脳の嵐(2012/04/29):個人と公共までの距離と憲法・法・行政の整合性

1:個人と公共って直結していないよね 2:憲法は公共による個人の人権の抑圧をしないようにしているよね 3:憲法が法や行政を定めるようにしているのではなく、あくまで整合性をとっているだけで、本当はトップダウン(憲法→法→行政)はボトムアップ(行政→法→憲法)の結果なんじゃないかな みたいなことを書いたと思う。
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犬神工房 @nokkaranoumu

全然話が違っちゃうけど、前ここで書いたけど(http://t.co/asX695RL)、個人と(超集団的)公共を接続するのって、実は大変なことなのだ。

2012-04-29 10:33:53
犬神工房 @nokkaranoumu

リアルには「目の前の他者」に対する処し方に加え、「人間関係の有無」「集団関係の有無」の要素が絡み、その上にやっと「超集団的な関係(外交・婚姻・貿易・戦争)」がある。普通は人間関係や集団関係は公共ではないのだ(たとえば公共と集団を混同すると「世間」という概念になっちまう)。

2012-04-29 10:34:56
犬神工房 @nokkaranoumu

婚姻はヒトが意識的に公共と向き合ういい機会だが、他にヒトが公共と向き合うタイミングって別にないし。普通の人は外交官でもキャラバンでも戦士でもない(あ、チンパンジーは戦士である可能性はある)。だから、個人が人間関係や集団関係によらずいきなり公共と向き合うことはほとんどない。

2012-04-29 10:37:33
犬神工房 @nokkaranoumu

そういう意味で、個人と公共を直結させるような発想は三段構えで飛躍があるし、憲法にそれを盛り込むのはマズイのだ。現行の憲法の「公共の福祉」は「目の前の他者の人権を奪うと自分の人権も奪われる」ということで、実は公共ではないし。

2012-04-29 10:40:44
犬神工房 @nokkaranoumu

それにしてもやっぱ憲法って「公共をどうこうする機関たる国家が個人をどうこうしたらどうしよう」という、考えうる限り最悪の悪夢を想定しているな。これが最高法規になって他の法律と整合性を取らざるを得なくなった理由はよく分かる。

2012-04-29 10:45:08
犬神工房 @nokkaranoumu

民法は集団や人間関係を管理する行政法は国家そのものを管理するための方法論だけど、個人と国家の関係をどうこうするのって、たぶん考えうる限り最も複雑な関係だもの。(条約はまたちょっとおいといて。国内じゃないし)国内の法規として最も重要であり、当然他の国内の法規と整合性が必要となる。

2012-04-29 10:48:45
犬神工房 @nokkaranoumu

そういえば面白いなと思うのは、法の支配や法治主義は、憲法が法を規定したり、法が行政を規定したりトップダウンなのよね。多分歴史的には逆だったと思うの。行政は法を定める前から行政だったし、ウルナンム法典やハンムラビ法典は憲法とその他法が混然一体となっていた。ボトムアップだったはずだ。

2012-04-29 10:53:13
犬神工房 @nokkaranoumu

一旦ボトムアップで出来上がった憲法や法をトップダウン的に運用するとすごい整合性が取れて楽だったから、ということで、これらが元からトップダウン的だったとは思わない。役所のある国家ができたての頃に、そんな強烈な憲法・法・行政体制を作れる人材なんてなかったろうし。

2012-04-29 10:58:20
犬神工房 @nokkaranoumu

即ち、憲法や法が行政を定めるのは方便であって、泥臭い時代は行政が法や憲法を定めていたはずだ。今や一体だから見えづらくなっているけど。あと、行政が自分を管理する法や憲法を定めると絶対に「甘い」ものができる。だから立法や司法や制憲が「そんな甘いものやおまへん」と必要になったんだろう。

2012-04-29 11:00:15
犬神工房 @nokkaranoumu

まとめ。1:憲法は全然対極にある個人と公共の関係を司るから実はすごく複雑な法になる。だから今の憲法は個人と個人の関係だけに言及していて(公共の福祉、他者危害の原則とは実はそういうことなのだ)、個人と公共の関係については極力立ち入らないようにしている(財産権はともかく)。

2012-04-29 11:02:40
犬神工房 @nokkaranoumu

2:憲法が法を、法が行政を定めているのではなく、かつては逆だったはずで、今は憲法と法と行政の整合性をとるときに絶大な効果を発揮するからトップダウンしているだけだ。だから、行政や法のレベルで憲法を逸脱するような困難が生じたときは、憲法ごと変えるということはありうるだろう。

2012-04-29 11:05:12
犬神工房 @nokkaranoumu

3:んが、当然新しい困難に行政や法や憲法が立ち向かわねばならないとしても、やはりそれらは整合性そのものは取らないとダメよ。今や「困難に即立ち向かえない」ことと同じくらい、「憲法がゆらいで禍根を残すこと」はマズイんだからね。憲法改正は、国家の長期的な存続に少なからず影響を与える。

2012-04-29 11:08:42
犬神工房 @nokkaranoumu

憲法改正が不要とは言わないし(そうでなきゃ憲法第96条の侮辱となる)、いずれ過去の宿題を現在の国民が解かなきゃならん時が来るが、憲法改正って国家像をそのまま定めるので、安易に書き換えられないもの事実だ(安易に書き換えられると思っちゃ困る)。

2012-04-29 11:12:06
犬神工房 @nokkaranoumu

そもそも憲法の想定外の事態が起きている時点で、憲法作った過去の人々の屈辱なので、本当は憲法は国家が直面しそうなあらゆる事態を想定していなければならないはずなんだけど、そこはまあ、人間も制憲も万能じゃないし。

2012-04-29 11:16:48
犬神工房 @nokkaranoumu

だから憲法改正の余地があるとも言えるが、案を見てると大抵は過去の制憲に遠く及ばないのはなぜだろうね。

2012-04-29 11:17:05
犬神工房 @nokkaranoumu

今日は何かここまでとします。昔の憲法作った制憲権力者たちは偉かったんだなあ。

2012-04-29 11:19:14