『知的複眼思考法』感想

苅谷 剛彦(2002)『知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ』(講談社プラスアルファ文庫)の感想です。
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だいご @it_dig

じゃー知的複眼思考法についてぼろぼろつぶやく……てかだらだら垂れ流すかな。読んだことある人いたらツッコミとかしてほしいです(笑

2012-02-14 16:08:11
だいご @it_dig

知的複眼思考法、というとなんだかものものしいタイトルだけれども、つまるところ中身は「考え方」についての本。受験時代、多くの「勉強の仕方」という本を読み漁ったけれども、そういう類とは一線を画す本です。

2012-02-14 16:09:39
だいご @it_dig

いきなり脱線するけど、なぜ高校でこうした「考え方」について学ばないのだろう。いかに多くの物事を覚え、いかに多くのパターンを覚え、いかに素早く問題に単語をあてはめ……そうやったら採点が楽なのはわかるけどね。

2012-02-14 16:11:25
だいご @it_dig

二次試験はセンターよりは自由度は高かった。けれども、それも実際にはパターンの組み合わせにすぎなかった。独自の解釈、なんてものは求めていなくて、既存の枠の中のものをいかにして組み合わせるか、というか。あれ? でもそれって結構いいことなのかもしれん。

2012-02-14 16:13:33
だいご @it_dig

うーん、ちょっと受験にこだわりすぎたか。やはり、合否を決めるとなると採点する必要があるのであって、そうなると一定の枠組みを作ることは必要になるな。うん。でも、それとは別に、高校で「考え方」をきちんと学び、それを用いてアウトプットする必要性はあると思うなー

2012-02-14 16:16:40
だいご @it_dig

よし、本の中身行こう。まあ中盤まではわりと当たり前のことが書いてある。今回、貼った付箋が21枚あるのだが、半分の200ページまでには3枚しか使ってない。書いてあることは、常識疑わないとね、常識疑うとこんなものの見方ができるよ(実例)、とか、批判的読書が必要だよ、とか。

2012-02-14 16:19:47
だいご @it_dig

あとは、「なぜ」ってワードが大切だよ、とか。ほんと、中盤まではわりとざっくりしてて、「えーこれが名著なのー? だっせぇー」ぐらいの感覚だった。しかし、中盤からは「おお……!!」がけっこうな頻度で出現する。

2012-02-14 16:21:00
だいご @it_dig

たとえば、単に「なぜ」というワードを使うとき。その目的は考えることを誘発するのに加えて、因果関係を確定するためでもある。その時に、三つの原則があるのだが、その中でも「ほかの条件の同一性」、つまり疑似相関かどうかをきちんと確かめることが最も重要だとしている。これは納得。

2012-02-14 16:23:36
だいご @it_dig

疑似相関ってのは、「その」原因によって結果が起きていると思っていたら、実は他にもっと重要な原因があったよ、っていう状況を指す。レポートでもなんでもそうだけど、わりと思い込みによって論を積み立てることが多い自分にとって、これは特に気を付けたい。一度発表でやらかした。

2012-02-14 16:26:25
だいご @it_dig

あとは、大きな「なぜ」を小さな「なぜ」に分解すること。「20代の若者は~」という問ならば、男女でわけたり、勤労者と学生などに分けて考えてみる。

2012-02-14 16:33:31
だいご @it_dig

そして、概念レベルでものを考えるということ。具体→抽象→具体→抽象……のプロセスは現代語を学ぶ上でよく出てくるパターンだけれども、自ら思考するときにも有効。概念を導入することによって、一緒にされていた事例を区別できたり、あるいは逆にばらばらだった事例をくくったりできるから。

2012-02-14 16:35:46
だいご @it_dig

うーん、「具体と抽象のプロセスがなぜ大事か」という説明がひどく抽象的になってしまった。ま、具体例が知りたい人は本を読んでください笑。 あと、面白いと思ったのはビッグワードを禁止してみる、という試み。

2012-02-14 16:36:46
だいご @it_dig

ビッグワードというのは、個性、構造、権力、とか。これを使えば、「高校教育はもっと個性を尊重すべきだ!」みたいなことが言えちゃう。これが、思考停止に陥る元らしい。だから、高校教育について話し合うときは、「個性」や「学力」ということばをあえて使用禁止にして議論を行わせるとのこと。

2012-02-14 16:38:23
だいご @it_dig

ビッグワードっていうのは、要はものすごく抽象度の高い言葉なんだと思う。けれども、それだけに雑多な事例を含みすぎているから、それを使われるだけで納得してしまいやすい。占い師に、「あなたは今、生きてますね」って言われるようなもんか。その、何も新しいことを言っていない、という意味でね。

2012-02-14 16:40:49
だいご @it_dig

あとは、実体ではなく関係で物事を見ろ、という指摘。問題となっている事象を主語にするな、実態として扱うな。これ、むずかしいけどとても大事だと感じました。どういうことかというと、「偏差値が教育をゆがめている」とすると、「偏差値」が実体として、また絶対的なものとして感じられてしまう。

2012-02-14 16:45:48
だいご @it_dig

けれども、そうではなく、「教師と親によって、偏差値に特別な意味が与えられ、偏差値教育化をもたらした」ということによって、「偏差値」というものが流動的になる。また、どのような関係性の中で、どのように「偏差値」というものが扱われているのかに焦点があてられる。

2012-02-14 16:47:41
だいご @it_dig

あ、一個抜かした。問題となっている○○を主語として語らないために、○○化という言葉を使うといいそうです。主語として語らないため、というか、普遍的なものではなく、流動的なものとして扱うため、といったほうが適切かな。

2012-02-14 16:49:38
だいご @it_dig

この○○化、つまり○○になる、○○になっていく、という思考をするというのはすごく気に入った。結局、これも思考を停止させずに進めていくためのテクニックなのかな。

2012-02-14 16:50:55
だいご @it_dig

予言の自己成就や、反対に予言が未来を変えてしまうっていうところも面白いなー 予言の自己成就については、構築主義と似てるよなあ。つまり、金融機関の取り付け騒ぎとかがいい例。本当は全然大丈夫なのに、誰かが「危ない」というと、みんなそれを信じておろしまくるから、結果危なくなる。

2012-02-14 16:53:37
だいご @it_dig

あとは、言葉の問題についても触れている。学生がほかの学生から金品を脅しとったとき、「恐喝」といえば「厳罰に処せ!」となるものが、「いじめ」といえば「厳しいだけじゃだめだ、相談やカウンセリングの機会をもっと」みたいになったりする。イメージの影響、言葉の影響というのはやはりでかい。

2012-02-14 16:57:46
だいご @it_dig

この本、2002年に発行されているから、もう10年も昔に書かれたということになる。けれども、全然色あせてない。最初にこの本は「考え方」の本といったけれども、もう少し細かく言えば「考えを広げ、かつ進行させる」本ということになるのかな。

2012-02-14 17:00:06
だいご @it_dig

また、あとがきに「書くのが苦しいときもあったが、オウム真理教の事件を受けて、複数の視点からものごとをとらえる大切さを広めなければいけないと思った」と書いてある。やはり、あの事件の影響というのはすさまじいものだったのだなあ。

2012-02-14 17:01:29
だいご @it_dig

村上春樹も、あのオウム事件でオウム真理教につかってしまった人を「誰かの物語にとらわれた人」と言っていた。複眼的な思考ができないと、そのような単一の思考、それも他者から与えられた思考に染まってしまう可能性が高い。

2012-02-14 17:03:11
だいご @it_dig

話がそれるけど、「物語」というのはいい言葉だ。誰しも物語の中で生きている。けれども、自分の物語だと思っていたものが、実は他者の物語ではないか―? そう村上春樹は示唆する。このあたり「アンダーグラウンド」のあとがきに書いてあった部分なのだけれど、めちゃくちゃ好きなところ。

2012-02-14 17:05:11
だいご @it_dig

こんなもんかなー 思ったよりアウトプットに時間かかった。読むの1時間書くの1時間だとバランスはいいかもしれないけど、出すのは30分くらいにしたいなあ。でも、ツイッターだとなんかぼろぼろ思いついたまま書けるのがいいなあ。140字ごとにまとめないといけないのもまた良い。

2012-02-14 17:07:47