アニメ監督・伊藤達文氏、『戦姫絶唱シンフォギア』を回想する。（その２）

伊藤達文（シンフォギア 一期監督） @Tastufumi_Itoh

BDも発売されたし、シンフォギア回想いってみよう！

伊藤達文（シンフォギア 一期監督） @Tastufumi_Itoh

シンフォギア回想。二話、三話で悩んだのは、翼と響の感情描写の方向性でした。一話で主人公交代劇をやったので、二話では響に焦点を当てるのが真っ当。しかしドラマを引っ張るのは翼であり、彼女の行動が理不尽なので…w、翼をわかって貰えるドラマの進め方…というところが課題でした。

伊藤達文（シンフォギア 一期監督） @Tastufumi_Itoh

シンフォギア回想。この時点で響には何の落ち度もありません。そこであの翼の行動ですw。翼の心情背景や行動原理は後々説明してゆく構成なので、ここでは視聴者には深く理解されません。 とすると、翼側に立った視線で響をウザく見せて行く方法が一番いいと思いました。

伊藤達文（シンフォギア 一期監督） @Tastufumi_Itoh

シンフォギア回想。二話のAパートは響視点で展開されますが、Bパートからは思い切って翼視点を多用しています。カメラは響よりも、翼のショックや悩みに寄り添わせ、翼がどう感じているかを強調。結果、響が猛烈にウザくなって行くw。当初は響側の心情の流れもあったのですがあえてカット。

伊藤達文（シンフォギア 一期監督） @Tastufumi_Itoh

シンフォギア回想。二話の戦闘シーンでも、響は邪魔者として翼目線で描写。三話でも空気の読めない行動をバンバンするw また芝居では、翼は響と極力目を合わせようとしないように心掛けて、ウザイ後輩と、キレ気味先輩とのちょっと異様な対立構図で、空気を重苦しくしてゆく。

伊藤達文（シンフォギア 一期監督） @Tastufumi_Itoh

シンフォギア回想。響も翼も、後々キャラが化けて行くので、ここでマイナス印象でも、必ず払拭してくれるだろうと思ってました。それだけのポテンシャルを持ったキャラでした。ここはストレスを強いるところ。念入りに両者のダメな部分を描きますw。こういうのは必要なんですね。

伊藤達文（シンフォギア 一期監督） @Tastufumi_Itoh

シンフォギア回想。シンデレラで、もし継母と姉達のイジメが無いとどうでしょう？ドラマの起伏が無くなります。必要なストレスで、強いらなければならないんですが、とてもデリケートです。いつもそうですが、こういう時が最も気を使います。観客をわざと嫌な気分にさせるわけですから。

伊藤達文（シンフォギア 一期監督） @Tastufumi_Itoh

シンフォギア回想。逆にストレスを発散する時（いわゆる見せ場）は、パワーさえあれば何とかなるので楽だと感じます。そこまで仕掛けていくのが苦労なんですね。ドミノを並べる感じ…かなぁ… 高くジャンプするために、ゆっくりしゃがんで行く時が一番大事なんですね。

伊藤達文（シンフォギア 一期監督） @Tastufumi_Itoh

シンフォギア回想。ノイズが絶命するときに出す声は、実はあえぎ声を加工したものです。ノイズって、人間を殺して自分も死ぬのが生存理由という悲しい生き物なんですよね。本能的に死に向かう生物って何を理由に人間を襲うんだろう…って考えてるうちに、それは性的快楽しかない！という結論にｗ

伊藤達文（シンフォギア 一期監督） @Tastufumi_Itoh

シンフォギア回想。というわけでスタジオであえぎ声を収録しました。誰のを使ったかはヒミツｗ 最初のダビングの時、一匹一匹に声を付けたら、あっちからもこっちからも「あっはーん、うっふーん」の連発になって、みんな大爆笑。だめだこりゃ…ｗってなって…

伊藤達文（シンフォギア 一期監督） @Tastufumi_Itoh

シンフォギア回想。というわけで、あえぎ声の数を減らし、音程も低いやつとかを作ってもらって再度挑戦。加工もきつめに付けて貰ってあの形になりました。