「累積100mSv以下は安全」説はいつから語られはじめるのか?(2)―JCO臨界事故報道を見直す:『朝日新聞』
「100mSv以内は安全」説をさがして。『朝日新聞』 1999年10月01日 朝刊 「見えぬ恐怖刻々拡大、突然襲った青い光 茨城・東海村臨界事故」
2012-05-03 22:16:52「民間の核燃料工場から漏れた放射能が街を漂い、住民を「見えない恐怖」に陥れた。三十日午前、茨城県東海村のジェー・シー・オー(JCO)東海事業所で起きた事故は、社員二人が重症になっただけでなく、市民も被ばくし、家庭や学校で、市民や子供たちの生活が、一斉に止まった」(ibid.)
2012-05-03 22:17:29「事故が住民に伝わったのは、発生から約二時間後。付近の立ち入り禁止措置や避難勧告はさらに遅れた。約百人は避難所で夜を明かした。「原子力の村」の周辺は、原子力開発史上、最悪の事態に巻き込まれた」(ibid.)
2012-05-03 22:18:00「茨城県は三十日深夜、現場から半径十キロ圏内の農作物の収穫を控えるよう地元の農協に要請した。県は圏内のかんしょやネギ、キャベツ、水稲などの作物が汚染されていないか県公害技術センターでサンプリング調査を始めており、収穫の自粛は安全性が確認されるまでの措置という」(ibid.)
2012-05-03 22:18:38「100mSv以下は安全」説を探して。/ 『朝日新聞』1999年10月01日朝刊「敷地外の5人も被ばく 社員新たに18人 東海村の核燃工場事故」
2012-05-03 22:25:40「茨城県東海村の核燃料工場で起きた事故で作業員三人が運び込まれた放射線医学総合研究所(千葉市稲毛区)は、症状から推定して、三人のうち二人が浴びた放射線量は、少なくとも八シーベルトになるという」(ibid.)
2012-05-03 22:26:42「これは、職業被ばく者に対する年間の最高線量限度五十ミリシーベルトの百六十倍、一般人に対する年間限度一ミリシーベルトの八千倍。国内の原子力施設で起こった被ばく事故で、これほどの大量被ばくは初めて」(ibid.)
2012-05-03 22:26:56「100mSv以下は安全」説をさがして。/『朝日新聞』1999年10月02日朝刊「備え欠いた原子力の村 「不気味」崩れた信頼 東海村臨界事故」
2012-05-03 22:34:03「避難所にヨウ素剤なし 食料・水も安全対策国任せ/臨界事故で東海村の住民の避難場所となったコミュニティセンターなど、避難場所に指定した公共施設に、原子力事故を想定した放射線防護服やヨウ素剤、線量計などの備品や飲料水、食料がまったく備わっていなかったことが分かった」(ibid.)
2012-05-03 22:34:44「これまで村内で住民参加型の避難訓練もほとんど実施されたことはなかった。村原子力対策課は「安全対策は国の一元管理だと認識していた」という。事故を教訓に、村は一日、従来の備品対策を見直す考えを明らかにした」(ibid.)
2012-05-03 22:34:56「村にはコミュニティセンターが六カ所あり、今回の事故で村は、現場から半径三百五十メートル以内の住民に対して、三カ所に避難させた。屋内退避の場所については、村が二年前に策定した防災計画で、放射線をさえぎるコンクリート施設を優先することにしている」(ibid.)
2012-05-03 22:35:32「今回の事故に対しては、まずコミュニティセンター、さらに村内の小中学校計八校を想定していた。原子力対策課は、どの施設にも原子力事故用の備品や飲料水、食料の備蓄がないことを認めている」(ibid.)
2012-05-03 22:36:05「村役場には全村民の二日分にあたるヨウ素剤と線量計、ビニール製簡易コートがあるものの、水や食料はやはり備えていないという」(ibid.)
2012-05-03 22:36:17「◇「食」めぐり、新たな波紋●農産物 「当面、茨城と名のつくものは避けたい」 一日、東京・大田市場の大手青果卸売会社「東京青果」に、スーパーや量販店から、茨城産農産物の仕入れを見合わせる連絡が入った。「(ダイオキシン*[騒ぎの時の])所沢産野菜と同じ現象が起ころうとしている」。
2012-05-03 22:40:35「都中央卸売市場ではこの日、事故現場から半径十キロ以内の地域から出荷された農産物について販売を見合わせた。ニラやホウレンソウ、サツマイモなど七品目約八・七トンで、茨城県全体の入荷量から見れば一%ほどだ」(ibid.)
2012-05-03 22:40:50「事故前に出荷されたと分かったものさえ、卸売会社に自主回収をもとめた。放射能検査で検出されたものはなかったが、「念のため」という。*関係者は「すでに県全体の問題に広がってとらえられている。小売業者の間では『安全だというお墨付きがない限り扱いたくない』という声が」(ibid.)
2012-05-03 22:41:52「実際、スーパーや食品メーカーでは、事故の影響の実態をつかみきれないまま、地元産品の取り扱いに苦心している。消費者が安全性に敏感になっていることが背景にある」(ibid.)
2012-05-03 22:42:50「大手スーパーのジャスコは、事故現場から十キロ圏内で収穫された農産物は当面販売しないことを決めた。解禁時期は「政府がこの地域での農水産物について安全性を宣言するまで」としている」(ibid.)
2012-05-03 22:43:00「◆風評被害を防いで/環境NGO(非政府組織)「日本子孫基金」事務局長・小若順一さんの話 今回の事故は、被害の広がりがまだ明らかでない以上、消費者が現場近くの農作物を拒否するのは当然の行動だ」(ibid.)
2012-05-03 22:43:43「しかし、罪のない農家に損害を引き受けさせるのは酷だ。補償もせずに出荷停止を求めても、農家は納得しない。十分かつ早急な安全宣言や農作物の買い上げなどによって、即座に風評被害を封じ込めることに全力を注ぐべきだ。そのために、政府がどう対応するか注目される」(ibid.)
2012-05-03 22:43:59「100mSv以下は安全」説をさがして。/『朝日新聞』1999年10月08日朝刊「住民「身体の影響不安」 城取清掃工場から放射線検出 /茨城」
2012-05-03 22:58:36「竜ケ崎地方塵芥(じんかい)処理組合の城取清掃工場(新利根町、昨年十二月に操業停止)で、自然放射線のレベルを超える放射線が測定されたことが明るみに出た七日、地元住民は一様に「寝耳に水」といった表情だった」(ibid.)
2012-05-03 22:59:14これはわかりにくい記述だね。「市川定夫・埼玉大教授の調査結果によると、清掃工場外の周辺測定結果は、国際放射線防護委員会の定める一般人の健康への影響を考えた年間線量限度(一ミリシーベルト)以内だった」(ibid.)
2012-05-03 23:00:14「横田会長は「現時点では周辺住民の人体に影響を与えるものではないと判断できる。しかし、野菜などの農作物が被ばくしているような風評が広まることが怖い。それだけは何としても防がなくては」と話している」(ibid.)
2012-05-03 23:00:28「累積100mSv以下は安全」説を探して。/ 『朝日新聞』1999年10月17日朝刊「独自観測の臨界事故データ報告 脱原発の市民団体 /茨城」
2012-05-04 00:02:52