公文俊平氏による、「これからの情報社会論」まとめ。

「このような情報社会ないし情報国家の姿を、「憲法」で示すなら、そのなかでは、個人が引きこもり、ニート、ネティズンとして生きる権利が保障されると同時に、これまでの軍国や産業社会で課せられた「四大義務」、すなわち兵役、就学、勤労、納税は、すべて廃止されるだろう。」という大胆な提言も含まれる。
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Shumpei Kumon @kshumpei

(姿1)これからの情報社会の姿について、思うところを連ツイしてみようと思います。(追加・訂正は大歓迎です。私自身もそうするつもりです。)

2012-05-13 09:48:51
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿2)社会生活の基本単位は自立分散型の生活を営む個人または小組織になる。以下では単に「個人」という。「個人」は自立・分散していると同時に、さまざまな「ネットワーク」に繋がっている「ノード」でもある。

2012-05-13 09:49:00
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿2a)個人の自立分散的生活の側面にもっぱら注目するなら、個人は「引きこもり」や「オタク」にみえる。ネットワークのノードとしての側面にもっぱら注目するなら、個人は「ネティズン」にみえる。

2012-05-13 09:49:51
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿2b) その両面を併せた個人のあり方を一言で表現する言葉として、情報社会の「知民」という言葉を使ってみてはどうだろう。

2012-05-13 09:50:23
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿2c)個人生活の経済的基盤は、将来は「ベーシック・インカム」で支えられることになるだろう。同時に、多くの個人は、対価を受けとる「業務」や、さまざまなボランティア活動に従事するだろう。しかし、そのほとんどは、「業務」というよりは「ゲーム」の形で行なわれるようになるだろう。

2012-05-13 09:53:02
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿3)情報、エネルギー、モノ(一部のイキモノをふくむ)のすべてについて、個人が自給の単位になる。つまり情報社会とは、個人の自立分散型の生活を可能にする情報的・エネルギー的・モノ(サービス)的基盤が、用意されている社会だ。

2012-05-13 09:53:33
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿3a)しかし、自給型の生活がそれだけで自己完結することは珍しく、なんらかの余剰や不足は、常に発生するだろう。そうした余剰や不足は、社会的ネットワークを通じて、お金による売買をふくめたさまざまな形でシェアされる。

2012-05-13 09:53:55
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿3b)しかも、情報社会の個人(知民)は、自分の能力不足を補うためにこれまでの産業社会で用意されてきた各種の「正規」の制度、すなわち学校教育、職業訓練、雇用などの制度に頼る必要は少なくなるだろう。

2012-05-13 09:54:42
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿3c)つまり彼らは、能力自体をも自給しようとする。その意味では情報社会の個人、とりわけ若者たちは、NEET (Not engaged in education, employment, or training)としての性格を顕著に示すことになるだろう。

2012-05-13 09:55:20
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿4)情報活動(学習や表現活動をふくむ)については、モバイル情報端末が、個人の基本ツールになる。

2012-05-13 09:55:48
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿5)エネルギーについては、個人用発電装置(とりわけ太陽光発電装置)が個人の基本ツールになる。

2012-05-13 09:56:39
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿6)モノ・サービスについては、個人用の生産装置(とりわけ三次元プリンターや小型遺伝子ラボ)が、個人の基本ツールになる。

2012-05-13 09:57:02
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿6a)20世紀の産業社会では、「消費者」と呼ばれた個人が、「耐久消費財」と呼ばれた消費者用機械を購入して、各種のサービスを生産・消費したが、情報社会では、「生活者」と呼ばれる個人が、生活者用機械を購入して、各種の機械を自分で製造して、そのサービスを使用するようになる。

2012-05-13 09:57:25
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿6b)今日、多くの人々がネットを通じて、さまざまな料理のレシピをシェアしあっているように、これからの情報社会では、さまざまなモノ(やイキモノ)の製造レシピを、お互いにシェアするようになる。

2012-05-13 09:57:59
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿6c)「遺伝子ラボ」は、過去の育種場の情報社会版である。過去の育種家はイキモノを形質のレベルで選択・交配することで品種改良を行なってきたのだが、未来の「創種家」は、イキモノを遺伝子のレベルで選択・交配することで、新しい種を創造する。

2012-05-13 09:58:26
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿7)各人は、オープンな情報クラウドに繋がっていて、情報の自由な出し入れを行なうことで個人の情報活動を補完し補強する。

2012-05-13 09:59:09
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿8)各人は、太陽という事実上無限のオープンなエネルギー・ソースと、エネルギーの自由なシェアを可能にする「スマートグリッド」に繋がっている。

2012-05-13 09:59:38
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿9)各人は、共同利用が可能な、さまざまな製造装置(とりわけ比較的大型の三次元プリンターや遺伝子ラボ)を、無料で、もしくは安価に利用できる。

2012-05-13 09:59:58
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿10)だとすれば、情報社会の個人、つまり「知民」たちの自然なあり方は、引きこもり(オタク)、ニート、かつネティズンとしてのあり方だということになる。そこには「異常」なものはなにもない。情報社会とは、知民が自然に生きられるための各種の社会インフラが整った社会なのだ。

2012-05-13 10:00:18
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿11)このような情報社会ないし情報国家の姿を、「憲法」で示すなら、そのなかでは、個人が引きこもり、ニート、ネティズンとして生きる権利が保障されると同時に、これまでの軍国や産業社会で課せられた「四大義務」、すなわち兵役、就学、勤労、納税は、すべて廃止されるだろう。

2012-05-13 10:00:52
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿12)つまり、「義務や業務からゲームへ」、が情報社会の知民たちの合い言葉になるだろう。

2012-05-13 10:01:20
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿13)私の連ツイは以上で終り。@hazumaたちの憲法草案にこの種の条項が含まれていると嬉しいのだが。

2012-05-13 10:02:15

公文俊平氏インタビュー 「MGの部屋」より

http://www.ustream.tv/recorded/19954974

船田紀明 Noriaki Funada @scienceeditor

@kshumpei ご参考:アメリカの未来学者Jerome Glenn氏のコロンビアでのスピーチです。http://t.co/FPirYo9s

2012-05-14 08:22:58
Shumpei Kumon @kshumpei

(姿補0)以下は近未来の情報社会のイメージについての昨日の連ツイの補足です。

2012-05-14 11:39:07