自計化に関する3つの選択肢

「自計化(会社が自分で試算表を作ること)」が本当に会社の為になるのかと、それに対する会計事務所の関わり方を改めて考えてみました。極論を言うと次の3つにたどり着きます。 【結論】 ①自計化をする場合(次の2点いずれかを選択) ・税務申告用の決算書作成の為であれば、赤字にして税務調査リスクを低くした上で、会計事務所を使わない ・会計事務所職員レベルの社員を雇ってERPを導入して内部統制を整えて経営に徹底活用 続きを読む
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松波 竜太 @maznami

事務所を始めて9年になりますが、サービス体制が整うにつれ、「自計化(会社が自分で試算表を作ること)」にドンドン懐疑的になってきてます。

2012-05-18 22:16:21
松波 竜太 @maznami

ところで「自計化」という漢字は未だにMS-IMEでもATOKでも変換されないのかな?

2012-05-20 14:52:39
松波 竜太 @maznami

まず、「会計事務所がチェックして初めて」経営に使えるデータになるのであれば、会計事務所のチェックという「ボトルネック」が発生するので、自社で入力しようが、会計事務所でチェックしながら入力しようが同じ事になる。ここに気付いていない経営者は意外と多い。

2012-05-18 22:23:06
松波 竜太 @maznami

更に、大抵の場合会計事務所がチェックするのは「税務上問題が無いか」「会計上問題が無いか」という立場に立つもので、「経営に使えるデータになっているか」という立場でのチェックはほとんど行われていない。ということも余り知られていない。

2012-05-18 22:25:20
松波 竜太 @maznami

これだけははっきり言っておきます。「期間損益計算」と「費用収益対応」が適正に行われない限り会計データが「経営に役立つ事は無い」。

2012-05-18 22:42:19
松波 竜太 @maznami

自社の会計情報をタイムリーに経営に活かそうと思うのですあれば、内部統制をしっかりしいた上でERPシステムを導入するしかない。だから、中小企業で費用対効果を考えると現実的ではない。逆に自計化レベルではどうにもならん。月末締めてから伝票入力してどうする。

2012-05-19 11:06:11
松波 竜太 @maznami

ぶっちゃけ会計事務所側からすると、「前提条件のはっきりしない」会計データでアドバイスをしろって言われたって無理としか言いようが無い。「前提条件」とは「期間損益計算の適正化」と「費用収益対応」なんだが、これがしっかりできるのって相当処理レベル高い。つまり実行可能性が低い。

2012-05-18 23:03:46
松波 竜太 @maznami

話が少しそれるが、これはつまり、経営者は会計事務所が「期間損益計算の適正化」と「費用収益対応関係」のチェックをしてくれているのかを確認しておく必要があるということ。

2012-05-18 22:44:06
松波 竜太 @maznami

そもそも「会計」でいう利益は、会社の経営レベルでいう「儲け」と違う。儲けとは何かの定義は、幸せとは何かの定義と同義で、人にどうこう言われるべきものではない。会計で求める利益は銀行や税務署が他社と比べる指標として求めているものに過ぎない。

2012-05-19 11:10:48
松波 竜太 @maznami

「税務・会計」面以外の、「会社の儲け」の測定において会計事務所のもつノウハウの利用が期待されるところではあるが、それには「内部統制」と「数量化」に関する知識、能力、技術を持っている必要がある。これを満たす事務所がどれくらいあるだろうか?

2012-05-19 13:11:28
松波 竜太 @maznami

さらに「同じ料金を頂くなら、会社で出来る事は会社でやってもらい、専門家としてのアドバイスを提供」という、「業務分担論」が展開されがちだが、先述のように、前提条件の不明確なデータに基づくアドバイスは意味が無いし、会社側も税務・会計に立脚した評価・アドバイスをそれほど期待していない。

2012-05-19 13:30:34
松波 竜太 @maznami

また、税務面の監査をすることで、会計データの作成技術(仕訳の切り方等)に関して評価・アドバイスをするという業務もあるが、業務に関する報告が会社側にきちんとした形で示されない事がほとんどで、雑談程度に「今月の処理は誤りが少なくて良かったです」的なやり取りが展開されているのが現実。

2012-05-19 13:21:42
松波 竜太 @maznami

例えば、私たち並の処理をする人間を雇うとすると、最低でも月給30万円程度はかかってしまうはず。で、「経理・財務」業務に正社員ひとりがかかりっきりになる仕事量があるならペイするが、余った時間で時給800円の人でも出来る仕事をやってもらうとすると、空いた時間分の経済的損失が生ずる。

2012-05-18 22:34:08
松波 竜太 @maznami

もしくは、簿記3級程度の人間でも「税務調査に耐えうるレベル」の処理であれば十分可能だ。「自計化」の実態としては、このレベルが多く、会計事務所がよく言う「自社で入力することでスピーディに業績把握」とはほど遠い。

2012-05-18 22:40:17
松波 竜太 @maznami

会計を「税務調査」の為と考えるならば、役員報酬を多めにとって赤字にしてしまえば税務調査の可能性は低下する。社員さん(簿記3級レベルで充分)に処理してもらって、税務署に申告書の書き方を教えてもらえば、会計事務所はいらいない。コストは限りなくゼロになる。そういう選択肢もある。

2012-05-20 15:01:01
松波 竜太 @maznami

創業したての経営者が「パソコンで自分で経理」という希望を持っていても、大抵「現金出納帳を効率よく付けたい」レベル。通帳を全部入力し、売上を納品のつど記帳して、入金があったら…と展開すると、「えっ、そんな事までやるの?」と青ざめる。その裏側には「会計事務所は何をしてくれるの?」

2012-05-19 22:29:49
松波 竜太 @maznami

あと、自分たちで記帳すれば会計事務所に払うコストを圧縮できると考えているパターン。そううたっている会計事務所のHPも見かける。しかし、会計・税務面で満足する記帳レベルは相当高く、また、会計事務所からすれば、人の記帳をチェックをする為、完璧に付けられていない限りほとんど二度手間。

2012-05-19 14:06:07
松波 竜太 @maznami

「自計化」に効果があるとすれならば次の2点。「自分でお小遣い帳を付けると無駄遣いに気付いて反省材料になる」という事。しかしこれは、経営者が自分で記帳した場合にはという条件がつく。帳面漬けを社員さんにやってもらった時点でこの効果は薄くなる。

2012-05-18 22:49:14
松波 竜太 @maznami

「自計化」の効果の2点目は、社員さんに入力してもらう事で牽制がかかり、「経費の私物化」を防げるということ。これは経理をアウトソースした場合には失われる可能性が高い。

2012-05-18 22:50:32
松波 竜太 @maznami

拭い切れないのは、記帳代行という参入障壁の低い業務を会社に押し付けることで、他業界からの参入を防ぎ、規制に守られた税務監査を本丸に据えることで、税理士が自分達の立場を守ろうとしているので無いかという懸念。

2012-05-19 11:25:07
松波 竜太 @maznami

そんな事は絶対にあってはならない。

2012-05-19 11:26:46
松波 竜太 @maznami

確かに税理士は税理士法で中立の立場と位置付けられているから、税務のAUDITを行うことに意義はあるし、国家天下を考えると大切なことであるとは思う。

2012-05-19 11:31:29
松波 竜太 @maznami

しかし、会社側はそんな国家天下がどうとかは関係ないだろう。まあ、税務調査でむしり取られることに漠然とした怖さを感じてはあるだろうから、そのリスク低減に幾ばくかの対価を支払う必要性を感じている事は否定し得ない。

2012-05-19 11:35:06
松波 竜太 @maznami

ただ、実際の税務調査においては、税理士の税務監査は、建前的に一定の尊重はなされるものの、ないものとして粛々と進められる。税務署が民間である税理士を100%信頼したのでは、それこそ国家天下が成り立たない。

2012-05-19 11:42:31
松波 竜太 @maznami

手前味噌で申し訳ないが当社の記帳代行を例に挙げると、仕訳処理や科目体系にノウハウをこめてパターン化した顧客別マニュアルを作成、さらに作業者を固定してその会社自体のノウハウを蓄積。これは多くの会社の処理を行うプロだからなせる技で、中小企業にその様なノウハウが蓄積される可能性は低い。

2012-05-19 17:58:43
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コメント

松波 竜太 @maznami 2012年5月19日
用語補足:期間損益計算=一定期間内においての全ての収益と費用を「過不足なく」網羅して損益計算すること。費用収益対応=収益に対応する費用(またはその逆)が適正に計上されている状態。
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