放射線医学と低線量被曝

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島薗進 @Shimazono

1放射線医学と低線量被曝①医学でない放射線健康影響研究(保健物理が主)は全体として低線量安全論に傾く。http://t.co/inm5Avyk 参照。では放射線医学者の見解は?大きく分かれる。安全論の方に傾く論の提示者は舘野之男氏、中村仁信氏、遠藤啓吾氏等。政府関係の職務を経験。

2012-04-26 08:30:19
島薗進 @Shimazono

2放射線医学と低線量被曝①低線量被曝の健康影響について放射線医学者の見解は大きく分かれる。被害があるとのデータもあり分からないから防護すべしとの立場の医師も。西尾正道氏、近藤誠氏、平栄氏等。いずれも放射線治療につき実績がある。放射線治療・診断の効果と害につき取り組んできた医師達。

2012-04-26 08:31:29
島薗進 @Shimazono

3放射線医学と低線量被曝①安全論に傾く放射線医学者は政府関係の委員等を経験し、原発推進の国の立場に関わったことがある人が多い。そもそも放射性医学研究所は科技庁(厚生省、文部省でなく)の下に国策としての原発推進に関与する機関として1957年に設立。当初は東海村に作る考えだった。

2012-04-26 08:32:14
島薗進 @Shimazono

4放射線医学と低線量被曝①それまで医療被曝以外の放射線防護に関わった事があまりない医学者がUNSCEAR等に関わっていく経緯については、塚本哲也『ガンと戦った昭和史―塚本憲甫と医師たち』1987年が参考に。放医研の研究者の原爆被害研究や内部被曝研究は科技庁から抑えられた。

2012-04-26 08:33:04
島薗進 @Shimazono

5放射線医学と低線量被曝①他方、国連科学委員会UNSCEARには放医研から参加し報告書を出す。国家戦略に関わるから。日本学術会議は科技庁主導の放医研運営を批判したことがある(『ガンと戦った昭和史』p356-7)。政府に登用された放射線医学者が低線量安全論を語る例は多い。

2012-04-26 08:33:27
島薗進 @Shimazono

6放射線医学と低線量被曝①舘野之男『放射線と健康』2001、中村仁信『低量放射線は怖くない』2011等。後者から興味深いやりとりを引く。「B放射線を怖がりすぎる必要はないということはよくわかりました。では、被ばくを減らす努力は必要ですか。先生ご自身はあまりそういう努力はして」

2012-04-26 08:34:07
島薗進 @Shimazono

7放射線医学と低線量被曝①中村『低量放射線は怖くない』B(質問者)被ばくを減らす努力は「しておられないようにお見受けしますが」中村「これまた、すごい指摘ですね。とても大事なポイントです。100mSv以下は健康被害なしだったら、わずかな放射線など防護する必要はないと思われる」

2012-04-26 08:34:40
島薗進 @Shimazono

8放射線医学と低線量被曝①中村仁信『低量放射線は怖くない』「放射線など防護する必要はないとかもしれません。しかし、そうではありません。繰り返しますが放射線は活性酸素を生み出します…」。何が「すごい指摘」なのか?当たり前の質問。それについての答はできていない。

2012-04-26 08:35:17
島薗進 @Shimazono

9放射線医学と低線量被曝①中村『低量放射線は怖くない』結局、中村氏は防護は軽くてよいと述べる。「私自身、被ばくを減らす努力を怠っているわけではありません。長い間、放射線を管理する立場でしたしね。でも本音では被ばくにそんなに神経質にならなくても、と思っているんですが」p83-4

2012-04-26 08:35:52
島薗進 @Shimazono

10放射線医学と低線量被曝①中村仁信『低量放射線は怖くない』「100mSv以下は健康被害なしだったら、わずかな放射線など防護する必要はないと思」うのは当然。では、なぜ防護しなくてはならないか?答はない。これは福島県の放射線防護をリードする山下氏や神谷氏も同様では?(続く)

2012-04-26 08:38:21
島薗進 @Shimazono

日本の専門家はICRP基準からずれた低線量健康影響の理解をもっている。政府や福島県の言う事やる事は彼らの助言に基づく。国際的なICRP基準にも従いたくない彼らの方針が住民に受け入れがたいのは当然。反対をすると「日本人は愚か」論になる。http://t.co/QlNUkKvn

2012-04-26 08:39:18