり、農耕地土壌に対してこれらの施肥が慣行的に 行われている。

2012-04-20 10:02:26
junji asakura @junjiasakura

農環研報31⑧(P90)NH3は水溶性が高く、水溶液中ではプロトン(H+)を取り込んでNH4+ を生成しやすい。H+が豊富であるほどNH4+の生成が進む。

2012-04-20 10:02:35
junji asakura @junjiasakura

農環研報31⑨(P90)液相のpHが低いほど液相中でNH4+が 生成しやすい。逆にpHが上昇するとNH4+からのH+の解離が 進行し、液相中で生成したNH3は電荷を持たないため気相へと 揮散しやすくり、施肥したN肥料が無駄になる。

2012-04-20 10:02:46
junji asakura @junjiasakura

農環研報31 2-①(P92)土壌中の有機物は、微生物が生産する細胞外酵素に よって低分子有機物に分解された後、直接微生物に同化されるか、 あるいはさらにNH4+まで無機化された後、微生物によって有機化される。

2012-04-20 10:26:35
junji asakura @junjiasakura

農環研報312-②(P92)無機化によるNH4+の供給が微生物にとって 十分な場合には、NO3-や有機態Nの微生物による利用が減少する。 逆にNH4+が少ない場合には、NH4+以外のN源にはたらく酵素 系の分泌が活発となる。この現象は、窒素調節と呼ばれる。

2012-04-20 10:26:58
junji asakura @junjiasakura

農環研報312-③(P92)有機態Nをそのまま利用すればエネ ルギー的に有利であり、かつ高エネルギーの炭素化合物 を得るという利点もあるため、低分子有機物は微生物に よって直接吸収されN栄養となっているとする報告もある。

2012-04-20 10:27:10
junji asakura @junjiasakura

農環研報312-④(P92)湛水および落水を繰り返す水田土壌では、 無機化によるNH4+の生成および有機化によるNH4+の消費の様相は 異なる。一般に、水田では湛水後に無機化が促進され、 NH4+の供給量が増す。

2012-04-20 10:27:23
junji asakura @junjiasakura

農環研報312-⑤湛水後は、時間の経過とともに土 壌は次第に嫌気的状態に変化していく。好気的状態でのNの形態変化は 嫌気的状態に比べて10~100倍速い。このように、 好気層は湛水した水田土壌のN循環にとって重要な部位 であると言える。

2012-04-20 10:27:34
junji asakura @junjiasakura

農環研報31 2-⑥(P92) 硝化(NH4+を酸化する)は、NH4+を亜硝酸(NO2-)に酸化する 過程(アンモニア酸化)とNO2-をNO3-に酸化する過程(亜硝酸 酸化)の2段階からなる。アンモニア酸化能を有する微生物は、 真正細菌および古細菌。

2012-04-20 17:45:05
junji asakura @junjiasakura

農環研報31 2-⑦(P93)水田土壌においてアンモニア酸化が盛んに 起こる時期は、落水後のしばらくの期 間と非耕作期における耕起後のしばらくの期間.

2012-04-20 17:45:15
junji asakura @junjiasakura

農環研報31 2-⑧(P93)NH4+の化学構造自体は変化しないことから、土壌溶液中に脱着されれば、 生物はそのNH4+を可給態Nとして速やかに利用可能である。 固定されたNH4+の一部は、水稲などの作物により利用されている。

2012-04-20 17:45:27
junji asakura @junjiasakura

農環研報31 2-⑨(P93)湛水後の無機化の促進により放出されたNH4+は、2:1型層状ケイ 酸塩鉱物によって固定される場合もあれば有機化によって消費される 場合もある。

2012-04-20 17:45:39
junji asakura @junjiasakura

農環研報31 2-⑩(P93)Cs固定サイトに対するNH4+の親和性はCs+の 1/200程度である。 施肥により土壌溶液中のNH4+濃度を上昇させれば、固定されたCs の一部を脱着させたり、逆に土壌のCs固定容量を減少さ せたりすることができると期待される。

2012-04-20 17:45:49
junji asakura @junjiasakura

農環研報31 3-①(P93) 土壌中におけるCs含量は0.3~20 mg kg-1 (中央値:4mg/kg)と微量であるのに対し、土壌中におけるK含 量は80~37,000 mg/kg(中央値:14,000 mg/kg)と 圧倒的に大きい。

2012-04-20 17:55:15
junji asakura @junjiasakura

農環研報31 3-②(P93) 土壌中におけるKの主要な存在部位は、化学的風化を 受けていない一次鉱物の構成成分としてのKである。 は雲母や長石が、火山灰の影響を強く受けた土壌では 火山ガラスが、それぞれの土壌における主要なKの存在部位。

2012-04-20 17:55:29
junji asakura @junjiasakura

農環研報31 3-③(P93) 土壌中においてKは、液相中で溶解している形態(水 溶性K)、土壌固相が発現している負電荷に静電的に吸着 されている形態(交換態K)、それ以外で土壌固相を構成 する鉱物の成分となっている形態(固定態K)として存 在する。

2012-04-20 17:55:40
junji asakura @junjiasakura

農環研報31 3-④(P93) 植物は土壌鉱物を構成しているKを何らかの 形で溶解させ、体内に取り込んでいることになる。

2012-04-20 17:55:52
junji asakura @junjiasakura

農環研報31 3-⑤(P94) Csが固定された2:1型層状ケイ酸塩鉱物の場合、植 物がKを吸収するためには、まずKより手前に位置する Csを除去する必要があると考えられる。この過程でCsが土壌溶液中 に放出されやすくなる可能性は高い。

2012-04-20 17:56:03