榊一郎氏の企画書、プロットに関するまとめ。

創作におけるテーマ、コンセプトについて。
54
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

ちと教え子とプロットや企画書の話をしていて思った事があるので、久々にこっち関係のツイート。 #sousaku

2012-05-15 21:05:50
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

たまに新人さんや、デビュー前だけど最終選考到達組とかのプロット(というより企画書)を拝見する事があるんだけども。「なんか企画通らないんですよねえ」「どうしてなんでしょう」と。で――割とこれが同じパターンにはまっている事が多い。 #sousaku

2012-05-15 21:08:18
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

例えば、「ファンタジー世界で代理戦争をやる話」というプロットだったとして。いきなり、世界観設定から、あるいはキャラ設定から書いてあったりする事が多いのな。この世界は太陽が二つあって、大陸には七つの国が云々、とか、このキャラの特殊能力は云々とか。 #sousaku

2012-05-15 21:10:40
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

しかしよくよく考えてみると「ファンタジー世界で代理戦争やる」つっても、これ、ドシリアスからコメディまで出来る訳ですよね。例えばアニメの「DOGDAYS」とかもそうだし、ある意味、うちの「アウトブレイク・カンパニー」の特に三巻とかそうですが、コメディにも出来るし、

2012-05-15 21:11:56
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

完全な「代理」ではないけどアニメの「ダンバイン」とかは異世界に召喚された少年少女が、その世界の事情に絡んで戦争する話で――どこまでもシリアスだし。で、企画なり何ナリを観る側に、最初に「これコメディです」とか「これはこういう所を狙ってます」みたいな、 #sousaku

2012-05-15 21:13:23
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

基本の方向性、コンセプト、セールスポイント、そういったものを、一切提示せずに、設定だけ書き始める、という場合をよく見ます。勿論、こういう状態だと、読み込んでいく上で、半ばまで読んでようやく「あ、これシリアスなのか?」とか「コメディ?」とか気付く訳で。 #sousaku

2012-05-15 21:16:43
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

勿論、最初っから説明しなくてもコメディと分かる様なのもあるにはありますが、さすがに企画書レベルでそれが一発で分かるものは少ない。特に異世界ものとか設定の凝ってるものは。 #sousaku

2012-05-15 21:18:08
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

まあ、こうした「基本の方向性なりコンセプトなりを最初に提示しない」事による問題は、本来、新人賞応募者には関係ない話――の筈なんですが(企画書なんざ応募しないし、下手に添付するとマイナスになりかねない)。問題は、「相手の理解しやすい文章と構成」を #sousaku

2012-05-15 21:22:28
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

意識せずに書いている、という事。つまり、小説本体でも同じ事やっちゃう可能性がある、という事です。ネタが悪い訳じゃない。文章力が低い訳でもない。だけど、読者の理解する順番、理解しやすい言葉選び、その他をしていないので、楽しんでもらえない――と。 #sousaku

2012-05-15 21:24:18
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

勿論、設定の一行で、「ああ、なるほどこういうノリか」と分かる設定もありますが。例えば(原稿終わったとか言ってて妬ましいので、引き合いにだしますが)橘公司さんの「デート・ア・ライブ」で「強大な力を持つ精霊をデレさせて鎮める為に結成された組織と少年の物語」とか #sousaku

2012-05-15 21:27:46
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

まさか先の基本設定で、延々鬱展開が続くハードボイルドものを想像する人はおらんでしょうし。だからまあ、要するに細かい書き方はケースバイケースな訳ですが、自分が「ここを面白いと思ってくれよ!」的な部分だけでも最初に提示出来るかどうか(企画書)、 #sousaku

2012-05-15 21:31:18
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

自分が「ここを面白いと思ってくれ!」という部分に読者を誘導する為に、どんな手法を使うべきか、どんなキャラ配置でどんなシーン展開で誘導すべきか、という意識があるか(小説本編)、という問題で、感覚型、才能型、つまり「元々才能があるので何となくそれらしく仕上げちゃう」 #sousaku

2012-05-15 21:33:08
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

人なんかは、逆に、陥りやすい落とし穴っぽい。基本、受けというか待ちというか、そういう姿勢で企画書や小説書いて、「おもしろさはきっと、読者がよく読み込んで見つけてくれる」的な発想では、駄目とはいわんけどしんどいだろうなあ、と。 #sousaku

2012-05-15 21:34:53
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

まあ、同じラノベ書きの中にも、それこそ感覚だけでつらつら書き連ねると、面白くまとまったものが出来ちゃって、しかもそれが売れちゃう人とかいるので、つい、「そういうやり方」が目に付きやすいんですけどね。あれは天才の所行だしな。 #sousaku

2012-05-15 21:36:15
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

最終的に、例えば小説家志望で投稿生活を送っている人も、例えば、某新人賞に送って落ちた。じゃあ改稿して別の新人賞に、と思った場合に、「俺が最初に目指したおもしろさ(コンセプト)はこれだ!」つーのが分かってれば、改稿しやすいんですが、自分でも曖昧なままだと #sousaku

2012-05-15 21:38:33
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

「時勢(流行)に合わせて」「レーベルカラーに合わせて」とか足し引きした結果、根本まで無くなって「何がなんだか分からない」ものが出来ちゃう可能性があって。それを防ぐ意味でも、最初に自分で「芯」を明示(言語化)しておくのは有効かな、と。 #sousaku

2012-05-15 21:40:47
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

誤解しないで欲しいのは、要するに――文章力はある、構成力もある、という状態で、受賞しない、あるいは企画が通らない、という場合に、それは必ずしも「ネタが悪い」とは限らないという事です。 #sousaku

2012-05-15 21:50:16
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

実の所、売れている作品、受賞する作品は、「恐ろしく珍しくて突飛な設定やキャラや構成」である事の方が少ない。むしろ、平易なテーマやコンセプトを丁寧に追求した結果である事の方が多い(枝葉の道具立ては突飛なのも多いですが)。 #sousaku

2012-05-15 21:53:23
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

なので、自分の見せ方が、分かり易いかどうか、適切かどうか(コンセプトやテーマの提示に沿っているかどうか)、その辺、一度立ち止まって見てみると、いいのではないか、という話でした。 #sousaku

2012-05-15 21:55:15
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

(追記)ちなみに、「じゃあ榊、お前、企画書出せば百発百中なのかよ」と言われれば、勿論、そんな事ねーんですけどね(苦笑)。編集部の要望や時勢、流行を読み間違う事も多々あるので。「どうにも行き詰まって先に進みにくい」人向けの話でした。 #sousaku

2012-05-15 22:03:57