沼崎教授:パラグラフ~リポート作成法

パラグラフ~リポートの組み立てと 教員からの評価基準など。
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沼崎一郎 @Ichy_Numa

日本語140字のツイートは、パラグラフの練習にはちょうどいいかも。トピック・センテンスを冒頭に。次にエビデンスを示すサポート・センテンスを2~3つ並べるくらいできるだろう。

2012-05-09 01:35:27
沼崎一郎 @Ichy_Numa

パラグラフとは、主張とその理由&根拠の最小限のまとまり。すなわち、議論の基本ブロック。

2012-05-09 01:37:27
沼崎一郎 @Ichy_Numa

そうです。パラグラフを論理的に積み上げて節が、 節を論理的に積み上げて章が、章を論理的に積み上げて論文まは本ができます。RT @6soeno: ブロックを積めば大きくなるんですか?

2012-05-09 01:45:16
沼崎一郎 @Ichy_Numa

私流のパラグラフの原則は5文構成。トピック・センテンス×1+サポート・センテンス×3+まとま(orつなぎ)のセンテンス×1=5文。サポート・センテンスは、具体例(喩え)×1+一般化×1、例外(限界)の指摘×1=3文。もちろん、具体例や例外の数が増えたり、一般化が長くなることは可。

2012-05-09 02:17:36
沼崎一郎 @Ichy_Numa

節も同じで、5パラグラフ構成が基本。トピック・パラグラフ×1+サポート・パラグラフ×3+まとめ(orつなぎ)のパラグラフ×1=5パラグラフ。

2012-05-09 02:19:16
沼崎一郎 @Ichy_Numa

章も同じで、5節構成が基本。序論の節(トピック節)×1+本論の節(サポート節)×3+結論の節(まとめの節)=5節。本論の節が増えたり長くなることは可。分量的には、序論10%、本論80%、結論10%が適当。

2012-05-09 02:21:44
沼崎一郎 @Ichy_Numa

パラグラフ→節→章で、5文×5パラグラフ×5節=125文。1文20~40字だから、1章=2500~5000字。大学レポートの長さは、これくらいが基本ではないか。学術論文なら最低5章=1万2500~2万5000字かな。

2012-05-09 02:27:29
沼崎一郎 @Ichy_Numa

レポートでも学術論文でも、注と文献リストが付き、説明の図表も加わるので、分量はもう少し増えることになる。

2012-05-09 02:28:36
沼崎一郎 @Ichy_Numa

レポートの序論は、1)問題設定、2)動機(背景)、3)キーワードの定義、4)方法の説明、5)レポート構成の説明と結論の予告、以上の5節構成が基本。1)がトピック節、2~4)がサポート節、5)が「つなぎ」の節。

2012-05-09 02:34:15
沼崎一郎 @Ichy_Numa

レポートの結論は、1)結果(分かったこと)の要約、2)その意義の説明、3)結果の限界(まだ分からないこと)の指摘、4)将来の課題(これから是非とも調べるべきこと)の指摘、5)反省と展望(どのような教訓を得、どちらに進もうとしているか)、の5節でいいだろう。

2012-05-09 02:40:13
沼崎一郎 @Ichy_Numa

レポート本文の構造は、問題設定に応じて変化するので、その構成の一般論を述べるのは難しい。問題を明らかにするための取り組むべき課題の数=本論の節の数になる。

2012-05-09 02:42:13
沼崎一郎 @Ichy_Numa

私は、レポートの序論を読み、結論を眺め、注と文献リストをチェックし、それからゆっくり本論を読む。その結果、「うーむ」と唸ればAA、「ほうほう」と頷けばA、「まあ、こんなものか」と微笑めばB、読んでる途中で眉間に皺がよってくるとC、机に突っ伏すとD。

2012-05-09 02:49:42
沼崎一郎 @Ichy_Numa

教員が興味を持ってレポートを読むかどうかは、最初の3行で決まる。すなわち、序論の問題設定の冒頭の文章が、問題は何か、どういう視点から、どのような材料をもとに、どのように考察しようとしているのかを、いかに明晰かつ判明に述べているかが鍵となる。

2012-05-09 02:52:53
沼崎一郎 @Ichy_Numa

教員が次に興味を持つのは、レポート執筆の動機だ。なぜ、そのような問題設定を行ったのか、その動機が「本物」かどうかが、とても気になる。動機に含まれるべきは、学部生なら、個人的な関心+勉強の成果。院生なら、アカデミックな(理論的かつ実証的)重要性+社会的重要性。

2012-05-09 02:55:28
沼崎一郎 @Ichy_Numa

教員が3番目に注目するのは、レポート末尾の文献リストの量と質。文献リストが無いのは論外。教員にとって未知の文献、未読の文献がリストにあり、それが大事そうだと分かったら、それだけで評価は大いに上がる(はず)。

2012-05-09 02:57:45
沼崎一郎 @Ichy_Numa

一冊の本を取り上げた読書レポートであっても、他の文献を複数引用しながら考察せよ。その本を課題に出すのは、重要な古典であったり、論争を巻き起こした本だからで、必ず誰かがその本を既に論じている。その論者を探せ。そして引用し、それら論者と対決しながら、自分の意見を述べよ。

2012-05-09 03:06:14
沼崎一郎 @Ichy_Numa

大学教員は、皆さんとっても個性的で、独自の価値基準を持っているので、同じレポートでも、教員によって評価は大きく変わる。だから、評価の善し悪しは気にするな。評価が低くても、価値感が合わなかったと思えばよい。そういうものだ。授業の成績も同じこと。

2012-05-09 03:08:34
沼崎一郎 @Ichy_Numa

誰もが感心するレポートはある。誰もがダメだと思うレポートもある。その中間になると、評価はバラバラに分かれる。入試なら複数教員が採点するから評価は平均化されるが、授業は単独評価だから、教員次第で変動は大きい。しかし、それもまた「学問の自由」である。評価が多様だからこそ、大学。

2012-05-09 03:13:26
沼崎一郎 @Ichy_Numa

動機に感心すると、本来の趣旨に反するレポートでも、こちらが評価基準を変え、高い評価を与えることも珍しくはない。

2012-05-09 03:14:53
沼崎一郎 @Ichy_Numa

だが、動機が「本物」かどうかは、書いたものを見れば分かるから、簡単には趣旨は曲げないし、評価基準も変えないw。

2012-05-09 03:15:55
沼崎一郎 @Ichy_Numa

研究もレポートも、対話であり、議論である。対話と議論の相手は多い方が良い。だから、引用文献が増えるのだ。しかし、対話と議論をしたうえで、自分なりの結論を出さなければならない。そこに「自己主張」がある。それが本当に自己主張かどうかは、対話と議論を示してもらわなければ分からない。

2012-05-09 03:18:06
沼崎一郎 @Ichy_Numa

「独創的」なレポートなんてものは、そう簡単に書けるものではない。はっきり言って、書ける人は少ないだろう。しかし、「徹底的に調べた」レポートや「とことん考えた」レポートなら、誰でもやる気さえあれば書ける。とことん資料を集めて並べ、あやゆる可能性を考えればいいのだから。

2012-05-09 09:06:28
沼崎一郎 @Ichy_Numa

私が見て、「これは調べられるだけ調べつくしたな」と思えるレポートであれば、結論が「並」でもA評価だ。たとえば、死刑に関するレポートなら、戦後の死刑判決全て読んでいるとかね。

2012-05-09 09:08:42
沼崎一郎 @Ichy_Numa

自分で新しい仮説を思いつけないにしても、これまで様々な研究者や一般人が思いついた仮説を全て漏れなく集めて検討しましたというレポートであれば、私はA評価を与える。思いつかないなら、かき集めろ。

2012-05-09 09:10:42
沼崎一郎 @Ichy_Numa

だいたい、新しいことを思いついたと思っても、既に誰かがどこかで言ったり書いたりしていることが多い。自分の思いつきが本当に新しいかどうか確かめるには、「調べつくす」しかない。

2012-05-09 09:11:56