アニメ監督・錦織博氏、作品イメージのズレを減らす絵コンテと演出のやり方について語る。

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錦織博 @nishiki_hiroshi

アニメの現場で、絵コンテと演出処理を分業にするときに不和が生じる一番の原因は、コンテの中でカット尺以外に緩急やリズムを伝える情報が無いことだと思う。

2012-05-05 03:25:59
錦織博 @nishiki_hiroshi

アニメの絵コンテで楽譜のようなテンポやリズムを指定する方法はあまり無く、多くの場合そのカットを成立させるための設計をカット単位で積み重ねる事になる。コンテマンのイメージと完成した作品とのズレはここから生じていく。

2012-05-05 03:34:56
錦織博 @nishiki_hiroshi

絵コンテで緩急の指定が出来ない以上、演出担当が判断してカットをつくっていくことになるのだが、その際、指揮者が楽譜を読み込むようにコンテの流れをつかまなくてはならない。この時、正解を探るのでは無く、音の流れをイメージすることが大事である。

2012-05-05 03:55:54
錦織博 @nishiki_hiroshi

音楽のようにテンポや緩急の流れをつくること。実際に台詞や効果、音楽など音の情報を想定する事でイメージを具体的なプランとしてつくっていく。その上で動きのタイミング、間、音の位置などに細分化していく。

2012-05-05 04:03:27
錦織博 @nishiki_hiroshi

アニメの各要素をオーケストラの楽譜のようにとらえて、感情やドラマの展開にあわせた時間の流れ、音の流れをつくっていく。あまり厳密に考える必要はないが、頭の中で朧げに音が聞こえてくるのが理想である。

2012-05-05 04:33:55
錦織博 @nishiki_hiroshi

アニメ制作での分業化の問題は色々あるが、作画、編集、音響など音に関わる工程の管理とイメージを共有させることが演出の重要な仕事の一つであり、完成度を高める方法でもある。演出は音を繋ぐ要なのです。

2012-05-05 04:48:23