鼻行類についてのTweetまとめ(2010年5月のもの)

TL上で鼻行類についての話題がちょろっと流れたので、せっかくなので過去Tweetを発掘してみました。ふぁぼったーはこういう時便利。 なお、「鼻行類」というのはハラルト・シュテンプケの著作『鼻行類』で紹介されている架空の生物です。 (ついでに申し添えれば、ハラルト・シュテンプケ自体が架空の人物)
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森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

ということで、国立科学博物館で開催中の「大哺乳類展 陸のなかまたち」にて、長鼻類のコーナーはででんとあったのに、鼻行類のコーナーが全くないのはちょっと嘆かわしいなあと思ったので鼻行類のお話。

2010-05-09 17:14:18
森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

鼻行類(学名:Rhinogradentia)について説明する必要はありませんよね。もし万々が一、知らないという人がいましたら平凡社ライブラリーの『鼻行類-新しく発見された哺哺乳類の構造と生活』をどうぞ。 http://www.amazon.co.jp/dp/4582762891/

2010-05-09 17:16:03
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で、それを読み終えましたら、『シュテュンプケ氏の鼻行類-分析と試論』もお読みください。こちらは、博品社の古本だけ? イカンなあ。 http://www.amazon.co.jp/dp/4938706237/

2010-05-09 17:17:08
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このあたりの「原典」に接したことがない方も、『月刊科学朝日』誌1992年2月号に標本写真が掲載されたり、2005年にも『AERA』誌の4.4増大号でやはりカラー写真が掲載されたりもしましたので、そちらで見たことがあるという方もいらっしゃるかも。

2010-05-09 17:20:04
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どんな感じの生物かというと、こんなのです。 http://bit.ly/c45TcO この魅力的な新種は南太平洋のハイアイアイ群島で発見されましたが、1957年に核実験により群島全体が水没し、滅亡したかに思われていました。

2010-05-09 17:25:16
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(ハイアイアイ群島の水没については、柴田昌弘氏が『ミッシングアイランズ』で、 http://www.amazon.co.jp/dp/4257722746/

2010-05-09 17:27:02
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古橋秀之氏が『斬魔大聖デモンベイン 軍神強襲』 http://www.amazon.co.jp/dp/404427813X/ で、それぞれ異説を紹介されているので興味のある方は手に取ってみると良いのではないかと)

2010-05-09 17:27:21
リンク www.amazon.co.jp Amazon.co.jp: 斬魔大聖デモンベイン 軍神強襲 (角川スニーカー文庫): 古橋 秀之, Niθ, 鋼屋 ジン: 本 Amazon.co.jp: 斬魔大聖デモンベイン 軍神強襲 (角川スニーカー文庫): 古橋 秀之, Ni¸, 鋼屋 ジン: 本
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.@edpurpleさんから指摘がありました。「鼻行類に言及した古橋氏の小説は軍神強襲ではなく、ド・マリニーの時計では?」 超その通りでした。今確認しました。お恥ずかしい。

2010-05-09 17:52:13
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さて、ハイアイアイ群島と共に滅亡したかに思われた鼻行類ですが、コモロ諸島にしか棲息していないと思われたシーラカンスがインドネシアでも発見されたように、時折、その生存が確認されていたりなんかします。

2010-05-09 17:28:24
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日本で鼻行類再発見の報が流れたのは1990年。東京のほぼ真南、東経140度31分、北緯20度50分の位置に浮かぶ火山島(行政的には東京都台東区の飛び地)、宇津帆島です。

2010-05-09 17:31:40
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この年、島の南側に広がる亜熱帯性の南部密林において、私立蓬莱学園高等学校の山岳部が中心となり、南部調査が敢行されました。宇津帆島全誌編纂が目的です。この調査に参加していた三年乙卯組の武見彼方(後に保健委員会環境局長)によって、固有種と思われるウツホアカハナアルキが発見されました。

2010-05-09 17:34:52
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ウツホアカハナアルキは、外見上はハラルト・シュテュンプケがハイアイアイ群島で発見した四鼻類のモルゲンシュテルンオオナゾベームに酷似していましたが、粘液性の分泌物で湿らせた尾先を釣竿のように用いて「狩り」をするという点で、生態が大きく異なっていました。

2010-05-09 17:36:54
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この発見により、「ハイアイアイ群島とは宇津帆島のことなのではないか」という主張をする研究者も現れました。なお、1995年にもやはり四鼻類に属するウツホハンモックハナアルキが同学園博物学研の皆方究磨之介によって発見され、『蓬莱ニューズレター』に関連記事が掲載されています。

2010-05-09 17:39:08
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残念ながら、宇津帆島で発見された鼻行類については、様々な事情から関連論文が公表されないままに終わったので、学術的にはその存在が認められていません。

2010-05-09 17:41:01
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しかし、1990年より数年ほど遡った1987年、ロシアの学術雑誌"Russian Journal of Marine Biology"に新種の鼻行類にまつわる論文が掲載されています。

2010-05-09 17:41:10
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"Dendronasus sp.- a New Member of the Order Nose-Walkers (Rhinogradentia)"というタイトルの論文で、執筆者はM.I.Kashkina。45$で購入することが可能です。 http://bit.ly/17eK0a

2010-05-09 17:43:05
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この論文によれば、1987年、ロシア(当時はソ連)のプチャーチン島にて採集された3個体の新種の鼻行類が採集されたということです。複数個体の鼻が枝状に接続されて2cm程度の樹状コロニーを形成するこの新種の鼻行類は、「木の鼻」を意味する学名"Dendronasus"が与えられました。

2010-05-09 17:46:38
森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

"Dendronasus"の外見は、こちらのサイトで確認できます。森瀬的には「コノハナモドキ(木の花より)」という和名を提唱したいところです。 http://www.springerlink.com/content/w0l4866303n2wg1g/

2010-05-09 17:47:29
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ちなみに、プチャーチン島はロシア沿海地方のフォーキノ市にある島です。フォーキノ市は閉鎖都市なので立ち入りにはイロイロと面倒がありますが、プチャーチン島そのものは観光地として開放されているというお話。

2010-05-09 17:48:40
森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

ちなみに、この論文によれば、ハラルト・シュテンプケが報告した26種に加え、S.FeldoyantsとA.Zelbstanderが更に3種を報告した上での「30番目の種」を発見したと報告されているのです。

2010-05-09 17:53:58
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この「3種」については"Priroda"誌の2000年4号に論文が収録されているということだったのですが、どうやって探索しろっちゅーねんということで断念しておりました。

2010-05-09 17:55:16
森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

その後、こちらのサイトに掲載されているのが見つかりました。お蔭で外見を確認することはできましたが、ロシア語なので読めやしません。 http://www.sivatherium.narod.ru/library/Stumpke/book_ru.htm

2010-05-09 17:56:46
森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

なお、南太平洋のカラバオという島国でも、鼻行類が目撃されたという話を耳にしております。何故か『マジカル ルシィ』なんかと一緒に一次ソースが行方不明になってしまっておりますので(倉庫かなあ……)、ここは記録者である.@masyuukiさんにひとつ、補っていただければと思う次第。

2010-05-09 18:01:28
森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

先ほど.@VHosoe さんがおっしゃっていましたが、リヴリーアイランドという箱庭タイプのサービスで、ハナアルキを飼うことができるようです。 http://www.livly.com/

2010-05-09 18:05:24