- kotonoha_s
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屋代線廃止から1か月ほど経った春の日、代替バスに乗るつもりで長野へ向かいましたが「ただ乗るだけ」ではつまらない。屋代線代替バスの大きな特徴である「同時に改変されたり強化されたりした既存路線バス」も見てみたく、若穂地区を中心に覗き見てきました。
図に屋代線代替バスは記載していませんが、概ね鉄道に並行する道路があるのでそこに設定し途中停留所を増やしたのと、屋代・松代・須坂の市街地で学校や病院を経由させたという状況で、これに加えて朝は須坂市内への通勤通学用に高速道路経由の速達便を出す形で設定されました。
まずは長野駅前から長電バス保科温泉線で信濃川田駅を目指します。この路線は大昔からあるもので、長野市街と若穂町内の旧川田村・保科村にあたる地区を結ぶ路線で、アルピコ(川中島)バス松代線そして長電バス屋島線(長野-井上-須坂)と並ぶ「屋代線沿線と長野市街を直結する」路線となっています。
保科温泉は伝統ある湯治場で、鉄分を含んだ濁り湯だそう。温浴施設があるので、そこへ向かう高齢者の利用もあるようです。
長野駅から東南郊の若里までは整備が進む市街地を走ります。長野市の公共交通の幹線軸のひとつとすべく意識した道路整備が行われ、ビッグハット辺りまではバスの走行環境も良好なのですが、長野バイパス若里交差点から先の松岡・大豆島(まめじま)地区は元あぜ道であろう狭隘街路が当時は続いていました(現在は区画整理が進んで改善されています)。
ビッグハット周辺の様子(2003年撮影)。長野五輪を契機に劇的に整備され、立派な道路が通り沿道も商業施設が進出したりしています。
そして大豆島地区を抜けると千曲川に架かる「落合橋」を渡り、旧若穂町域に入ります。
若穂町は綿内・川田・保科の三町村が合併して出来た町で、川田と綿内が旧集落、その間に若穂町成立時に出来た新集落があります。保科温泉線はそのうち若穂新集落と川田集落を経て、保科へと向かいます。
電車屋代線と違い、長野市街へ直通できるので、鉄道が走っている時代から長野へはこのバスが使われていました。
そんなこんなで、バスは川田駅に到着。
信濃川田駅の駅舎は、こんな感じ。
駅舎は旧く傷みもありますが廃止後も手入れされていて、駅前広場は整備され駅前通りも結構立派で、往年の鉄路の賑わいや地域の核となる存在であったことが想像できます。