「選択肢」がノベルとノベルゲームに生み出す最も本質的な違い
- highcampus
- 8250
- 1
- 19
- 0
「選択肢」がノベルとノベルゲームに生み出す最も本質的な違いが「物語が作者によってあらかじめ創られているか、読者の選択によって創られるか」であるとしたらどうか。
2012-05-07 15:36:43小説の悲劇は作者によって創られる。しかし「一択選択肢」の先に悲劇があったとき、物語の責任は読者にも負わされるはずである。
2012-05-07 15:37:15うーん、パッケージングされた物語の中には既に作者の用意した悲劇が篭められているわけで、それが多面的解釈、つまり観測によって発露するわけで。
2012-05-07 15:40:53みんな大好きシュレデンィガーなんだけど、つまるところ、BADENDの用意されているシナリオ構成において、その実は半分が喜劇で半分が悲劇なのではなかろうか。
2012-05-07 15:41:42正四面体の観測的様相。サイコロなら1の反対に6があるわけだが、これを幸福の度合いとして、1も6も見える構成にした場合、それは本当に喜劇/悲劇なのかという問題。
2012-05-07 15:45:22蓋を開けても、光がなければ我々は観測し得ないのです。luxは光を与えてくれる慈悲ですがlumenは光を我々に伝えてしまう残酷さを持っている。
2012-05-07 15:50:33つまりは、1,2,3の面を見えない位置に、観測を固定して、接着剤で貼り付けた上に溶接してやるぐらいが本当の喜劇になるのかもしれない。
2012-05-07 15:56:031周目の主人公は一切の悲劇を観測できない、しかし、周回を重ねると悲劇を観測できる目を、あるいは光が差し込む、とか面白いですね?
2012-05-07 15:59:29@shimokura_vio 「読者が犯人」な本格ミステリの一部は小説でありながら文字通り「読者が読むことによって確定する作品」かと思います。特にこのパターンでもっともエレガントな『ウルチモ・トルッコ』はタイトルで「犯人はあなただ」と謳っているだけに、読者の責任は明確です。
2012-05-07 18:45:04@k_akiduki なるほど…ミステリはメタや小説自体への仕組みに対しての働きかけが盛んな印象がありますね。しかし通常の小説と違ったレベルでどれほどの関与があるのかは興味のあるところ…
2012-05-07 18:52:59@shimokura_vio まあ本格ミステリ(特に日本)は「作者対読者」という前提のジャンルが故に、メタやらの方向性で先鋭化しまくってきましたからね。いわゆる「後期クイーン問題」とかはパラノイアレベルだと思います。
2012-05-07 19:01:54@shimokura_vio はい、そのとおりです。いうなれば、本格ミステリは誕生した瞬間から否応なしに作者と読者(及び物語)の関係を意識しなければならないジャンルだった、と。
2012-05-07 19:10:23@k_akiduki なるほどなるほど。他の小説からは一歩踏み込まざるを得ない関係性だったわけですね。ノベルゲームも同じように、というか恐らくより強烈に、そこら辺を意識する必要がある気がするのですが…なかなか…
2012-05-07 19:13:56そういや『アラビアの夜の種族』で作中に白いページがあって「ここに読者が昨夜見た夢を書くべし(それによって世界に一冊の本となる)」という趣向があったけど、『オランダ靴の謎』における推理メモ用の空白には図らずも同じ効果があることに気づいた。
2012-05-07 19:14:44@shimokura_vio まあ意識し出すと大変ですもんねえ。そして大変なわりにユーザーの理解は少ないでしょうし。茨の道をあえて進もうとする下倉先生は偉いと思います、いやほんとに。
2012-05-07 19:20:20