NHK・クローズアップ現代「やめさせてくれない~急増する退職トラブル~」書き起こし・ほぼ完全版 #nhk

4月26日に放送されたものを文字起こししています。 進行:国谷裕子アナ ゲスト:宮里邦雄(弁護士・日本労働弁護団会長)
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冒頭のVTRが流れます

とし @toshihiro36

<ナレーション> 厳しい雇用情勢が続く日本社会。労働者支援の窓口に意外な相談が急増しています。会社を辞めたくても、辞めさせてくれないというのです。上司に辞表を出しても受け取りを拒否されたり、先延ばしにされるケースが相次いでいます。

2012-04-26 21:06:37
とし @toshihiro36

<ナレーション> その多くが20~30代の正社員。企業に酷使される実態が見えてきました。さらに「辞めたら損害賠償を請求する」と脅されたという事例も。会社の引き留めを押し切って退職したこの男性、会社に2000万円を超える損害賠償を求める訴えを起こされました。

2012-04-26 21:12:08
とし @toshihiro36

<ナレーション> なぜ辞められないのか。そして、なぜ辞めさせてくれないのか。急増する退職トラブルの実態に迫ります。

2012-04-26 21:15:23

ここからスタジオです

とし @toshihiro36

国谷:こんばんは、クローズアップ現代です。就職戦線は依然厳しい状況が続いています。そうしたなかで、いま正社員が会社を辞めようと退職届を出したのに、上司に受け取ってもらえない。かわりの人が見つかるまでやめさせてもらえない。

2012-04-26 21:20:20
とし @toshihiro36

国谷:そういった退職に関するトラブルが全国の労働相談の窓口に相次いでいます。こちらは東京都の労働相談の窓口に寄せられました、辞めたくても辞めさせてもらえない相談件数のグラフです。ここ数年で4割以上上昇し、去年は668件に上っています。

2012-04-26 21:25:43
とし @toshihiro36

国谷:また全国から相談を受け付けている民間団体の調査では、2年で相談件数が3倍に急増するなど、この現象は全国的な傾向となっています。企業の立場に立ってみると、仕事を覚えようやく一人前になった社員に辞められるのは痛手で、退職を思いなおしてほしいという事情は理解できます。

2012-04-26 21:31:40
とし @toshihiro36

国谷:しかし働く人には退職の自由が法律で保障されています。民法の627条、雇用期間が決まっていない場合、従業員が退職届を出すなど辞職の意思を示せば、2週間経過後労働契約は終了すると定められています。

2012-04-26 21:38:03
とし @toshihiro36

国谷:つまり会社を辞めるために会社の承認は必要なく、会社は従業員が出した退職届の受理を拒否することはできないのです。また期間が決まっている有期雇用契約の場合でも、働き始めて1年を超えればいつでも辞められることになっています。

2012-04-26 21:41:39
とし @toshihiro36

国谷:辞める自由があるにもかかわらず、なぜ辞めることができないで悩む…とりわけ正社員が増えているのか。15年前に比べ正社員の数は500万人減少。そしてコスト削減や成果主義が広がり、職場環境は厳しさを増しています。

2012-04-26 21:45:38
とし @toshihiro36

国谷:そうしたなかで、「もう辞めたい、しかし辞められない」と苦悩する社員の現実をご覧ください。

2012-04-26 21:47:56

VTRが流れます

とし @toshihiro36

<ナレーション> 福岡市に住む、佐藤博さん(仮名)です。1か月前、正社員として勤めていたIT企業に退職届を出しましたが、認めてもらえずにいます。辞めたいと思うようになったきっかけは、3年前仕事上のミスで会社に損失を与えたとして給料を天引きされるようになったといいます。

2012-04-26 21:53:22
とし @toshihiro36

<ナレーション> 手取りで30万円だった給料は、翌月11万円台に。3年間で計600万円が天引きされ、親に借金をしながら耐え続けたといいます。このままでは生活が成り立たない。佐藤さんは今年、社長に退職を申し出ましたが許されませんでした。

2012-04-26 21:57:55
とし @toshihiro36

佐藤:「まだ(会社の経営が)全然持ち直していない。それなのに辞めるのは無責任だ。おまえは周りのみんなを見捨てるのか」と。 「(退職を)認めない」と言われた時には、本当に目の前が真っ暗になりました。

2012-04-26 22:01:07
とし @toshihiro36

<ナレーション> 佐藤さんは辞める権利が民法で認められていることを確かめ、退職届を提出。2週間後、退職が成立したと思い会社に行くのを止めました。ところがその後、取締役の女性から電話がかかってきました。佐藤さんが録音していた、その時の会話です。

2012-04-26 22:04:54
とし @toshihiro36

電話内容: 女性「もしもし○○さんですか?今日は出社は?」 佐藤「え?」 女性「今日はお休みですか?」 佐藤「もう退職が成立しているはずですが」 

2012-04-26 22:08:48
とし @toshihiro36

<ナレーション> 会社は退職を認めていませんでした。法律上は退職が成立したはずだった佐藤さん。このあと思わぬ問題に直面することになりました。退職した人は失業保険を受け取るために、会社から離職票をもらう必要があります。

2012-04-26 22:12:11
とし @toshihiro36

<ナレーション> 会社は社員が退職した翌日から10日以内に手続きをする義務があります。しかし佐藤さんは20日以上経っても会社から離職票を受け取ることができず、失業保険の手続きを行えないことがわかったのです。

2012-04-26 22:15:56
とし @toshihiro36

佐藤:全く手続きができないです。失業保険をもらう手続きができない。失業でもない。会社にも努めていない。存在を消されている状態になっています。

2012-04-26 22:18:37
とし @toshihiro36

<ナレーション> 労働者支援の窓口には最近、「辞めたくても、辞めさせてもらえない」という正社員からの相談が相次いでいます。この日は過労で体を壊した栄養士からの相談でした。

2012-04-26 22:22:42
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